トラック7:水属性つき(?)濡れ綿棒で左耳をスキスキ 【来店、濡れ綿棒(中、左)、オノマトペ、耳ふ~、ひざまくら】

(時間場所:20時くらい。雑居ビルの一室、怪しい模様のパーテンション、色ついた液体の入ったビン、暗幕で窓を覆っている)


(SE:鈴の音、来店を知らせる鈴)

(SE:ドアの音、雑居ビルなので鉄製)


(位置:正面、近く)


(はしゃいだ声で)

いらっしゃ~い。今日も来てくれてありがとぉ~。

いっひひひひひひ♡

なんかテンション高い?

気のせいじゃないかなぁ?

さささ、今日はどんな耳かきをしますか?


(5秒ほど息づかい。『あなた』の様子を見る)


(はしゃいだ声で)

水属性耳かきだねぇ♪

あたしも今日はこれを勧めようと思ったんだ。

あ、オノマトペささやきもしてあげるよぉ。

……オプション料金? 取らない取らない。

常連さんになってくたし、

あたしもしたいことあるからさ、

頼まれなくても勝手にやらせてもらうよぉ♡


(不満な声で)

ホントにイヤだったら、やらないけど……。


(5秒ほど息づかい。『お客さん』の反応を待つ)


(はしゃいだ声で、うれしい)

い、いひひひひひひ♡

それじゃいつもの部屋へどうぞ~。


(時間場所:雑居ビルの一室、パーテーションで仕切られている、シングルベッド、布団には魔法陣らしい模様、枕元に木箱が複数)

(位置:正面、近く)


(はしゃいだ声で)

水属性耳かきについて、

なんとなくわかってると思うけど

念のため説明するよぉ。


(SE;ビニールの音。個包装された綿棒を開封する)


(はしゃいだ声で)

濡れ綿棒♪ 個別包装で衛生的。

そのうえ、風呂上がりの耳かきみたいに気持ちいい♪

これは信じるしかないよね?


(自信のない声で)

本当は自分で濡らしたほうが魔法の道具らしくできます……。

けど、お客さんの耳のこと考えると、

それは怖いのですなおに市販のものを用意しました……。


(うっとりした声で)

お客さん、うっとりした感じで聞いてくれてる……。

あたしの説明を聞いて、

耳かきされたくなってるんですね?

いっひひひ……♡


(愛情のこもった声で)

いいよぉ、おいで♡


(SE:ベッドの上に乗る音)

(SE:髪、布がこすれる音。『あなた』がひざまくらに乗る音)


(はしゃいだ声で)

あたしも耳かきしてあげたかったんだぁ。


(SE:髪、布がこすれる音。『あなた』が動く音)

(位置:左、至近)

(声:ささやき、有声、続ける)


(甘やかす声で)

今日は左からしてほしいんだ?

さっそく耳の中に入るよぉ♪

すりすり……すりすり……。


(SE:左耳中、耳かきの音、濡れ綿棒、続ける)


(うっとりした声で)

お客さんはいつも気持ちよさそうだけど、

今日は特にうれしそうだねぇ。

この濡れ綿棒がいいのかな?

すいすい……すいすい……。

しかも耳が健康的になってる。

「大きな音で音楽を聞くのをやめる」

「耳かきを減らす」っていうゲッシュを立てた成果かな?


(声:ささやき、無声、ここのみ)

(自慢げな声で)

それともあたしの耳かきで健康になっちゃった?


(声:ささやき、ここまで)

(位置:左、近い)


(きょとんとした声で)

え、えっと、調子に乗って聞いたのになんで……?


(10秒ほど息づかい。あなたの説明を聞く)


(心配そうな声で)

あ~、依存症は言い過ぎだけど、

耳かき中毒だったのかぁ。

お手軽で、すーぐ気持ちよくなれるから、

ストレスを抱え込んじゃうひとは

耳かきにハマりやすいのかも?


