第9話 パリピ放屁のふんどし桜

「あぶねぇ」

 パグたちを見送ったあと、ハルが嘆いた。

「あぶねぇよう」

「今、取り外しにかかんな」

 テツが指示をだす。

「え、なんで?」

「あれが演技という可能性もあるからだ」

 たしかに、棒人間はくるりと振り返るとひそひそと話しはじめた。

――そこまでが、作戦か?

 司令塔はハルの質問を理解して、こたえた。「それもあり得るけど、今のところ可能性はないに等しい」


       *


「うおおおおおおおおおおおどこだああああぁぁあああぁああぁ」

 パグたちは夜のアラバキの温泉街を駆けまわっていた。その努力をコンマ一秒も見ずに……

「あぁスピンジャンプ決めれんかった~! でも公開してるんだしいっか。30%。まぁまぁの難易度ですなぁ」

 テツは動画を見ていた。

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