第13話

「俺が作った、HQハイクオリティーロングソードだっ!」


ダンさんの言葉に、周囲のプレイヤー達の視線が集まる。


主に、戦士系のプレイヤーからの視線が。


HQハイクオリティー:ゲーム用語★

*ノーマル製品の武器防具とは違い。

*攻撃力、防御力共に、高くなる製品の事。

*はっきり言って、序盤では最低素材の鉄の武器防具でもかなりの高額。



「判りましたから! とにかく、パーティー飛ばしますので、入ってください。


大声で、叫ばれていたら、他のプレイヤーの視線が痛いです・・・・。」


私は、急いでパーティー申請をダンさんに飛ばす。


ダンさんが、パーティーに加わると。


「誰?」


この場にいない、ラクスの声がパーティーチャットで聞こえた。


突然、見ず知らずのプレイヤーがパーティーに加わって、パーティータグが増えれば当然の質問である。


「ラクス。 いきなり、ごめんね。 


私の、知り合いの人なんだけど。 ちょっとだけ、話を聞いてあげて。」


「いきなり、割り込んで悪いね。


CBクローズベータ組の、ダンと言う者です。」


ダンさんが、軽く自己紹介をする。


「初めまして。 ラクスと言います。」


ラクスも、簡単に自己紹介を。


「唐突で悪いけど、ラクスさん。


一緒に、スキル上げをさせてくれないかな。」


さすがに、いきなりスキル値を聞かない辺りは。


ネトゲー慣れしていると思う私。


「私の方は、むしろ願ったりなのですが。みーちゃんは良いのかな?」


ラクスが私に聞いてくる。


「私は構わないよ。」


私は即答する。


「あぁ~。 先に言っておくけど。俺は、純生産職のスキル編成なんで。


せいぜい、魔法でサポートするくらいしか出来ない。


2人の足を引っ張らないようにするが。


それでも良いのか?」


少し、遠慮がちにダンさんが私達に訪ねてくる。

 

CBクローズベータ組の、生産職の方が協力してくれるなら。


さぞ、美味しい狩場なんでしょうね。」


いつの間にか。


ラクスが私たち2人の居る、武器防具屋の所に来ていて。


ダンさんを見ながら聞いていた。


「勿論。 美味しさは保証する。」


ダンさんが、ラクスを見ながら言う。

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