第25話 ラストアタック

【サイクロン・上昇気流】


双川の能力で、俺と双川はゴーレムの上まで飛んだ。


反逆時間リベリオンタイム


俺は能力を発動させながら腕時計のスイッチを押し、ゴーレムの肩にかかと落としを決めた。


ドーン!


激しい砂埃が舞い、俺の視界を奪っていく。この状況で何かしかけられたら対処できる自信がない。

俺は、高く飛び上がり、砂埃の中から脱出した。

砂埃はやがてやんだが、そこには傷一つついてないゴーレムの肩があった。


「下半身とは比べ物にならないな…」


「じゃあ、俺がやる」


そういいながら双川はゴーレムの肩に乗っかり、石切丸を鞘にしまって居合の構えをとった。


【居合・凩】


双川はゴーレムの首に居合を決めた。斬ったところは一瞬赤く光り、岩が深くえぐれ、くっきりと斬られた跡が残った。


「お前、すごいな」


「石切丸、こいつに特攻持ってるみたいだから」


あ、本当に特攻持ってたんだ。


ズドーン!


突如、大きな音とともにゴーレムが倒れた。俺と双川は巻き込まれないように急いで地面まで下りた。そこには、左手首から血を出している速水がいた。


「速水!大丈夫か⁉」


俺と双川は慌てて速水に近寄った。


「ああ、問題ない」


速水は、俺たちが左手首を見ているのに気付いたのか、左手を振りながら答えた。


「それよりも、あいつ倒せそうか?」


「はっきり言って無理そう。硬すぎる。その癖に自己回復してくるとかクソゲーかよ」


「本人の了承なく勝手に参加させられてる時点で十分クソゲーだけどな」


「それはそうか」


すると、ゴーレムがゆっくりと立ち上がった。首の傷は完全に消え、どこか怒っているように感じる。


「グウォォォォォ!」


ドーン!


ゴーレムは俺たちに向かって拳を振り下ろしてきた。俺たちはそれを何とかかわせたが、拳が振り落とされたところは深くへこみ、もろに食らっていたらのことを考えるとぞっとしてくる。


「グウォォォォォ!」


「どうやら結構ご乱心のようだな」


「そうだな。暁、あと何分能力残ってる」


「二分十二秒。十二秒で上まで行って、残った二分一撃に全部ぶち込めば、頭ぐらいは潰せると思う」


「その頭が一番固いんだけどな」


一番ゴーレムと戦っていた時間の長い速水がそう言った。


「硬いってどんぐらい?」


「お前が全力で斬って少し欠けるかなぐらい」


「マジか…」


「そうか。でも、大丈夫。二人はその他をお願い」


「了解。双川、俺は引き続き鳩尾より下やるから、お前は俺と暁の間頼む」


「あいよ」


【サイクロン・上昇気流】


「暁、多分お前の残り時間的にこれがラストアタックだ。ミスるなよ」


「圧かけてくんな」


「わりぃ。でも、ほんとに頑張れよ」


「了解!」


反逆時間リベリオンタイム


俺は能力を使い、急いで上昇気流に乗ってゴーレムの上まで行った。

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