トラック4:解毒解呪効果あり(?)チタン製耳かき棒で右耳をく~りくり 【来店、チタン製耳かき棒(中、右)、オノマトペ、耳ふ~、ひざまくら】

(時間場所:21時くらい。雑居ビルの一室、怪しい模様のパーテンション、色ついた液体の入ったビン、暗幕で窓を覆っている)


(位置:正面、中距離)


(SE:鈴の音、来店を知らせる鈴)

(SE:ドアの音、雑居ビルなので鉄製)



(えらそうな声で)

おやおや、お客さん~また来たの?

そんなにあたしの魔法の耳かきがよかったのかい?

いっひひひ♪


(位置:正面、近く)


(自信のない声で)

他のお客さん?

えっと、あなたが来てくれた次の日から、

少しずつ入ってます……。

でも魔法との相性が悪いらしくて、

常連さんはまだあなただけ……。


(いたずらな声で、ごましてる感じ)

まあ~、お店が空いてると

お客さんは助かるんじゃない?

いつ来ても、すぐにあたしの耳かきで

癒やされるんだからさぁ♪


(照れた声で)

あ、えっと、強がってイキったこと言ったのに、

ホントにうれしそうだとその……

あたしもうれしいけど、

ちょっと照れますねぇ、いっひひひ……♡


(照れ隠しするようにえらそうな声で)

そ、そ、それで、今日は

どんな耳かきをしてほしいんだい?


(自慢げな声で)

解毒解呪の耳かき棒?

お客さんは相変わらずお目がたか~い。

そんなお客さんは、昔の貴族や王様が

銀のスプーンを使っていたのは知ってる?

銀は毒がつかないとか、

吸血鬼に効果抜群みたいな理由だよ。

それと似たような理由で、

このチタン製耳かき棒で耳かきされると、

毒や呪いを耳からかき出せるんだよぉ!

魔法性の毒や呪文を聞かさるタイプの呪いはもちろん、

空気を漂う瘴気(しょうき)だって耳から取れる、

昔の王様ならいい値で買ってくれそうな代物さ♪

あ、これ言っておかないとね。

信じるかはお客さん次第♪


(自信のない声で)

チタン製っていうのは本当だけど、

解毒や解呪が今どき必要になるかは自信ないかも……。

気持ちいい耳かきが、

悪口に仕込まれた呪いや、

後ろ指差すガンドには効くんじゃないかな……。


(はしゃいだ声で)

それでいい? そういうのがほしかった?

いっひひひ♪ いいねぇ。

今日はお客さんの耳から

毒や呪いをかき出してあげよ~。

前回と同じようにひざまくらで耳かきするから、

こちらへどうぞ~。


(場所:雑居ビルの一室、パーテーションで仕切られている、シングルベッド、布団には魔法陣らしい模様、枕元に木箱が複数)

(位置:正面、近く)


(SE:ベッドの上に乗る音)

(SE:アルミ製のケースが開く音)


(自慢げな声で)

はい、今日使うのはこれ♪

ケースが豪華? キレイな銀色してる?

いっひひひ♪ ホントお目がたか~い♪

あたしが話を盛る必要もないチタン製高級耳かき棒さ。


(甘やかす声で)

早くこれで耳かきされたいでしょう?

おいで♪


(SE:髪、布がこすれる音。『お客さん』がひざまくらに来る)


(位置:右、近い)

(甘やかす声で)

いっひひひ♪ お客さんって

本当に本当に耳かき好きだねぇ。

もう右耳をあたしに向けちゃってさ。

さっそく入れるよぉ~。


(SE:右耳中、チタン製耳かき棒で耳かきする音、続ける)


(はしゃいだ声で)

ひんやり感がいい?

あたしからすれば、

お客さんの耳に少し熱がこもってる感じするねぇ。

耳かきしすぎじゃない?


(不思議に思った声で)

……耳かきしすぎで思い出したけど、

お客さんは前に来たとき、

「この辺の耳かき屋さんは全部行った」

って言ってたよね。

耳かきドハマリしたって

ゲームの全トロフィーコンプするみたいな

ハマり方はしないでしょう?

あたしが勝手に思っていることだけど、

耳かき屋さんにハマったひとは、

大体気に入ったお店とか

相性のいい店員さんの常連になるのが

定番じゃないの?

……「普通の耳かきじゃ物足りなくなっちゃった」って、

じゃあ、あたしの耳かきは普通じゃないってこと?


(はっと気がついて)

あ、普通じゃないか。魔法の耳かきだったっけ。


(照れた声で)

わ、忘れてない……です。

これは毒と呪いをかきだす耳かき棒ですよ。

「ちゃんと覚えててえらい」とか言って、

あたしが考えて設定してるから当然……、

設定じゃないです。

むぅ……そんな態度をとるなら、


(位置:右、至近)

(声:ささやき、有声、続ける)


(えらそうな声で)

魔法使いらしいことをしちゃうぞぉ。

メニューにはまだ載せてないオプションですけど、

お客さんが変なことを言うから特別ですよ……。

か~きかき、か~きかき、かきかき~♪


(声:ささやき、無声、続ける)


(はしゃいだ声で)

いっひひひ♪ 魔法使いのオノマトペだよぉ。

音声作品とかASMRだと定番だけど、

実際の耳かき屋さんじゃあまりやってないから、

珍しいでしょう?

さ~しさし、さ~しさき、さしさし~♪

お客さんは耳かきにハマってるなら

『耳かき動画』とか見たり聞いたりしない?


(位置:右、近い)

(声:ささやき、ここまで)


(不思議に思った声で)

しないの?

まあ、実際に耳かきされている感触はないし、

音のいいイヤホンとかじゃないと、

気持ちよくないことも多いから、

お客さんには物足りないかぁ……。


(位置:右、至近)

(声:ささやき、無声、続ける)


(はしゃいだ声で)

で~も、こうしてあたしにささやかれたり、

く~りくり、く~りくり、

ってオノマトペを聞くのは気持ちいいみたい♪

す~りすり、す~りすり。


(甘やかす声で)

へろへろな声でそんなこと言って、

お客さんってばほしがりさんだなぁ。

今日のオノマトペはあたしが勝手にしてるから、

オプション料金は結構だよぉ。

こり、こり、こり、こり。

そり、そり、そり、そり。


(少し不満そうな声で)

オノマトペで気持ちよくなるのもいいけど、

あたしの耳かきはどうなのぉ?

かい、かい、かい、かい。

せっかくのお高いチタン製耳かき棒だし、

この感触だっていいと思うけどなぁ。


(声:ささやき、ここまで)

(位置:右、近い)


(きょとんとした声で、照れあり)

あ、でも、今日もあたしのお店に来てくれたってことは、

気に入ってくれたってことか……。


(SE止め:耳かきここまで)

(位置:右、至近)

(声:ささやき、無声、続ける)


ふ~~~っ。(耳ふ~、いたずらに、照れ隠し)


(やさしい声で)

はい、右耳おしまいだよぉ。

ちゃんと祝福もしてあげたんだから、

これで満足して左耳をあたしに向けて。


(声:ささやき、ここまで)

(位置:右、近い)


(甘える声で)

ごろ~んしてもらう魔法を練習したんだから、

たのしく動いてもらうよぉ。


(はしゃいだ声で)

いくよぉ♪ ごろ~ん、ごろ~ん♪

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