第5話:優士襲来
ここに来てから1ヶ月かそのくらいの時間が経過した...況水はそれでもうるさい....ラスさんは根気強く接しているし無冠さんは私達に少し心を開いてくれたようでせいさんのような口調で話してくれるようになった....私は最近定位置というか....日頃いる場所が決まった...図書で静かに本を読むのが最近の定位置....況水は私の横でうるさくしてるかラスさんに遊んでもらっているかのどちらかで....あれ?....そう言えば最近...というかここに来てから...ずっと..食事の時間でも...せいさんの姿を見ていない....と思い本をしまい4階へ階段を登る....無冠さんがせいさんの部屋の前で立って...門番?をしているようだった。
無冠)ん?...況白か!...まだ飯の時間じゃないだろ?
と聞かれて私は正直に無冠さんに用事を伝える...それを聞いた無冠さんは少し悲しそうにしたけどすぐ表情を笑顔にし....
無冠)今少し忙しいようでね....ま...ほっといたら帰ってくるよ
と言ってくれた....そう言われてトボトボと階段を下る....最近撫でられてなくてこんな悲しんでるとか...そういうんじゃないから!!...決して!...本当に...多分....いや絶対に撫でられたいだけだった....それからすぐの数日後...玄関のベルが鳴った..別にいつものことでせいさんの知り合いの人がよく尋ねてくる....なのに...なぜか..なぜか私はこの時素直に出れなかった...とラスさんが急いでドアを開けに行く...ラスさんはどうしたのと私に気を少し掛け...扉を開ける....そこには......そこには......私達のお兄ちゃんがいた.....ラスさんは微動だにせず私達の兄...栄 優士がラスさんを一刀両断した....私たちはそれを見ることしか出来なかった...そう思っていた...なんと!...ラスさんの体に優士の刀の刃は入らなかった...
ラス)危ないですよ?...栄 優士さん...
とラスさんが言うと優士は少し距離を置き..ラスさんに突きを放つ...だけどその突きはラスさんの目の前に現れた黒いナニカに突き刺さる...いや...黒いナニカに入る...まるで小さなブラックホールのように刀を吸い込んでしまった...
況水)何あれ何あれ?!
と況水が少し取り乱している....同じく優士もだが....と階段を見ると無冠さんがいた....そして無冠さんが相棒!...CamBackと言うと黒いナニカが無冠さんの肩に乗る...そして黒いナニカは黒猫になった....どうやら....ラスさんは分からないけど少なくとも無冠さんは異能を持っていると推測できる...黒いナニカと契約を交わし黒いナニカの力を借りているなら別だが....と...奥からもの懐かしい顔が出てきた....そして無冠さん2人が横にずれ道を作る...優士は何が起こったか理解できず混乱している...赫の髪が風で少し揺れ...真紅の眼と翡翠のような..水色の強い眼で...凛とした立ち姿...久しぶりに見たら女性にも見える....そして優士の目の前に立つ...覇気が凄い..その覇気を見抜いたのか分からないけど...優士も立ちすくんでいる....別格...異次元...そんな言葉が今の''せいさん''には似合うだろう...私と況水もせいさんのこの臨戦体制というか...真面目な状態は初めて見る....クールや美しい..かっこいいなどの言葉が出るんじゃないかと思う...初めのせいさんを見ていなければ....
せい)お客様....ここで暴れるのは些か御遠慮頂きたい...接客室がありますので...御手数ですがそちらでお待ちしていただけますか?...
圧を出すせいさんに怯え..接客室までラスさんに連れて行かれた...私たちはせいさんや無冠さんに駆け寄る...
況白)せいさん...今までどこに?...
と私が聞くとせいさんは明るくこう言った
せい)すまんね...君たちの里親探しをやっていたのさ⭐️
そして無冠さんに況水がこう聞く
況水)無冠お姉ちゃんのその黒猫何~?
そして無冠さんは簡単にソレを言い表す...
無冠)俺の武器であり異能...三味線が武器だったのが相棒になっちゃったって感じ...
三味線....どうやって武器に使っていたのだろうか....音楽を用いて戦う戦術だったのか..色々考えてしまう...とラスさんがせいさんを呼んで接客室へ行く...家族に売られた...そうはいっても事情があったのだ...それにお兄ちゃんも..お母さんも猛反対だった...それでも売らなきゃお兄ちゃんや私たちまで死んでしまう...だから...売った....今はもう余裕があるのだろう....だから迎えに...いや...この家に私達が雇われたと考えているのだろう....だからこの家にいる人を殺し私達だけ掻っ攫うって作戦だったんだろうけど....ラスさんの刃も通らぬ鋼の肉体(触った時柔らかかった)と無冠さんの異能....せいさんの別格の覇気...そりゃあ勝てないだろう....相手が相手だし...と...せいさん達がこっちに戻ってくる...そしてせいさんはこう言う...
せい)里親....いや...親....見つかったぞ
と.....
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