第26話 倒したその先

【鎌鼬】


グウォン!


双川の斬撃がゴーレムの胸にあたった。ゴーレムの胸にはしっかりと傷ができた。


「直される前にケリをつける」


【サイクロン・上昇気流】


双川は、上昇気流でさっき傷をつけたところまで上がった。


「グウォォォォォ!」


ゴーレムは双川に向かって拳を振り下ろしてきた。


【居合・凩】


双川は、その拳を二つに切り裂いた。


「ゴーレム。確かにお前はチュートリアルの時の奴とは比べ物にならないくらい強い。でも!」


そういいながら双川はゴーレムの斬りかかった


「それ以上に、俺たちは強くなったんだよ!」


【風車】


双川は、自身を激しく回転させ、ゴーレムの周りを一周しながら切り裂いている。





ドンッ!ドンッ!


速水は、ゴーレムの足に激しく突き蹴りをを入れた。攻撃を入れたところはかなりえぐれ、ゴーレムは思わず膝をついた。


「二人とも、この短時間で強くなったな。二人だけじゃない。元・3-Dの全員がそうだ。もう、わざわざ戦いの場作ってあげて特訓させる必要はないか」


ゴーレムは、速水の隙をついて瓦礫を集めて回復しようとした。


【キランリバイブ】


速水は、ゴーレムのえぐれたか所に対して能力を使った。ゴーレムのえぐれた足の石は元通りに治った。そこに…


ドーン!


ゴーレムが本来自身の足を治すために集めた瓦礫がぶつかった。ものすごい量の瓦礫が、まだ完全には治りきっていない足にぶつかり、足がそこで斬り離れた。


「この能力も便利だよな。本来サポート向けなんだろうけど、うまく使えば攻めにも使えて。多分、俺と相性いいんだろうな」


そういいながら速水は飛び上がり、ゴーレムの鳩尾あたりまで行くと。


ドーン!


凄まじい蹴りを入れた。


「ゴーレム、思ったよりも骨のあるやつだったよ。でも残念だったな。俺の…いや、俺たちの前に現れる強敵としては、少し物足りなかったかな」




双川のおかげで能力を温存して上までこれた。多分、あの二人のことだ。問題なくそれぞれの役割をクリアするだろう。なら、それに続かないと。


反逆時間リベリオンタイム120セカンドリミット】


俺は、残り時間のうち二分を消費した。そして


「うぉりゃ!」


ドーン!


ゴーレムの頭頂部を思いっきりたたきつけた。


「俺は、お前をここで倒す!お前を倒して、さらにその先に行ってこのゲームをクリアし、みんなを現世に戻すんだ!」


俺は、そういったのち、雄たけびを上げながら拳に力を入れた。殴っているところからどんどんとひびが入っていく。俺はさらに力を入れた。すると…


バーン!


ゴーレムは頭から割れていった。


ズジャーン!


ダーン!


同じ瞬間に、二人もそれぞれ担当していたところからゴーレムが割れ始めた。


「グ、グウォォォォォ…」


ゴーレムの声は次第に小さくなり、完全にバラバラになった時には聞こえなくなった。ゴーレムに周りの瓦礫が集まることはなく、数秒したら、ゴーレムのかけらがすべて消えた。


俺たちは、ゴーレムとの戦いに勝利した。

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