シンズドライバー類似機解説(2)「救世武装ヴァチスチェンジャー」編

 親愛なる読者諸君っ、ご機嫌よう!

 イカれにイカれ狂い散らかした地獄の如きエッセイへようこそお出で下さったァ!


 さあ、早速だが今回も前回に引き続き邪悪魔神器シンズドライバーと似た機能を持つマジックアイテムとその主な使用者について解説していくぞ!


 前回はシンズドライバーの原型とする説もある古代の超レアアイテム"枢要悪兵器タフトブレス"とその使用者、第九代魔王アッシュ・ジ・アークエネミーを取り上げたが……

 今回は趣向を変えてシンズドライバーと対を成すかのようなアイテムと、ある意味じゃ大竜の"対"とも言えそうなその使用者について扱わせて頂こう!



◎救世武装ヴァチスチェンジャー

 その名の通り(?)七大罪と対を成す七美徳――寛容、慈愛、分別、忠義、節制、純潔、勤勉――に基づく力を有する神聖なアイテムだ。


 見た目としちゃ貴金属や宝石からなる豪奢で煌びやかな装飾の施された分厚い書物型の「救聖典ヴァチスクリプチャー」と、

 持ち主の手に合わせて大きさを変える白金の指輪「聖契輪セントディーリング」の二つで構成されてるっつー特徴がある。


 全体的な変身シークエンスとしちゃ、


 セントディーリングを嵌めた所有者に呼ばれるまま、ヴァチスクリプチャーが召喚される。

  ↓

 スクリプチャーの表紙にリングを嵌めた手を翳してシステムを起動。

  ↓

 所有者が変身する形態に対応する美徳を選択。

  ↓

 スクリプチャ―が各美徳に対応した形態に変形。

  ↓

 変形したスクリプチャ―に所有者がリングを嵌めた手で触れ、各美徳に対応した祈りの言葉を述べる。

  ↓

 スクリプチャー内部に使の内一名が現れ、所有者と融合して力を分け与える。

  ↓

 所有者の身体は光に包まれ、変身完了。


 とまあ、こんな感じでクソ長ェ。もうアホかっつーぐらい長ぇ。

 映像とか絵ならまだしも、文字で書き起こすとなるとかなりの字数になるだろう。

 ぶっちゃけシンズドライバーを見習ってほしいぐれーだ。


 でまあ、諸君ならもうお気づきとは思うが……変身シークエンス解説んとこで若干一か所、なんかとんでもねーことが書いてあったよな?

 勿体付けず具体的に言うとすりゃ多分みんなは今頃「内部に住んでる天使が出てくるって何だよ!?」とか思わず叫んでるんじゃねーかと思う。


 この辺に関しては結構めんどくせー事情っつーか、ぶっちゃけヴァチスチェンジャーってアイテムの製造経緯が盛大に関係してくる。


 というのもこのヴァチスチェンジャー、シンズドライバーやタフトブレスと違って開発者がハッキリしてる上エニカヴァーにただ一機しか存在しねぇんだ。

 その開発者ってのはさる「天使の17%を支配下に置く女神」だったんだが、ある時を境にシンズドライバーを異様に怖がるようになったその女神は「シンズドライバーに対抗し得る正義の兵器」を作ろうと画策する。


 そしていよいよ「正義の兵器」の製造に成功すると、その力をより強大に、またその存在を絶対的に正しくすべく、配下の天使ん中から選び抜いた七名の女天使をその内部に住まわせ、兵器の使い手を支え、導いてやるよう命じた。

 神に絶対服従で、正義の為なら何でもやる真面目な性格だった七名の女天使どもはその命令にすんなり従い、さながら武器に搭載された戦闘補助AIと化す宿命を受け入れた。


 かくして救世武装ヴァチスチェンジャーは完成し、女神はこれを実質自身の傘下にあるさる王国に託したんだ。いつかその国に「巨大な邪悪に対抗し得る正義の戦士」が現れた時の為にな。


◎ヴァチスチェンジャーの使い手、女性勇者タマエ

 そんなヴァチスチェンジャーの使い手に選ばれたのは、地球から魔王討伐の為に召喚された"勇者"の富谷トミヤタマエって女優だった。

 富谷は当時舞台や吹替で活躍する売れっ子として名が知れ渡っており当時は戦いに消極的だったが、魔王の衝撃的な正体を知っちまって戦うことを決意。

 王国から授かったヴァチスチェンジャーを手に魔王討伐の為の冒険に出た……までは良かったが、思わぬ苦戦を強いられちまう。


 というのもヴァチスチェンジャーはさっき述べた通り起動からして一々ややこしく手間も時間もかかる上、使うにあたっては内部に住んでる女天使連中の指示に従わなきゃならねぇんだが……この天使連中ってのが揃いも揃ってロクでもねーヤツばっかりだったんだ。


 といって奴らは断じて邪悪なんてことはなく、寧ろ品行方正かつ良識があり義と善を重んじる言わば正義の化身みてーな面々だった。

 加えて軒並みベクトルは違うが絶世の美女揃いで、オタク気質で男性向けの美少女モンとかわりと好きな方だった富谷も当初は「こんな可愛い女の子たちと戦えるなんてラッキー」ぐらいに考えてた。


 だが奴らは余りにも「正しすぎる」上にどいつもこいつも天然拗らせた間抜けやら、石頭過ぎて柔軟性皆無なバカ、寛容と甘やかしの区別もつかねえアホ、正しさに固執する余り些細なことでキレ散らかす暴力女等々、

 見た目や能力に内面が釣り合ってねえ末期のポンコツばっかりって有り様だった。


 これには流石の富谷も頭を抱え、気苦労の耐えねえ日々を過ごさざるを得なかったが……それでも何だかんだ最終的にはヴァチスチェンジャーを手足の如く扱えるようになり、魔王討伐とてしっかり成し遂げ無事に地球へ帰還したって話だ。

 全く、世の中何が起こるかわかんねーモンだな……。


◎終わりに

 さて、今回の解説は以上だ。

 なんかもう体力とか気力とか限界近くてヤバい感じでどうにもならねーが……これで残す所はあと三日……!

 待ってろよ500リワード、お前を絶対逃がしはしねぇからなぁっ……!


 次回も類似機解説の予定だ。或いは間に合わなかったらどっかから引っ張って来た適当な短編上げるかもだが……


 それでは諸君、サラバだぁっっ!

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