いきなりの展開
放課後、美桜梨ちゃんと二人きりになると、オレは速攻で美桜梨ちゃんに謝ったよね。
「美桜梨ちゃん‼︎ごめん‼︎オレ、やりすぎたよね⁉︎」
と。
すると美桜梨ちゃんは、フッと笑った後に、
「ううん、むしろありがとう。」
とお礼を述べてきた。
ありがとうか…。
「しばらく、こんな感じでいってみる?」
恐る恐る聞いてみると美桜梨ちゃんは、
「うん、でも浩介くんが迷惑だよね?」
と申し訳ない表情をみせた。
いえ…むしろ快感とは、言えません‼︎
ヤバい性癖だと思われちゃうよね…。
「オレは全然平気だよ。じゃあ、しばらくこの作戦でいってみよう」
と、なりました。
でさ、次も日もオレはやりたい放題的な感じで、美桜梨ちゃんもそれに付き合ってくれているんだけど、いい感じにクラスの女子が美桜梨ちゃんに同情の眼差しを送ってくれているんだよね。
「美桜梨ちゃん、浩介のわがままに付き合わなくてもいいんだよ?美桜梨ちゃんが疲れちゃわない?」
とか、
「なにかあったらわたし達、美桜梨ちゃんの見方だからなんでも言ってよ?」
とか。
初めは、美桜梨ちゃんが自ら敵をつくっていたというか、近寄らないでください感が強くて孤立していたけど、今は女子たちが美桜梨ちゃんを心配するレベルにまでいっている。
とても、順調で良き。
一方、オレはというと…別の意味でみんなから心配されている。
急にそんなキャラになってしまってどうした?と。
でも、今までのオレを知っている友達は
「なにかに取り憑かれたんだろう」
と、軽い感じで捉えてくれているみたいなので、まぁそんなに深く考えることもない。
とにかく美桜梨ちゃんが孤立しなくてよかった。
なんなら、友達もできたらしい。
どうやら、キャラクターの推しをしている女子が美桜梨ちゃんと推し活仲間になりたかったようで、よく推し活について話しているようだ。
まぁ…美桜梨ちゃんは、オレの推し活を装っているだけなのですがね。
でも、お友達ができたことはとても強い味方ができたも同然なので、一歩前進だ。
美桜梨ちゃんは、よく笑うようになった。
やっぱりかわええよ。
とくにあのエクボは、昔から変わらずとにかくかわいい‼︎
オレが美桜梨ちゃんの推し活をしたいくらいだ。
尊い…
美桜梨ちゃん…かわいすぎ。
ですが、美桜梨ちゃんに告白する男子なぞおりません。
なぜなら、オレの推し活を美桜梨ちゃんがしているからだ。
どうせ告白してもふられるのは間違いない。
なので、だれも言い寄らないのだ。
なんて素敵なシステムなのでしょうかね。
我ながら素晴らしいと、自分を褒め称えるのであります。
そんな素晴らしいオレに美桜梨ちゃんが、いつもの感謝の気持ちを込めてお礼をしたいと申し出てくれた。
でも、オレは好きでやっているのでお礼はいらないとお断りしたのだが、美桜梨ちゃんがどうしてもというので、アイスを奢ってもらうことにした。
なんだかんだで、最近美桜梨ちゃんといることが多くなった。
これは嬉しいことだ。
放課後は、もう美桜梨ちゃんにただただメロメロなオレ。
美桜梨ちゃんは、はじめ久々に会ったときは、心に棘が刺さりまくっている感じだったけど、今はほんとによく笑うし、なんなら少しおっちょこちょいなところもあってとにかく、めっちゃかわいいのだ。
アイス屋さんにつくと、美桜梨ちゃんはバニラを注文した。
オレは、メロン味にした。
少しアイスを食べたら美桜梨ちゃんがいきなりオレをみて、
「浩介さまのアイスをわたくしめもいただきたく存じます…」
なんて言い出した。
たぶん学校での続きっぽくふざけているのだろう。
だから、オレも
「いいよ、美桜梨。お食べ」
と冗談でアイスをスプーンに乗せて差し出した。
まさか食べるわけないから。
そしたらまさかのパクリと美桜梨ちゃんが食べたじゃないかっ‼︎
えっ⁉︎
んっ⁉︎
ど、どうして⁉︎
オレが脳内パニックになっていると美桜梨ちゃんは、
「はい、お礼だよ」
とオレにバニラアイスを差し出してくれた。
「えと…」
「あーんして。それともわたしとじゃ…いや?」
なんて首を傾げるんですよ⁉︎
こ、これは一体…なにが始まったんよ⁉︎
もちろんいやなわけがない‼︎
ただ…今はなんの時間…
…
よくわからないけど、
「いやなわけないよ」
と、アイスをパクリといただくのでありました。
続く。
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