第45話

俺は、クスクス笑いながら。家のドアの方に歩いて行き、そのままドアをくぐって家の中に入っていく。


蒼夜くんは、少しの間。俺の家を見て固まっていたが、急いで俺の後に続き、ドアをくぐって中に入ってくる。


入口は白を基調に赤いカーペットを敷き、幾つかの装飾品を並べている。


天井はアイボリー色で纏め、嫌味にならない程度のシャンデリアで灯りを出している。


入口の両側には、左右に向かう廊下が伸びている。


左右に伸びる廊下の床は木材。タイルにしないで、敢えて木材にして暖かみを出してみた。


「1階と2階は、開放して売り場になっているから。3階に行くよ。」


正面の階段を登って、2階の踊り場に出る。


2階の踊り場からも、左右に廊下が伸びている。



2階の床は、木材から白のタイルに変更して。タイルの上に緑色のカーペットを。


天井はアイボリー色のままで、明かりは小さなランタンを壁に沿って幾つも並べてある。



2階の踊り場から、3階へ行くには昇降機を使う。


わざわざ、昇降機にしたのは。3階はプライベートフロアだからだ。


昇降機のドアを開いて、蒼夜くんを呼んで乗り込み。3階のボタンを押す。


昇降機のドアが閉まり、3階に向けて動き出す。


昇降機が止まりドアが開く。



ドアが開いて、目の前には巨大なガラス張りの窓から見えるのは。広がる森林地帯。


昇降機から降りて、左の廊下を歩き。3番目の部屋の前で立ち止まる。


ドアノブに手を掛けて、ドアを開いて中に入る。


部屋の中には、1人掛けのソファーが3個と、3人掛けのソファーが2つ。


部屋の中央に在る、大き目のテーブルを囲む様に置かれている。



「ようこそ、マイハウスへ。好きな所に座ってくれて良いよ。」


俺は、そう言って。蒼夜君を部屋の中に招き入れて。


ドアの横にある、小さなプッシュタイプのベルを押して鳴らす。


蒼夜君はドアの近くの、1人掛けのソファーに腰掛ける。


俺は、蒼夜君の正面の3人掛けのソファーに腰掛け蒼夜君に話しかける。




「感想は?」


「凄いです・・・」


それ以外の言葉が見つけられないのか、蒼夜君は部屋中をキョロキョロと見渡している。


「ありがとう。君も頑張れば、此処まで大きな家とはいかないけど、マイハウスを持つことが出来るさ。」


俺が、そう言った時だった。


「聞いても良いですか?」


蒼夜君が口を開いて質問してくる。



「どうぞ。」


「この家って、いくら位したんですか?」


「ん~。そうだねぇ~・・・・・家の資金だけなら、大体1億ゴールド。」


「1億!!」


「家の所有権利書だけでね。それ以外に、家の中の内装費用で約1000万ゴールド位だったかな?」


実際には、もう少しかかったが。それは、俺の趣味で掛けた費用なので除外した。


「どうやったら、そんなに稼げるんですか・・・・・」


「企業秘密だ。」


呆れかえる蒼夜君に、笑みを浮かべながら返事を返す俺。

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