喋らないあの子はヤンデレだった

ルイ

無口な子からのお誘い

小学生の頃俺はあまり人と関わることが好きではなかった

いつも一人読書をしてクラスのみんなで遊ぶ時間でもあまり人と関わらなかった

そのなかで一人だけ積極的に俺に話しかけてきた子がいた

もう名前すら憶えていないあの子は

「ねえ、一人で本ばっか読むんじゃなくて外であそぼー!」とか「その本っておもしろい~?」など休憩時間になっては毎回話しかけてきた

俺はあまりその子のことが好きにはなれなくて無視していた

今でもどちらかと言われると苦手なのだが無視したことについては謝りたいと思っている

まあもう会うこともできないと思うが。

そんなことを考えているとドアがノックされる

「お兄起きてる~?朝ごはんできたよ?」と言われ

「起きてる」と返すと「じゃあ先行ってるからお兄も早く来てね」と言って妹は去っていく

「着替えるか....」

俺は服を脱いで制服に着替え脱いだ服をもって部屋を出る

脱いだ服を洗濯機に入れて朝食を食べにリビングへと向かう

「おはよう母さん。それとましろも」そう言うと

母さんは俺に気づき「おはよう。はやく食べて学校行きなさい」と言って俺を急かす




「やばい!遅刻する!」

朝食をゆっくりと食べていたせいで遅刻になりそうな俺は急いで学校へと向かう

「ああああああ!死ぬううううううううう!」俺は急いで靴を履き替え教室へと向かう

「うおおおおお!」急いで走っていた瞬間

足に衝撃が加わり視点が低くなり

「へっ!?」という俺の間抜けな声と共に俺の顔面は床へと吸いこまれていき

「ぶべらっ!」と言う情けない声と共に俺の顔にものすごく強い衝撃が走る

数秒ほど痛みで動けなかったがなんとか体を起こすと

こちらにノートを向けている同級生。劉生渚沙りゅうせいなぎさがいた

ノートには「廊下は走るな」と書かれている

「あっすみません」と俺はあやまり早歩きで教室に行こうとした瞬間

キーンコーンカーンコーン

「あっ...(察し)」


どうしてこうなった

それしか言えない状況に俺は置かれていた

俺はいま誰もいない教室.....ではなく劉生と共に反省文を書いていた

いやお前も遅刻だったのかよ

と言う言葉を飲み込み俺は黙々と反省文を書いていた


ふと劉生の方を見るとこちらにノートを向けていた

「なあ...」

俺は喋ればいいのにと言うどこかのロボカスのような正論を飲み込んで

「どうした?」と言うと

劉生はノートに何かを書き込んで再度俺に見せてくる

「お昼一緒に食べないか?」と書かれていた

お昼か....別に劉生と接点もないけど誰かと食べる予定もない.......

断るという選択肢も浮かんだがその瞬間昔のあの子のことが浮かんできて俺は断ることができずにそれを承諾する

すると劉生はものすごくうれしそうにこちらに笑顔を向けてくる

俺はその笑顔に思わずドキッとしてしまい思わず顔をそらしてしまう

そのあと終始劉生は笑顔になりながら反省文を書いていたせいで俺は意識してしまい集中できずにもう一度先生に怒られることになってしまうのだった

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喋らないあの子はヤンデレだった ルイ @ruisyousetu

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