繋がれたおててから伝わる温もり…

 

 

 この温もりのまま、心も繋がりたい!

 

 なんて欲張ろうとするオレの醜い心…

 

 おい、オレよ…

 そもそもさ、美桜梨ちゃんとまた巡り会えただけでも奇跡なのに、なのにこの醜いオレは…美桜梨ちゃんの心まで奪いにかかるなんて…なんて、なんって悪どい心めっ‼︎

 

 と、自分に喝を入れるのでありました。

 

 

 そうなんです…

 

 人間とは、たまに欲が出てきてしまう生き物なのです。

 

 そして、オレは…たまにじゃなくてほぼほぼ毎日欲が出てしまうとてもヤバい生き物だったりするのです。

 

 

 もしかして、危険生物にオレが認定されているかも知れませんね。

 

 もしくは、獰猛な生き物として認定されている可能性だってあり得るのです。

 

 …

 

 

 そんな生き物と繋がっている美桜梨ちゃん…

 

 なんか、かわいそ…

 

 

 …

 

 

 美桜梨ちゃんと手を繋いでいること自体なんだか申し訳なく思うオレなのでありました。

 

 

 ところで今日は、美桜梨ちゃんの追っかけファンみたいな人物は、ここに参加しているのだろうか?

 

 …

 

 

 チラチラと周りを警戒しては、おります。

 

 

 しかし‼︎

 

 いろんな男性がチラチラと美桜梨ちゃんをみてるんよ…。

 

 

 かわええなぁってさ。

 

 

 だから、もうさ…みんな美桜梨ちゃんのファンなんじゃね⁉︎って思っちゃうんだよね…。

 

 

 美桜梨ちゃんは、いろんな視線をいろんなところから浴びていて、なんだかとっても可愛そうだ。

 

 

 …

 

 

 オレたちは、手を繋いでいるけど…そもそもこれって効果あるんかな?

 

 

 たまに逆上する人とかもいるんじゃね⁉︎

 

 

 手…繋ぐ作戦失敗なんじゃ⁉︎と、おバカな自分を情けなく思っていると美桜梨ちゃんが、

 

「手繋ぐのっていいよね」

 と、オレに笑顔を向けてくださった。

 

 

 ⁉︎

 

 え、いいんだ⁉︎

 

 あぁ、そぅかぁ。

 

 

 オレの作戦は、間違ってなかったようだ。

 

 

 一安心していたら、オレは少しよそ見をしてしまった。

 

 

 そして、知らないおじさんに危うくぶつかりそうになった。

 

「おっとー…すみません。」

 とよけたら…今度は、手を繋いでいる美桜梨ちゃんにぶつかりそうになったのでオレは慌てて壁に手をついた。

 

 

 そしたらさ…

 

 

 わざとじゃないんだけど…

 

 なんか、美桜梨ちゃんに壁ドンしてたんだよね。

 

 ちかっいいーーー‼︎

 

 

 てか、もう目の前が美桜梨ちゃんでいっぱいだ。

 

 

 オレの瞳から美桜梨ちゃんが溢れんばかりっすよ。

 

 かわよ。

 

 めっちゃ目とかクリクリで肌も綺麗でとにかくガン見しちゃってたよね。

 

 

 美桜梨ちゃんもなぜかオレをガン見していた。

 

 こ、これはこのまま、キ…キスしていいんじゃね⁉︎なんて、またオレの悪どい心がオレの心を揺さぶった。

 

 

 …

 

 

 だめっすよ‼︎

 

 

 オレは、悪どい心を吹っ飛ばし

「あ、なんかごめん」

 と謝りたいせいを戻した。

 

 

 すると美桜梨ちゃんが、

「あっ、ううん!そ、そんなこちらこそ」

 と、顔を赤らめた。

 

 美桜梨ちゃんの顔…赤い…。

 

 

 うん、そりゃいきなり人混みでキスされそうになったら、焦るよね…。

 

 

 しかもただのクラスメイトにさ…。

 

 

 でもでもです‼︎

 

 ぶつかりそうになったおじさん、ナイス‼︎

 

 もうさ、ありがとうございます‼︎って握手求めたいくらいだったよね。

 

 って…そんなこと言ってる場合じゃないよね。

 

 

 おじさんだって、急に人がぶつかりそうになってびっくりしただろうに…。

 

 

 申し訳ないことをしたと、反省いたしました。

 

 

 反省とウハウハなおバカな脳内のオレは、手汗をめっちゃかいていないかと、少し慌てました。

 

 

 なので、トイレ行ってくるねと慌ててトイレで手をワシワシと洗うのでありました。

 

 

 続く。

 

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