レベルと物語の無いVR・MMORPGの世界 での、プレイヤー達の物語

第6話

＊　＊　共用墓地　＊　＊

「ハッ！」

短い掛け声とともに、ゾンビを倒す。

共用墓地に来て、入口の所で２匹のゾンビにタゲられてしまった。

★タゲ★　＊ターゲットを略した言葉。

流石に、初心者用のモンスターとダンさんが言ってた通りに、そこまで強くはない。

ウェポンスキルと言う、スキル無しでも十分に狩る事ができる。

急いで、ゾンビの死体に向かって解体作業を行う。

ドロップするのは、【骨】【布きれ】と、大した物ではないが。

ＮＰＣ（ノンプレイキャラクター）に売れば、塵も積もれば山である。

特に、布きれは。鋏（はさみ）で小さく切れば。

回復アイテムの【包帯】としても使用できる為に、有っても困る事は無いそうだ。

＊注：共用墓地に来るまでに、何度か初歩的な質問をダンさんにメールで聞いた。

奥に行き過ぎなければ、大丈夫そうだ。

共用墓地では、奥に行けば行くほど、ＰＯＰ（湧く）するモンスターの数と、ＰＯＰ（湧く）間隔が短くなってくるそうだ。

★ＰＯＰ（湧く）：ゲーム用語★

＊モンスターが、ゲームの中で唐突に出現する現象を指す。

＊イキナリ目の前にＰＯＰ（湧く）ことも多々ある（笑）。

ダンさんも狩りかと思ったが。

戦闘はしておらず、伐採の最中だそうだ。

★伐採：材料集め★

＊木を切って、木材となる木を切る事。

私のメールにも、嫌な反応すら見せず。　逆に、暇だからドンドン聞いてくれても構わないと言ってくれた。

鋏（はさみ）を使い、布きれをタップすると。

チョキチョキと言う効果音とがして包帯に為る。

布きれ１枚で、包帯が１０個。

★包帯：アイテム★

＊生命力（HP）を回復する事のできるアイテム。

＊回復薬（ヒールポーション）とは違う所は、使った瞬間には回復しない。

＊徐々に回復するのではなく。数秒後に、スキル値での補修の入った回復量が回復できる。

＊包帯使用中に、動き回ったり、敵から攻撃を受けると回復量が減る