第10話(閑話SS1)ホラーすぎワロタ 夜逃げ(と波紋と)

「すみませんがご了承ください」

「いいですよ。このホテルあなた方の貸し切りですし」

「そうだっけ?」

「ああ。ちょっとこっちきて」

 ハルに連れられるがまま、テツは男子トイレの中へ。そびえたっている白い小便器が、異様な雰囲気を醸し出している。

「実をいうとさ、全国何百、何千万もあるホテル美肌の湯さぁ(温泉街でなくてもコンビニの十倍くらいの頻度であるんだけどね~。マンション地下1階店オーナー用とか。)、最近増えすぎて貸し切りの店があるってうわさがあって。本当だったなぁ」

「そういう話があるのか!」

「っていうわけで、好きに移動していいって。公式が決めてた」

「も、戻るのは……?」

「大丈夫です。もう元の土地には私共のコピーがあるはずなので」

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