第23話 ヒーローは誰?
満員電車で彩音と逸れた上、くじけている私に手を差し伸べてくれたのは──────────彩音と同じ制服を着た女の子だった
無意識に「ありがとう」という言葉が溢れていた
「ううん、困っている時はお互い様ってこと」
「ありがとう、そうだ名前を聞いてもいい?」
助けともらったから後でお礼をしないと…
「うん、私は雨宮佳織って言うんだ」
「私は、早見凛って言って妹と一緒に電車に乗ったんだけど逸れちゃって」
「でも今は電車から出ないと」
そう言われて気づいた頃には駅に着いてドアも開いていた
私は駅のホームに出ると彩音が周りをキョロキョロしているのを見つけた
「佳織さん、ちょっとついてきて」
「わかった」
私は人と人の間を通って彩音に近づいた、それに彩音も気づいたらしく「お姉ちゃん」といっても手をふっていた
「あれ?彩音ちゃん?」
彩音は私と腕を組んで「この人は私のお姉ちゃんなの、早見凛って言うんだ」と言った
彩音が少しずつ佳織さんに説明していった
「どう言うこと?彩音は佐藤で凛さんは早見なのに姉妹なの?」
「それにはね深い訳があって────」
この後は彩音がざっと説明してくれた
「なるほど、TS症を発症して女の子になって、同じ学校に通うことになって、同じ名前だと色々心配されるから、早見なんだ」
「そういうこと、つまり偽名って訳、お姉ちゃんの本名は佐藤遥って言うの」
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