第5話 家族
「この度は父がご迷惑をおかけしました」
実家に帰ってからの話し合いは、ミューの謝罪から始まった。
「頭を上げください。既に本人? 夢枕でしたが、謝罪は頂いております」
「ありがとうございます」
それでは家族の自己紹介を始めます。
「父の上城翔馬(ショウマ)です」
「っ!?」
自分の将来を暗示してる様な年齢詐称中年。小さくて可愛いと会社のマスコットになっている様だ。
「母の揚羽(アゲハ)よ。後で2人で話をしましょう。貴方とは仲良くなれる気がするわ」
「えぇ、喜んで」
ミューのお姉さんたちと戦える気がしなくもない美魔女。我が母ながら何ですかそのボンキュボンは!?
しっかりと握手を交わす2人は何を話すのでしょうか?
「ワタシは身体は男、心は乙女。兄の桜華(オウカ)よ」
「オーガ? よろしくお願いします、お義姉さん」
はははっ、オーガじゃなくてオウカさ!
身長190cm後半、2mは行ってないよな? 筋肉隆々で鍛えた抜かれた胸筋を誇る乙女。まだ、オーガの実物は見た事ないけど、こんな感じな気がする。
「もうぉ〜っ、この娘は分かってる♡ いい娘ね。そして、不埒な気配を感じたが気のせいか、おん?」
「気のせいで有ります。今日も胸筋が素晴らしい∠( ̄^ ̄)」
勘が鋭く、怒ると怖いです。乙女だというなら筋トレ辞めればいいのにと思わなく無いですが、それは本人の趣味なので否定しません。
「長女の蘭(ラン)だよ!ミュー姉ぇ」
「次女の華(ハナ)です。タメ口オーケー」
「お二人共、よろしくお願いしますね」
元気ハツラツな姉とマイペースな妹の双子。これぞ本当のマイシスター。2人合わせて、蘭華として動画デビューしてるらしい。何故か、俺には教えてくれないのです。
「う〜ん、知らない方が良いじゃないかな?」
両親や兄に相談すると苦笑いで返されます。
しかも俺にバレない様に厳重に対策済み。お兄ちゃん泣くよ(´;ω;`)
「それでは本題に入ろうか。何処から何処までが本当なんだい? 夢枕で言われ気付いたんだけど、私たちには2つの記憶があってね。1つは突然失踪して行方不明になった記憶。もう1つが事故にあって入院し面会謝絶になった記憶だね。でも、面会謝絶になる程の怪我の割にぴんぴんしてるし、前者の方が真実そうだ」
「実はーー」
俺より現状に詳しいミューが家族へと説明。整理も兼ねて内容を纏めるとこうだ。
・聖女になりました
・不老になりました
・異世界で暮らします
・時間軸は一緒です
・女神と結婚しました
・ミヤビ、人を止めました
・寿命が倍以上伸びました
・定期的に帰って来れます
・連絡手段を特別に用意します
「なるほど。種族とか寿命とかは置いといて、つまりは遠い外国で暮らしますって感じになるのかな?」
「確かにぶっちゃけるとそんな感じかな?」
「なら、問題ないだろう。一生会えなくなる訳でもないし。息子の旅立ちを祝福しよう」
「そんなアッサリで良いのか、親父」
「寂しくなるけど、これも子の成長だと思うと嬉しくもあるよ。お嫁さんも出来たみたいだし、しっかり頑張りなさい」
「うん」
「私たちも異世界行って、俺Tueeeが出来ないのか……」
「知識チートに内政チート……残念」
「俺は文化レベルにあった設計図なら持ち込めるらしいがな」
「「ズルい!」」
「まぁでも、ニシシッ、それはそれとしても聖女ですか?」
「男で聖女……ぷふっ」
「よ〜し、戦争じゃ。格ゲー持ってこいや。はめ殺しにしちゃる!」
「やだよぉおお、マジで何もさせない気じゃん!この前の恨み忘れてないからね!!」
「スマ〇ラの新キャラ。2人でハメれば……」
「お兄様。ス〇ブラしませんこと? 今日こそファ〇クしてあげますわ」
勝てると思ったらめっちゃ煽ってきたな、口悪っ!?
「貴方なら分かってくれると思ってたわ!ミュー!」
「はい、私もです。お義母様!いえ、アゲハ!」
話し合いを終えて離脱していた母さんとミューが意気投合して帰ってきた。一体何を話してきたんだ?
「……異世界かぁ〜、魔物が出るんでしょ? 大丈夫なの、雅?」
「筋肉つかなかったけど、パワーと俊敏がある!」
「それでもワタシに勝てないでしょ? 力も半分くらいだし」
そりゃそうだ。その身長と体重。筋肉量なら当然負けますわ。
「大丈夫です。雅さんには魔法が有ります」
「「魔法!!」」
目を椎茸にした妹たちが迫ってきた。
「ここでも出来るのっ!?」
「見れますか!?」
「この世界は魔力が極端に少ないので難しいですね。生活魔法がギリギリなんとか……〈ブロア〉」
ミューの手から扇風機の小程度の風が吹きだした。
「「「「おぉおおーーっ!」」」」
「「ワレワレハ宇宙人だ」」
マイシスターよ、ミューに近付いた時点でやると思ってた。ミューが困惑しているから止めてあげなさい。俺は二人を引き離し説明してあげた。
「へぇ〜っ、面白い文化ですね」
「文化という程でもないネタけどね」
「いえ、面白かったですよ。この世界の中でも特に神々が日本へ興味を示す理由を見た気がします」
そんなこんなで家族との再会を終えて、向こうとこっちを行ったり来たり。
「本日のお茶請けです」
「いつもすまぬの」
その間にエンマ様とはかなり仲良くなった気がする。通行時にお茶をする中になった。
「それではこれで引き続きは終了だね。お疲れ様でした」
「ありがとうございました!」
無事に仕事は終了。その他の手続きとかも終わった。これでこちらに思い残す事は何もない。
さぁ、何が起こるか分からない異世界に行くとしますか\(^o^)/
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