第2話 食人鬼と人間

僕が住んでいるこの森は、人間にはダンジョンとして有名らしい。

激ムズダンジョンとして、だが。

つまり、僕の家に人間が来るってことも、以外とよくある。

だが。

「こんちは!俺、ユウジって言います!」

「ゆう、じ。ゆうじ、は…」

「ルーアさん?!別にそいつの名前覚えようとしなくていいですからね?!」

茶髪に緑色のエメラルドのような瞳をした、17ほどの男性が、ルーアとつるんでいた。

「すいません。うちのバカが。」

「あ、えっと…」

「僕、フウガって言います。フウガ・エルンストです。そちらは?人外とお見受けしますが。」

「あー…。えっと、サツキっていい、ますね。」

黒髪碧眼の長めの髪の毛がサラリと揺れる。

「実は俺達、戦闘教師をやってるんだ!ルーアちゃんもやらない?なんならサツキさんも!」

「えっ僕は……」

「やってみましょうよ、サツキさん。」

「んん……。」

「お兄ちゃんも一緒にやろ!」

「うっっっ!!………分かったよ。その代わり、僕は気が向いた時にしかやらないからね。」

「やたー」

ルーアがユウジとハイタッチをする。

……ん?

心の奥にある、違和感を胸に残して、取りあえず今日は夜を迎えた。


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「いや、一緒に寝るの?!」

「え、だめですか?サツキ兄さん。」

青色の瞳で、上目遣いをしてくるフウガから、目を背ける。

「いや、いいけど…」

「すぅ、すぅ」

「ルーアさんはもう寝てるし!……まあいいけどっ、その変わり家事手伝ってね!」

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