第28話

そう思うと、私はプレイして数十分で、同じ正式サービス組の吟遊詩人バードのラクスに出会えたのだから、幸運と言っても過言でもないのかもしれない。


あやも、吟遊詩人バードにしてくれれば楽だったのに。」


ボソっと、ガーランドが言うと。


「アンタが、スキル入れ替えないさいよ。」


あやが、言い返す。


「俺は、対人がしたくて前衛にしたんだからパス。」


「アタシだって同じよ。」


彩が言い返す。


「そう言や、水無月みなづきも、対人構成だよな。」


ガーランドが言う。


「うん。 私の場合は、SWORDソードONーLINEオンラインクロスの時に、お世話になった人の影響が大きいかな。」


水無月が、懐かしむような表情を見せる。

 

「なんて、名前のプレイヤー?」


何気なく、あやが尋ねると。


「生物の生に、行き来するの来るで【生来イクル】さんってプレイヤーだよ。」


「ブッ!」


「ちょ! その人って!」


生来イクルの名前を聞き、目を丸くして驚きの表情を見せるガーランドとあや


「知ってるの?」


水無月が2人に聞くと。


「知ってるも何も。


生来イクルさんは、SWORDソードONーLINEオンラインクロスでは有名人だからな……。」


「うん、良い意味でも悪い意味でもね。」


そう言って、表情を顰める2人。


「あははは……。 確かに〝アレ〟はヤリ過ぎだと思うけど・・・。」


苦笑いしながら、水無月が言う。


「ん? でも確か〝あの人〟も、ダンさんも、同じ血盟ギルドじゃなかったっけ?」


「あっ! ホントだ! この前は、ダンさんが盟主ギルマスって事に驚き過ぎて気が付かなったけど。」


彩の言葉に、水無月が大慌てで、ステータスウィンドウを開き、フレンドリストを見る。


ダンの表示欄は現在【オンライン】状態になっている。


「狩りの途中で申し訳ないけど。


私、ダンさんに聞きたい事があるのだけど。」


申し訳なさそうな表情で、水無月が2人に言うと。


「別に構わないさ。 むしろ、俺も興味が湧いた。」


「私もだよ。 んじゃ、転移門ゲートを出すね。」


笑顔で答えるガーランドとあや

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