シンズドライバー類似機解説(3)「マスターズサーヴァナイザーGO」編

 親愛なる読者諸君、御機嫌よう!

 作者自身さえもいよいよ限界を感じつつあるクソほどイカレ散らかしたエッセイへようこそお出で下さった!


 さあ、勿体付けず早速解説を始めようじゃねえか!

 今回も例によってシンズドライバーの類似機解説だからなぁ!


 ……流石にネタ切れ感あるから類似機解説は今回が最後になっちまうがな。

 残る3日間は別のネタを……


◎マスターズサーヴァナイザーGOジーオー

 シンズドライバーの類似機っつーと概ね『つい☆ブイ!』本編より何千年とか何十万年ほども遡った大昔に、神だとかの強力無比な上位存在の手で作られたようなモンが主なんだが、

 中には結構最近になってから、しかも相対的にはそこまで桁外れの力を持つワケでもねぇ凡俗が作り出したような代物もいくらかあったりする。

 その代名詞とも言うべきなのがこの「マスターズサーヴァナイザーGO」だッ!


 その見た目は携帯ゲーム機ともスマートフォンともつかず、ベルトや腕輪・指輪といった身に付けるモンの形をしてねえって時点でわりかし異質だが……

 より異質なのはその機能と戦い方ッ!


 というのもこのマスターズサーヴァナイザーGO、確かにシンズドライバーやらと同じく使用者を変身させる機能もあるにはあるが、それはあくまで副次的なモンに過ぎねえ。その機能の本質は寧ろ「召喚」と「使役」なんだ。


 しかもこのアイテムで召喚・使役できるのは、この手の代物にありがちな怪物とかじゃなく、なんと「人間」っ!

 それも地球やエニカヴァーで歴史に名を残した様々な偉人・英雄や神話・伝承・創作物の登場人物たち、果てはある程度の知性を持つヒト型の存在なら幻獣や神格といった厳密には人間じゃねえ存在さえ呼び出して、使用者に従順な知性体型の使い魔「Fファンタズムスピリット」として具現化させて自在に使役できるってンだから恐ろしいったらねェ。


 Fスピリットの具現化はさながらソシャゲのガチャが如く行われる。

 使用者が何かしらの対価――主には金銭――を支払うことで召喚術式が作動、支払った額に応じて最大十の具現化枠が確保され、枠一つにつき一体のFスピリットがランダムで具現化される。

 その中から任意で好きなのをストックしておいて、以後自由に召喚・使役できるんだ。


 術式は複数あって、それぞれ対象の傾向が違うとか、支払う対価に工夫を施すと狙ったヤツを引き当てやすくなるとか色々細かい話はあるんだが……何より特筆すべきはFスピリットどもの能力だ。


 どういう理屈か奴らは軒並み史実より色々ミョ~にパワーアップしてやがる。

 侍が刀で地面斬るとか騎士が槍からビームを撃つとか、医者や学者、画家や作家が魔術師よろしくガッツリ戦うとかは当たり前、

 果ては――果たしてどっちかっつーとパワーアップってより変異って感じで――なんか若返ってたり美形になってたり性転換してたりしやがる。

 特に多い"変異"は「史実じゃ男だったのが明確な人物なのにFスピリット版は見眼麗しい女になってる」ってヤツ。


 さて、次の項目ではそんなマスターズサーヴァナイザーGOが誰によってどんな経緯で生み出されたのかについて語っていくとしよう。



 ◎マスターズサーヴァナイザーGOの創造主、万能スキル「」使いの勇者・塩川リツカ

 またなんかヤバそうな文字列が来たなってんでドン引きしてそうだがご了承願いてえ。

 如何にもぶっ飛んだアイテムのマスターズサーヴァナイザーGOを生み出したのは、勇者ん中でも歴代最強候補の一人に数えられる塩川リツカって男だ。


 とは言えヤツ自身はコレと言って特筆すべき特技や美点を持ってたワケじゃない。

 寧ろ資産家の家に生まれ徹頭徹尾甘やかされて育ったヤツは裏口入学した有名私大で勉強もロクにせず遊び呆けてばかりいたロクデナシのクソ野郎で、

 親が稼いだ金で好き放題やってた癖に言い掛かり同然の理由で「自分は不幸だ。異世界に転生したい」などと真顔でぬかしてたらしい(因みに容姿は「平成ギャルゲの氏名変更可能な主人公」ぐれーとかなりのモンだが能力面は軒並みゴミ)。


