フィーアサーバー編

第51話

正式サービス開始 30日目


USOをプレイしだして、早1月が経った。


ダンさんは、中型で一番大きめのハウスを購入した。


★ハウス:ゲームの中での自分専用の拠点★

*USOの中で、自分の拠点として扱う事ができる。

*マイハウスの中になら、何を設置しても消失ロスト)する事は無い。

*また、フィールドとは違い、ハウス内でなら、ログアウトした瞬間に、USO内でのアバターも安全に一瞬で消える。

*野外でログアウトすると、アバターだけは5分間は実体化したまま(プレイヤーの意識は無い)。



ダンさんの建てたハウスの場所は、森林エリアのユノーの街のすぐ側。


森林エリアと言うだけあって。


ユノーエリアでは、沢山の木材や山の食べ物などが採取できる。


ダンさん本当は、火山エリアにハウスを建てたかったのだが。


ハウス建築を狙ってた土地を、大手のギルドハウスに取られた為に、仕方なくユノーにハウスを建てたのだ。


「「「「ハウス購入! おめでとう!」」」」


ガーランド、彩、ラクス、私(水無月)が、ダンに祝いの言葉を投げかける。


「有り難う。 これも、皆んなが足りない分のゴールドを貸してくれたおかげだ。


借りたゴールドは、必ず返すからな。」


深々と頭を下げて、ダンが言う。


「返す必要はないからな。 ゴールドを返すなら、いい装備品を作ってくれ。」


と、ガーランド。


「うんうん。 私たちは、パパの装備が在れば良いんだからね。」


と、あや


先週から、あやのテンションは高く。


あやはダンさんの事を、冗談でパパと呼ぶようになった。


この前、あやの言っていた幼馴染の子と、キチンと謝って仲直り出来たらしい。


あや。 頼むから、パパは辞めてくれ。 俺は、まだ32だ。」


そう言う、ダンさんの表情は、何となく嬉しそうな表情をしていた。


「ダンさんが居なければ。 ここまで早く立派な装備と、ゴールドを貯めることが出来なかった筈です気にしないでください。」


ラクスがニッコリ微笑みながら言う。



「ダンさんの作ってくれる武器防具があったからこそ。


私もラクスも初心者なのにスタートダッシュで、かなり優位に稼げたんだから。」


私も笑みを浮かべて言う。


「そう言ってくれると、生産職冥利に尽きるな。」


3人を見渡すダンさん。

 

「ダンさん。 はい、コレ。」


そう言って、あやがダンに具現化させた丸い石を手渡す。


「ギルド石……。」


「前に、ギルドを作るって言ってたでしょ。 ハウス購入祝いだよ。」


ギルド石を手に取り、見詰めるダンに彩が言う。


「私達4人からのプレゼント。」


水無月が、ダンに言う。


「有り難う。」


順番に4人を見て、ダンが御礼の言葉を述べる。


「それで、ダンさんに。お願いがあるんのだけど。」


あやが、ダンに言う。


「叶えられる範囲で良いのなら言ってくれ。 俺に出来る事なら何でもする。」


「私と、ガーランドを、ダンさんの所のギルドに入れて欲しいの。」


「もちろん、私ね。」


「私もです。」


と、水無月とラクス。


「はぁ……。 入るのは大歓迎だけど。


俺は、ギルドを大きくするつもりはないぞ。


SWORDソードONーLINEオンラインクロスの時みたいに、名前を売るつもりは全くないからな。


身内だけで、ひっそりとUSOの世界を楽しみたいんだ。


それでも、良いのか?」


「俺も目立つの嫌いなんでね。 むしろ願ったり叶ったりだけど。」


腕を組みながら、ガーランドがダンに言う。


「私は、皆んなと一緒に遊べれば満足だよ。」


笑顔であやが言う。


「私は、楽しく遊べるのなら。 他の、何も望みません。」


ニコリと、優しい笑みを浮かべながらラクスが答える。


「私も! 皆んなが好きだよ! だから、皆んなの居るところが良い!」


笑顔で元気の良い声で、水無月が言う。


「りょうかい。


入ってくれるのは嬉しいけど、1つわがままを言っていか?」


ダンの言葉に、4人が首を傾げる。


「ギルドの名前を、俺が決めても良いか?」


「変な名前じゃなければOK。」


腕を組みながら、ガーランドが言う。


「パパに任せるよ。」


笑顔で答える彩。


「はい。」


短く返事を返すラクス。


「うん。」


言葉と共に、頷いてみせる水無月。


4人の言葉に、ダンは少しだけ間をとって。


「プレイメイト。 気に入らなければ改名すけど、どうだ?」


「遊び仲間か。」


ガーランドが、頬を緩ませながらダンに視線を向ける。


「いいと思う!」


彩も、賛成のようだ。


「飾り気のない所が良いですね。」


ラクスも気に入ったようだ。


ニコリと微笑みながら賛成する。


「私も賛成だよ!」


水無月も明るく笑顔で答える。


「なら、ギルド名は【プレイメイト】で良いな?」


ダンの言葉に頷く3人。


ギルド【プレイメイト】が誕生した瞬間だった。


初期構成メンバー5人。


ギルドルールとして決められた事は1つだけ。


【皆んなで仲良く遊ぶこと】


これだけだった。

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