【おまけ】グラウンドの隅、輝く君の隣で

◇シチュエーション:グラウンド、トラックを走り切った小夏。傍の木陰にいる聴き手に小夏が気が付く。

〈SE:セミの鳴き声:ここから〉

(グラウンドを走って息を切らしている。マイク位置⑨より遠く)

(SE:近づく足音、グラウンド:ここから)

⑨より遠く「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……すうぅ……はぁっ……すぅ、はぁっ……」

(SE:近づく足音、グラウンド:ここまで)

⑨「あれ? 君、こんなところで、なにしてるの?」

⑨「君がグラウンドにいるところ、初めて見たかも」

⑨「それに、ちょうどいい一人分の木陰にいるね」

⑨「横に詰めて」

⑨「私もちょっと涼みたい」

(聴き手の左隣に座りながら。マイク位置⑨から⑩を経由し⑪へ)

〈SE:芝生に座る〉

⑨→⑪「それで、どうしてこんなところに?」

⑪「もしかして応援に来てくれたの?」

⑪「……ん、そうなんだ」

⑪「ごめんね、最近はサボれてなくて」

⑪「インターハイの出場が決まってからは余計に忙しくなっちゃった」

⑪「でも、すごく充実してる」

⑪「だから、サボるのはちょっと待ってて」

⑪「これが終わったらまた一緒にサボれるから」

(聴き手の左側に近づいて肩に頭を載せるながら。マイク位置⑪から③へ)

〈SE:衣擦れ〉

⑪→③「肩、借りるね」

③「少しだけこのままでいさせて」

③「大丈夫、誰も見てないから」

③「私、今すごく疲れてるの」

③「せっかく息が整ったのに、君の隣にいたらまたドキドキして息が上がってきたせい」

③「だから、もう少しだけ休まないと」

③「今は、ほんのちょっとだけサボらせて」

(呼吸)

③「………すぅ……はぁ…………すぅ…………はぁ………ふぅ……………はぁ………んっ…………ふはぁ……………っすぅ………………はぁ………………んぅ……………………はぁ………………すぅ………………はぁ……………」

③「だいぶ、落ち着いてきた」

③「木陰で休んでただけなのに、君もドキドキしてる」

③「ふふっ、嘘」

③「ここからじゃ、心臓の音は聞こえない」

③「……でも、嬉しい」

③「………すぅ……………はぁ………………す…………はぁ…………………す……………はぁ…………………んっ………………はぁ………………………すぅ………………はぁ……………………す………………はぁ…………………………すぅ………………はぁ………………………」

③「ホントは、もっとこうしてたい」

③「でも今は、サボってられない」

③「ずっと目指してきたことを、叶えたんだから」

③「……………す……………は………………すん…………はぁ…………………す……………はぁ…………………す………………はぁ………………………ん………………は………………ん………………はぁ…………………んん………………はぁ………………………」

③「…………んっ、もう、平気」

〈SE:衣擦れ〉

(聴き手の肩から離れる。マイク位置⑪)

⑪「ちょっとだけど充電できた気がする」

⑪「ふふっ、これで早く走れそう」

⑪「さっ、もう行かないと」

〈SE:芝生から立つ〉

〈SE:臀部の芝を手で掃う:ここから〉

⑪「お尻を払って、サボった証拠は隠滅」

〈SE:臀部の芝を手で掃う:ここまで〉

⑪「君とサボるのは、ちょっとの間おあずけ」

⑪「また、一緒にサボろうね」

⑪「それじゃあ、バイバイ」

〈SE:遠ざかる足音、グラウンド〉

〈SE:セミの鳴き声:ここまで〉

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陸上部のダウナー系彼女はあなたと一緒にサボりたい~小日向小夏のサボり同盟~ @weekday

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