激昂し焼き尽くせ!「燃え盛る憤怒(バーニング・ラース)」編

大竜「ええい、致し方無し!

   やはりシンズドライバーに頼るのが最適解であろうよなぁ!」


エリザベート「グウアッ! ガアアアアアッ!」


大竜「罪業背負う七竜に乞う!

   その悪しき力振るう権能を、今一度我に貸与されたし!

   顕現要請、邪悪魔神器シンズドライバー!」


ドライバーシステム音声[SIN'S DRIVER!!]


大竜「いざ、顕現!」


ドライバーシステム音声[KEN-GEN!! INCARNATE IRASCIBLE DRAGON!!]


大竜『我が罪悪! 我が赫怒! 我が獄炎!

   即ち罪竜、バーニング・ラース!』


(大竜、炎に包まれ変身する)


大竜『グウウガアアアアアア!

   今日はどうにも機嫌が悪い……

   我が憂さ晴らしに付き合って貰うぞ、小娘ぇ!』


――『つい☆ブイ!』本編第二十九話「冒険者としての初仕事は"家出娘の鎮圧"だった」より



◎挨拶


 親愛なる読者諸君、御機嫌よう!

 例によってイカレ散らかしたエッセイへようこそお出で下さったァ!

 さて、冒頭に引用した本編場面からお察しだろうが今回から大竜がシンズドライバーで変身する各形態について解説していくぞ~。


 いの一番に紹介するのはやっぱこの形態っきゃねぇだろう。



 爆発的な火力! 驚異的な腕力!

 爪、牙に角、拳や肘、蹄から尾に至る迄全身が凶器!

 攻撃力と機動力の両立で高い汎用性を確立した赤き猛獣!

 その名も『燃え盛る憤怒バーニング・ラース』だッッ!



◎形態概要

 「燃え盛る憤怒」は名前の通り七大罪に連なる悪徳が一つ"憤怒"に相当する形態だ。

 他の形態にも言えることだが、形態名や変身時の口上なんかは大竜が独自に考えたモンであってシステム上特に名称とかはない。

 システム音声の「IRASCIBLE怒りっぽい DRAGONドラゴン」てのもあくまで憤怒ポジの変身形態だってことを現す記号でしかねぇからな。


 さて、大竜の変身形態はヤツの動物・怪物・ファンタジー好きが反映された結果、七大罪の象徴とされる幻獣一種類と動物二種類を組み合わせたキメラみてぇな見た目になるんだが、この「燃え盛る憤怒」もそこは変わっちゃいねぇ。


 構成要素は憤怒の象徴とされた一角獣ユニコーン、オオカミ、サルの三種類で、大まかなベースは頭尾長とうどうちょう十数メートル前後、体高約数メートル(尚大きさは幾らか可変ぽい)程もあるバカでっかいオオカミだが、

 額からは打撃・刺突用の武器としても使える(ある程度伸縮自在な)鋭く頑丈な角が生え、首筋には燃え盛るようなタテガミ、後ろ足は馬のそれ……といった具合に一角獣の特徴を持ってる。

 背中から生える"翼"は丸太か土管みてーな類人猿の両腕、オマキザルを思わせる尻尾が十数本ほど束になって生えてる辺りはサルの特徴だな。


◎戦闘能力

 オオカミらしく爪や牙での攻撃が強烈なのは勿論、一角獣の角や後ろ足の蹄を使った足技も強いし、"翼"代わりに生えた類人猿の両腕は大竜が変身する七形態ん中でも首位に食い込む怪力を持つばかりか結構繊細な動作なんかもお手の物。


 触手みてぇに生えたオマキザルの尾にしても一本一本が樹木ばりのサイズと質量なもんだから大概筋力は高ぇ上、本家さながらの器用さもあるお陰で投げる縛る引き千切ると色んな戦い方ができる。

 しかもこれでいて結構機敏に動き回れるってんだから、そりゃ大竜が汎用性の高い形態として重宝すんのもわかる話だろうさ。


◎固有能力-火炎

 とまあ、純粋な身体能力や各部機能だけでもかなり攻撃力高めな「燃え盛る憤怒」だが、固有能力の火炎を併せるといよいよ本領発揮。抜群の火力と圧倒的な破壊力でもって辺り一面は焦土と化し、大抵の敵は炭を通り越して灰になっちまう。

 ……もっともそれは、大竜自身が"やろうと思えば"の話だがな。


 「燃え盛る憤怒」の火炎は強力無比かつ柔軟で、オーソドックスな口からの火炎放射や火球連射なんかは勿論のこと、燃える拳で殴った箇所を爆破したり、身体に火炎を纏わせるとか、動き回る炎の塊に姿を変えての特攻なんて真似もできちまう。


 果ては慣れて来ると両掌から炎をジェットエンジンが如く噴射して空まで飛んだり、絶対零度ン中や真空中だろうと火を起こしたり、なんかそんなヤバい極致にも至れるとか……?

 今後の展開から目が離せねーな、これは!


◎精神汚染

 「燃え盛る憤怒」変身中の精神汚染は憤怒の悪徳らしく「攻撃性が増し、好戦的になる」と至ってシンプルだ。要するに常時何かしらにブチ切れてて、隙あらば正当な理由をつけて戦闘行動や破壊活動を試みたり、シンプルに敵を憎悪し攻撃が苛烈になったりする。


 ストレートで判り易く、戦場で敵に対し抱きがちな感情ってコトで戦況を変な風に阻害したりしねぇ利点はあるが、その分暴走状態にも陥りやすいんで現状は他の形態共々変身時間を短縮せざるを得ねえのが現実だ。


◎本編での登場回

 実質的な初登場は第七話。後々紹介する「凍て付く怠惰フリージング・スロウス」の冷気で凍らせた新真玉グループの悪女連中をその圧倒的な破壊力と火力で文字通り消し炭にする、いわば憂さ晴らしがてらの事後処理っつー地味な役回りでの登場だった。


 続いての登場は冒頭で引用した第二十九話。変身口上や「燃え盛る憤怒」って名前はこの回で実装された。

 案件クエストで相手取った"家出娘"エリザベート相手に変身したが、生け捕りにする必要性を感じた大竜は暴走のリスクを気取り「吹き荒れる傲慢レイジング・プライド」に切り替える選択をせざるを得なかったんだ。


 次の登場は結構飛んで第百四話。螢都で特定変異体になったブラック企業の経営者相手に変身。頭が円錐形のドリルと化した重機サイズの大猪を一方的にぶちのめす活躍を見せてくれたぞ。


◎終わりに

 以上で「燃え盛る憤怒」の解説を終わろうと思うが、どうだったかな?

 本編での活躍が伝わってくれりゃいいんだが……ま、あんまそういうトコは気にしないのが吉かもしれねぇな。


 さて、次回はどの形態の解説をしようか……まぁ何れにせよ全力を尽くすから、更新された暁には宜しく頼む。


 そんじゃ諸君、サラバだぁ~。

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