(きょとんとした声で)

お客さんは自分で耳かきをするのに飽きちゃって、

いろんな耳かき屋さんを転々と……。


(心配そうな声で)

いやいや、引いたりしない……ですよ。

……魔法使い口調だと話しづらいので一旦解除します。

耳かきは続けますので安心して聞いて……こすこす。


(位置:左、至近)

(声:ささやき、有声、続ける)


(やさしい声で)

お客さんは毎日が大変だったんですね。

思い出しちゃうとつらいでしょうし詳しくは聞きません。

ですが、あたしのお店に来るようになって、

毎日が少しでも楽になりましたか?


(ため息交じりの声で、安心、うれしい)

よかった……。


(自信のない声で)

あたしは自分の人生をどうにかするのに必死で、

お仕事で誰かの役に立つなんて

今まで考えもしませんでした。


(やさしい声で)

そんなあたしでも、

あなたの役に立つことができたなら

すっごくうれしいです……。


(10秒ほど息づかい。『あなた』の様子を見る)


(自信のない声で)

湿っぽい話をしちゃいましたね。

湿ってるのは綿棒だけでいいのに……。


(声:ささやき、ここまで)

(位置:左、近い)


(不満な声で、でも少しうれしそうに)

ちょっと、なんで笑うんですかぁ……。

そんな反応するなら、

魔法使いモードに切り替えます……。

こほん。(咳払い、弱い)


(位置:左、至近)

(声:ささやき、有声、続ける)


(照れ隠しするようにいたずらな声で)

濡れ綿棒を選んじゃうなんてさぁ~。

お客さんは普通の耳かきじゃ

満足できない耳になっちゃったんだね♪

普通のひとは魔法の耳かきなんて、できないからねぇ。

だから、あたしのお店に来るんだぁ?

すりゅすりゅ……すりゅすりゅ‥‥スキスキ、スキスキスキ……♡

この感触と音とオノマトペと魔力の流れがないと、

耳かきされた気分にならないんでしょう?

あたしの店に来るようになってからは、

他の耳かき屋さんに行かなくなったんじゃないの?


(きょとんとした声で)

え、本当にいかなくなった……?


(うっとりした声で)

あたしの耳かきがいいんだ……。

すりすり、スキスキ、すりすり、スキスキ……。


(声:ささやき、ここまで)

(位置:左、近い)


(申し訳ない声で)

あ、ごめんなさい。

ちょっと驚いちゃって、ぼーっとしてた。


(恐る恐るな声で)

参考までに教えてほしいんだけど、

他のお店とあたしのお店、どう違うのかな?

あ、魔法以外でね。


(自信のない声で)

あたしがやさしい……? そうかな?

耳かき屋さんはお客さんを癒やすためにあるから、

やさしくするのは当然だと思う。

それにあたしは魔法使いムーブするから、

お客さんにえらそうな態度をとるし、

高級旅館みたいな耳かき屋さんのほうが、

あたしよりやさしいと思うけど……。

祝福? 耳ふ~のこと?

これもあたしより上手なひとはいると思うけど、

ちょうど左耳がキレイになったし、

確かめてみてよ。


(SE止め:耳かきここまで)

(位置:左、至近)


ふ~~~っ。(耳ふ~、やさしく)


(声:ささやき、無声、続ける)


(うっとりした声で)

すっごい気持ちいいの……?

濡れ綿棒で水気があるから感じやすいんだよ。

もっとしてほしそうな顔……。


(自信のない声で)

あたしは祝福なんて言ったけど、

ただの耳ふ~に理由をつけただけで……

まあお客さんが、気持ちいいならするよ?


ふ~、ふっふっふ~~~う。(耳ふ~、やさしく、キスするように)


(10秒ほど息づかい。『あなた』の様子を見る)


(声:ささやき、ここまで)

(位置:左、近い)


(いたずらな声で)

お客さん、とろけてるところ申し訳ないけど、

右耳もキレイにするから、ごろんってして。


(5秒ほど息づかい。動かない『あなた』の様子を見る)


(照れた声で、うれしそうでもある)

ごろんさせる魔法がほしいの?


(うっとりした声で)

ん~もう、なんか今日のお客さんは甘えたがり……。

あたしが甘えるつもりだったのに……。


(やさしい声で)

じゃ~あ~、ごろんさせる魔法、かけてあげる。

せ~の、ごろごろごろ~ん♪

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