 そんな塩川にとって、異世界エニカヴァーで勇者に任命されたのはまさに渡りに船かつ晴天の霹靂。身体能力なんかはそのままだったが、召喚に際して獲得したスキルはヤツの非力さを補って余りあるとんでもねぇ代物だったんだ。


 その名も「チートスキル作成スキル」

 ……つまるところ、どんなスキルでも自由に作り出して習得できちまうっつー、

 頭に広東住血線虫飼ってそうなバカでもなきゃ思いつかなさそうで、

 かつ例え思いついたとしてそんなスキルの使い手を主役に据えようとは考えなさそうな、

 ぶっちゃけコンセプトそのものがアホで狂ってるような代物だ。


 一応「回数制限がある」「強力すぎるスキルは神々の審査を通す必要がある」ってな制約もあるにはあるが、前者の回数制限は一生涯に一億回とあってないようなモンだし、

 後者についても神々は

 「ニートくずれのバカだからどうせ大したことはできない」

 「仮に何かしらやらかしてもこいつ程度余裕でぶっ潰せるだけの戦力はエニカヴァーに腐るほどいる」

 「何なら下手にアホほどパワーアップして世界の敵にでもなってくれれば

 人々は国家や種族の垣根を超えて団結するだろうし、各地の戦力を嗾ければいい感じの経験値稼ぎになる」

 なんて風に考えてやがるもんだからお察しだ。


 さて、それで実際塩川がどうだったかっつーと、実際奴は結果的に歴代の勇者でも首位に食い込む約二年半っつー短期間で当時の魔王を倒し世界を救った。

 だがその戦いぶりは何とも粗末なモンで、クソしょーもない理由でピンポイントかつニッチ過ぎるクソスキルを作っては回数をバカみてえに消費し続けるっつーひっでぇ有様だったそうだ。

 加えて奴は記憶力も壊滅的だったからだろう、過去に作ったスキルの内容もロクに覚えてなくて、実質同じスキルを十や二十も持ってるっつーのがデフォだったってんだから尚救えねえ。


 結果的に最初一億もあったチートスキル作成の残り回数は魔王を撃破した時点で僅か三十七……流石に危機感を覚えた塩川は「自ら戦うなんて馬鹿げている。自分には指揮官が相応しい」とかいう結論に至り、

 新たに作った十六のスキルでもって、地球でハマってたソシャゲをほぼパクる形でマスターズサーヴァナイザーGOとそれに関する諸々のシステムを完成させた。


 マスターズサーヴァナイザーGOを完成させた塩川はその圧倒的な力にすっかり酔いしれ「自分こそ世界の頂点に立つべき逸材だ」などとまたバカな思い付きからエニカヴァー全土に宣戦布告。

 傘下のFスピリットん中でも最強格の面々を手当たり次第投入して各国の軍や警察、冒険者ギルドなんかと派手にドンパチやり合ったワケだが……まあ結果は散々なモンだった。何せただでさえ強い戦闘者どものバックに神々や天瑞獣なんかがついてやがってんだからな。


 一応最初こそ調子よくコマを進めてた塩川軍だったが、劣勢に立たされるのにそう時間はかからず、宣戦布告から一週間足らずで壊滅。塩川とマスターズサーヴァナイザーGOのその後の行方は分かってねェらしい。


 ただどうやら地球に戻ったってワケじゃなさそうで、今もエニカヴァーのどっかにいるんじゃねえかとか、負けたのがトラウマになって引き籠ってんだとかって話だ。

 と言って、塩川軍の壊滅から半月も経つとヤツらの存在は人々に忘れ去られ、今じゃネットの歴代クソ勇者紹介動画とかでネタにされボロクソに扱き下ろされる程度の存在に成り下がってンだけどなァ。


 果たして今後、表に出て来ることはあるのかねぇ……本気出せばかなりの強敵になりそうではあるが、言うてここまで散々チャンスあったのに殆ど何の進歩もしてねえしなあ……。


◎終わりに

 さて、そんなワケで今回の解説は以上だ。

 今月も残すところあと二日……つまり実質本作をあと二話書いときゃ大丈夫ってワケだ(別に本作でなくてもいいんだが)。

 といって、今これ書いてるのが29日の22:23だから結構ギリギリだがね……ま、何とかするさ。


 それじゃ諸君、サラバだぁ。

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