Fifth day
人が…人が………
人が多い!!!!!!!!!!!!
おまけに内線電話!!!!!!
「どうやってお湯にすればいいかわからない?えーっと…えっと…なんか手で持てそうなところをグイって奥にやってください。いや手前だったっけ?え?あ!!態度悪いですか?!ごめんなさい本当に申し訳ないですほんとに」
「は…?まさか…父さん?」
「お客様!!お客様のお部屋は201号室でございます!!666号室なんてお部屋はこのホテルにはございません!!お客様!?お客様ー!!え?あ!水道出ませんか?ごめんなさい少々お待ち下さい現在フロントが混み合っておりまして…人手不足なんです!ごめんなさい人手不足なんです!!」
「父さん!?父さんなんだろ!?おい!おーーい!!!」
「まっじでふざけんなよクソ野郎!!あっ間違えました!!いえ、本当に違います!!!オーナーからの電話だと勘違いしてしまって……いや、えー…オーナーはただ今昼食をとっておりまして…」
「父さん…俺、父さんに謝らなくちゃいけないことがあって」
「ちょっと土左衛門さん!!頼むから仕事してくださいよ。お客様がたくさん並んでますよ!見えますか!?」
「あ…ごめん父さん。仕事しなきゃ…また後でね」
「お客様すみませんもう一度お願いします…え?申し訳ありません!それはコイツ…こちらの従業員にさせますので」
地獄すぎる。地獄。
マッ●の店員とかいつもこんな感じなのかな…。
「げほっげほっぐぇっ」
無駄に声を張り上げて喋ってたら普段声を出していないせいか喉の調子が悪くなってきた。
俺ってほんと……。
いや、俺は頑張ってるよ。どう考えても土左衛門が悪い。
多分三年分くらいに値するであろう疲労を感じた。気づいたら昼休憩の時間になっていた。
ふざけんなよマジで。近いうちに心が死にそう。
話す気力もなくただ黙々と昼食を口に運んだ。
今日は不味く感じる。
最悪。
これが社会人ですか…。
尊敬しますよホント。なりたいとは思わないけど。
午後からもこれか。まぢむり。もうちにたい。
………
「お客様ぁぁ!!それはドライヤーではございません!おいぃ!話聞けよゴミが!あぁぁぁぁ間違えました本当にごめんなさい間違えましたごめんなさいごめんなさい!!」
「本当に救われるんですか…?こんな僕でも、幸せになれますか?」
「ちょっと土左衛門さん!!変な宗教に入信しようとしないでください!お客様も勧誘すんのやめてもらえますか!?」
「はっ…そうだ。宗教にはいい思い出ねえんだよ僕は。思い出した。人は過去から学ぶことができるからね。はい!お客様勧誘やめてください!」
「えっとここは旅館ではないのでお菓子は置いておりません申し訳ないです本当に…」
「だから…入信しませんって!話聞くだけでもだめですすいません!帰ってください!…んえっ?!ああお客様は神様ですけど…神様仏様お客様………」
「アメニティなくなってる!?ああごめんなさい何が必要ですか?…歯ブラシですねかしこまりましたあ!ぐえっげほっごほっ…すみませんすぐ用意いたします!!」
「ふう…やっといなくなってくれた。そういえばペットの鶏元気かな」
「げぇほっっごほっぐえっ…すみま、せゲホゲホッごめんなさいまじでごほっ…げほっ…」
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