第3話 食人鬼と本気
僕は、ユウジとルーアが一生懸命、
少し口からため息がもれてしまった瞬間。
「サツキ兄さん、どうかしたんですか?」
「うわあああっっっっ?!?!?!?!」
「え、どうかしました?」
「いや、突然後ろから肩叩かれたらびっくりするでしょうが…」
「え、そんなもんですかね。まあ、なんでもいいですけど。」
指でちょいちょい、と後ろを指していたから、何だろう、と思った瞬間。
「グオオオオオオォォォォ………………」
「なっ…あれはドラゴンじゃないか!」
即座にルーアの方を見ると、あっちからは見えないらしく、平和に鍛錬を続けていた。
「実は、サツキ兄さんに手伝って欲しくて。ルーアちゃんには危険なので。あと僕アーチャーなんで。」
「……分かった。手伝うよ。その代わり、ここにいてもらえる?」
「?」
「…多分危ない。」
「あ、はい。じゃ、ここにいますね。」
タンッと軽快な音を立てて、地面に着地する。
僕は、だんだんとドラゴンに近づいていく。
それも、もちろん素手で。
僕は、軽く深呼吸して、ゆっくりドラゴンの真正面に立つと。
「ごめん、ちょっと失礼するね」
喰 『
喰う、喰う、喰う。
僕は1秒もたたない間に、骨も喰い終わっていた。
食人衝動が薄くなっていくのを感じ、爽やかな気持ちになる。
「かっけぇ……」
「うわ、やっぱり美味しくない……。人間は食べてないっぽいかな」
「サツキ兄さん、今、めっちゃかっこよかったですよ!でもやっぱりサツキ兄さんって…」
「あぁ、人間を食べるといわれている
「そうなんですね…。ま、いいんじゃないんですか?」
「え?」
「僕は仲良くなるのに種族なんか関係ない。今楽しかったらそれでいいと思いますよ。」
その言葉に、僕の胸は何だか熱くなっている気がした。
食人鬼は食べれない 夢時間 @nekokurage0
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