第6話 罰ゲームの終わりと作戦立て

「「「「「ウニョー!」」」」」

 が炸裂した直後、公園内にエコーがかかったテツの声が響き渡った。

 まるで花火大会の実況のように、無邪気なその声はいった。

『ええ、次でフィナーレをむかえます』

 そういって、【……】ベアに何か語り掛ける。それは隣のこりどうでさえも、(テツ、いま、なんていったんだろ……。)と思うほど小さい声だった。(あの大声少年、こしょこしょ話こんなにうまかったっけな……。)


 ベアが濃度4の放屁を終え、カプセルの中に入った。

「むみょ!」

 パグの足に座った。重い……罰ゲームを受ける彼らは反射的に足を開いた。

『隙ありっ!!!』

 その声に、……あっ、と、彼らは気づく。しかしもう手遅れ。ベアの力強い放屁が男の盲点に届いたのだ。

「うをー! 痛いッうわ~! マジでやめてやめてやめてお願いお願い許してミッションは確かに失敗したけどさこれはないよいくらAとはいえ云々」

 パグが絶叫した。テツは実況をしながら思った。(僕もこんな電気あんまができればいいのに。)それは電気あんま隊もおなじだろう、と思った。


       *


 最後に、リクライニングチェアの要領でパグがまっすぐになった。おならベアの尻が決まった! その状態で威力6の放屁をくらわされたパグ一行は(これはスカンクの液の1・5倍も臭いといわれている。おならベアは牛肉を好む動物である。人に放屁以外の危害はあたえない。)気絶しかけた状態でフィナーレを迎えた。


      *


 六人がまともに会話できるようになったのはベアたちが退散してから二十分ほどたってからだった。突然、真昼の空をつんざくように、次男の泣き言が響き渡る。

「なっ……なんでおれだけなんだよ~! 大~」

 その分電気あんまも痛かったし、ただ運が悪かっただけじゃん。僕たちを恨むのはとばっちり、というもんだよ……云々と、チームメイトは彼らをなだめた。

「くそ~……泣」

 しかし、棒人間はまだ泣き続けている。

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