第31話
「話してみろ。
胸の中に詰まっているもんを吐き出すだけでも、結構楽になるもんだぞ。
リアルで顔見知りの人なら話せないかもしれないが。
ここは、ゲームの中の世界で。
俺達は多分、
ダンが
「ちなみに、俺は北海道の
唐突に、ガーランドが自分の住んでいる所を言う。
自分の住んでいる所を言って、
狭い日本とは言え、おおよその所在地を明かした所で、正確な所在までは調べようがないし。
明かした所在地が、嘘なのか本当なのかも解らない。
それが、オンライン世界に置ける怖い所でもある。
「私は、○○県の桃花市だよ。 桃花高校の2年生。」
「オープン過ぎだろ。 ほぼ正確な所在地を明かすなよ。」
水無月を見ながら、ガーランドが注意する。
「普通なら、ここまで言わないよ。 皆だから、言ったんだよ。」
笑顔で答える水無月の言葉に、ダンと、ガーランドの顔が少し赤くなる。
「俺は、大阪の住吉区だ。
初詣で有名な、住吉神社の在るところだ。」
照れながらも、ダンが自分の住んでいる場所を明かす。
「私は……。」
「言う必要はない。」
「でも……。」
ダンの言葉に戸惑う彩。
「現状に流されて話すのなら、住んでいる場所は話さなくていい。
俺たちのことを信用しても良いと思うのなら、話し終えた後に教えてくれればいい。」
「ガーランド……。」
彩は、ダンと
ダンと水無月は、
少しの沈黙が続き、彩は口を開き話しだした。
中学の2年生の2学期半ばに。
加奈は、虐めの対象になっていた。
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