作戦
オレは美桜梨ちゃんと公園でバイバイして、家に帰りとある作戦を一人でねった。
まず美桜梨ちゃんが孤立しないように、オレがつきっきりでいたら安全だともくろんだ。
でも…それだとあいつら付き合ってんじゃね?ってなりうるかな…?
転校早々彼氏できてんのかよってならなくもないか…。
え、どうしよう…
オレの作戦ダメなんじゃね⁉︎
余計目立つか…。
オレは寝るギリギリまで考え込んで、美桜梨ちゃんがどうしたら安心で安全な暮らしができるか悩んだ。
そしてオレは思いついた。
もう、これで行くしかない‼︎
てなわけで気合を入れて登校した。
美桜梨ちゃんは、眼鏡を外し髪型も一本縛りから、サラサラロングになっていた。
普通にしてればいいってオレがアドバイスしたから。
でもさ、それはそれはめっちゃ注目の的だよね。
まぁ、そりゃそうなりますよね。
そんななか、オレは普通に教室に入り美桜梨ちゃんの元へ向かった。
そして…
「おはよう、美桜梨。」
と呼び捨てにした。
美桜梨ちゃんは、一瞬目が点になったけどすぐにオレの作戦だとわかり、
「あ、おはよう…ございます」
と挨拶を返してきた。
クラスのみんなも目が点になっておりましたよ。
しかし、オレはまだまだこれからが見せ所なので張り切りましたよ。
「あのさ、美桜梨。オレの靴、昇降口のところに出しっぱなしだから下駄箱に入れてきてくんない?」
と命令した。
すると美桜梨ちゃんは、
「はい!」
と返事をして下駄箱へと向かった。
みんなは、もう…なにがなんだかわからないと言った感じだった。
いきなりの美桜梨ちゃんが清楚系女子に変身して、挙句のオレはこんな感じだし…
…
そしてついにクラスの男子から、
「えっ…?美桜梨さんって…昨日までとイメージ違くね?てか、浩介って美桜梨さんと付き合ってる?」
と聞いてきた。
するとそこにちょうど美桜梨ちゃんが戻ってきた。
なのでオレは、
「え?オレたち?付き合ってないよ?な、美桜梨」
と、オレは美桜梨ちゃんをみて目でアイズした。
すると美桜梨ちゃんが、
「わたしは…付き合うとかじゃなくて…浩介くんがわたしの推しなんです‼︎」
と言い切った。
「はぁ?推し⁉︎マジか。オレも美桜梨さんから推されたい。てか、そしたら速攻で付き合うんだけど」
と言いながら友達は、オレをみた。
だからオレは、
「フッ、友よ。おバカさんだなぁ。そんな付き合うとかそんなんじゃないのさ」
と、美桜梨ちゃんの肩に手を置いた。
「な、美桜梨」
オレが美桜梨ちゃんをみると美桜梨ちゃんも、オレに合わせてくれて
「はい、浩介さま」
とオレに従った。
そしてチャイムが鳴り、委員長決めがクラスで始まった。
だれもやりたがらなくてなかなか決まらなかった委員長決め。
ですが、今回ばかりはすぐに決定いたしました!
だってさ、先生が
「だれもやりたくないだろうけど、再度先生はみんなに聞きます。やりたい人?」
と言った途端にオレが
「美桜梨やれよ」
と言ったからだ。
そして頷く美桜梨ちゃん。
クラスの優しい女子が美桜梨ちゃんを心配して、
「美桜梨ちゃん…、そんな無理してやることないよ」
と、とめていた。
しかし美桜梨ちゃんは、
「大丈夫です。お気遣いありがとう」
といい、先生に
「わたしがやります!」
と言ったのでした。
オレがやらせているかのようなこの発言。
しかし‼︎
実は昨日、美桜梨ちゃんから委員長とかほんとはやりたいけど、目立ちたがりとか、いい子ぶりっ子とか言われるからできないんだ…と聞いていたのだ。
これなら、だれも美桜梨ちゃんにとやかく言うまいってことでね!
そんなこんなで、無事一日を終えることができたと思ったら、帰りに美桜梨ちゃんが
「浩介さま、部活終わりましたら、お荷物お家までお持ちいたします」
と、オレに言ってきたのだ。
部活休みだけど…でも…
そこまでは…いいのにって思ったけど、どうやら美桜梨ちゃんは、オレになにかいいたげだったのでお願いすることとした。
続く。
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