変態だからヤバいのか、ヤバいから変態なのかは本人しか分からない。


『ふぅ……これでやっと落ち着けますね。適当にゆっくりしていってください』


あれから近くにあった莉紗さんの家にお邪魔させて貰い、そこで今後の話について色々話す事になった。


『ジュースで良いですか?』


リビングにあった椅子に座っているとそう聞かれた。返事をしてすぐにコップにジュースが注がれ、その横にはケーキが置かれた。


『と、取り敢えずですね。改めて自己紹介をした方が良いんじゃないかと思いまして。どっちから行きます?』


正面に座り、そう聞かれたので。俺は少し考えてからこう答えた。


「……。んじゃ俺から」


自己紹介……と言うか現状紹介と言うか。


「俺は、美少女ちゃんって言う名前でネットで活動してます。数週間ぐらい?前に、目が覚めたら美少女になってて社会的地位を失ったので。ネットに活路を見出して頑張ってます!って言ったら立派な感じなんだけど、中身がほぼ釣りの雑談動画と配信でアレだし褒められたものじゃないんですよね……。まぁ、皆何だかんだ見てくれるし、それに甘えてる部分もありますね。えーっと好きな物は肉料理と甘い物ですかね、お酒にタバコも吸えなかったので食べる事が唯一の楽しみです」


そのお陰で脂肪を蓄えて太ってたなぁ。今は見る影も無いけど。


『じゃあ次は私の番ですね。私は莉紗。本名は影生莉紗と言います。美少女ちゃ……美少女さんが答えてくれたので、私も正直に答えないとですね。実は、私……』


莉紗さんは含みを持たせて焦らした。何なんだろう?一体何を言うのか全く想像も付かない。


『実は私、ロリコンなんです』


……?


彼女は、一体何を言っているんだ。ロリ……コン?貴方が?


『画面で貴方を見かけてから気になって、すぐにコラボのメールを送りました。って言っても安心して下さいね?私は2次元専門のオタクなんで、現実の幼女や少女はごめんなさいなんですけど……』


俺が漸くロリコンの意味を理解し、自分の身の危険を感じた時にはもう手遅れだった。テーブル越しにあった彼女との距離は物理的にテーブルを移動されて、無くなっていた。


『何故か貴方は凄い気になるんですよね』


何で?二次元じゃないよ?俺。……確かになんか、言われてみれば最初の方でアニメから飛び出した様な美少女みたいだって表現をした様な気もするが、まさかそれは関係無いよな?そんな配信の一部分を切り抜いて揚げ足を取る様な事をされても困る。


「気になる……」


『はい。特に気になるのは、俺っ子キャラですね。美少女って言うビジュアルで売ってるのに、一人称が俺ってどうかな?と。まぁ、確かに元々男性だったら一人称が俺なのも分かりますが、今は女性ですし。そこのギャップが良いって言う意見もあるでしょうね……うーん』


暫し、彼女は自分の世界に入って俺を待たせた後。出した結論がこれだった。


『よし、一回メス堕ちしてみましょう!全部忘れてリセットして、女の子として生きませんか?』


そうまるでそれが正しい事かの様に彼女は言うので、俺は何も言えなくなってしまった。と言うか、普通に怖い。どう考えてもイカれてるよこの人。ってかメス堕ちって何?身も心も女の子になるって事⁉︎


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