沼津について

沼津平成

第1話 香貫山

 沼津の山は登るのにお手頃だから、あまり縁起のいいことではないが地震で津波など来た時に、沼津市民の人々は「あの山に登ろう」と決めている山がある。

 香貫山である。

 著者も何回か登ったことがある。調子にのって駆け出しすぎて絡んでおでこを打って瘡蓋を作ったこともある。

 香貫山は著者に自然を教えてくれた山である。

 香貫山の魅力は他にもある。落ちて土に塗れた栗がそこら中に落ちている。

 さて、沼津平成一家が沼津旅行に行く際、いくつか決めていることがある。

一、決まってとあるパン屋のあんパンは持って帰る。

二、ほとんどは車で向かう。新幹線でもいいけど予算を浮かせたい場合は断然車である。(しかも沼津平成は結構酔う体質……苦笑するしかない)

三、駿河湾に向かう。

四、香貫山にも行く。

五、三日以上滞在しない。


 二の「静岡熱海あたりから東海道本線のっちゃえ♪ へっへー。三島までいくぞよ」

 に関しては「あるある」と交通手段ではあるけれどなんでもない(多分)ので、省く。一はこれから追って書く。三と五もこれから追って書く。

 今大事なのは香貫山の話である。つまり四だ。麓までは車で行ける(ほとんどの山共通だ)が、あとは歩いて登るしかない。

 とはいえこの話の最初に書いた通り、この山は山頂まで登ろうと思えばまあなんとか登れる程度の山だ。

 中腹までなら、遅くとも二十五分ではいける。

 別に山を舐めてなどいない。山ではしゃぎすぎていろんなところに傷を作った著者がそれは保証する。

 さて、そんな茶色や緑色のきれいな香貫山をおりてみよう。何があるかというと——

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