第20話

ゲームの世界から現実に戻り、少し熱めのシャワーを浴び。


軽く仮眠をする。


つもりだったのが、起きたら18時半……。


慌てて、夕食(月清マ王ラーメンと、ご飯)を平らげ、USOへログインする。


ステータスウィンドウを開いて、フレンドメニューを開くと。


ラクスはINしていないけど。


ダンさんは、既にINしていた。


『早いですね。』


私は、WISウィスパーチャットにして、ダンさんに話しかける。


WISウィスパー

*囁きとも言う。

*指定したプレイヤーにだけ、聞こえる個人回線チャット。


『おぅ、早いな。15分前だぞ。


まぁ、ちょうど良い。


水無月。 武器防具屋まで来れるか?』


『5分ほど待ってくれませんか? 


荷物を整理してから向かいたいのですけど。』


『慌てる必要はないからな。


当分は、ここで鍛冶作業をしてるから。』


『はぁ~い。』


私は宿屋から出ると銀行預り所に向かい。


狩りで、手に入れた素材などを預ける。


後で換金して、皆んなで分けるのだから。


そして、銀行預り所から出ようとした所で、ラクスとバッタリ。


「早いね、みーちゃん。」


「ラクスだって。」


どうやら、ラクスもドロップアイテムを銀行預り所に入れに来たみたいだが。


「ダンさんも、INしてるし。 換金しに行く?」


「うん。」


「ちょっと待ってね。」


ラクスの返事を聞いて、私はラクスにパーティー申請を飛ばす。


そして、次にダンさんにパーティー申請を飛ばす。


「只今。ダンさん。」


ダンさんが、パーティーに入るのを確認して。


挨拶をするラクス。


あ……。 私は言うの忘れてた。


「ダンさん。 ドロップアイテムを、換金してから向かいますね。」


「了解。 2人の新しい、武器と防具を作ってるから。


慌てなくていいからな。」


ダンさんの言葉を聞いて、テンションが一気に上がる私とラクス。


2人で、NPCの雑貨屋に向かい、ドロップアイテムを換金する。


コボルトの牙に、ゴブリンの歯。


その他数点の訳の分からないアイテム類。


勿論、貴重なのかどうかは、ダンさんに聞くのを忘れない。


武器防具を作っている最中なのに、ダンさんは嫌そうな声を出さずに答えてくれる。


合計で、3万2800ゴールドに。


換金したゴールドを、銀行預り所に向かい、小切手にする。


★小切手★

*ゴールドが1万以上で、小切手祝福ブレスアイテムに変換する事ができる。

*小切手に変換することで、ゴールドによる最大所有量ウェイトを減らす事ができる。


*ただし、小切手で買い物はできずに、銀行預り所に入れておく事で、自動引き落とし購入出来るようになる。


ゴールドを小切手にして。


私とラクスは、ダンさんの居る武器防具屋に向かう。


武器防具屋に着くと、ダンさんは金床で鍛冶作業をしていた。


私とラクスは、作業をするダンさんを少しの間声をかける事無く見ていた。


金床にインゴットを置き、手にしたハンマーでひと叩き。


すると、金床に置かれたインゴットが、一瞬でロングソードに変換された。


「ダンさん。」


「お、来たな。」


私が声を掛けると、こちらに振り向きながら、ダンさん特有の暑苦しい笑顔を向けた。


「お疲れ様です。」


ラクスが、作業の手を止めたダンさんに向かって言う。


「お疲れです。」


私もラクスに続いて言う。


「システム作業だからな。疲れはしないさ。」


ニカっと、暑苦しい…… 略。

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