第36話 初めて見る、開かれた『下』

 ファミレスで注文したメニューを食べ終わったボク達4人。


「お腹いっぱいになったかしら? もしちょっと足りないなら、1人前のパフェを3人でシェアするのはどう?」


陽子さんがボク・陽葵さん・陽菜さんの顔を見てから言う。確かに少し物足りないからありがたいけど…。


「母さんがいつもより太っ腹だな~。ちょっと怖いよ」


「一言余計! 3人は帰ったらから、たくさん食べたほうが良いと思っただけ」


「お母さんはどうするの?」

陽子さんを気にかける陽菜さん。


「私は食べないから気にしないでちょうだい。若い子と同じように食べると太るのよ…」


「陽菜。スルーも優しさだよ」


「そういう事。食べたいなら注文するけど?」


「アタシ食べたい!」


「じゃあわたしも…」


「ボクもいただきます…」



 注文されたパフェが来たので、ボク達3人はうまく分け合って食べる。陽子さんはその様子を微笑みながら見つめている。


……なんか、ボクを一番長く見ていたような…。考え過ぎ?


陽菜さんは陽子さんを仲間外れにしたくないのか、一口分よそってから“あーん”させた。彼女はお母さん思いの良い子だな。


そして、パフェも完食した。1人では食べないから、終始新鮮な気持ちだったよ。


「お母さん、パフェありがとう」


真っ先にお礼を言った陽菜さんに続き、ボクと陽葵さんも言う。


「どういたしまして」


「朝日君と外食すると、デザート食べられるんだね~。マジ最高」


「さすがに毎回は無理よ…。さて、お会計しましょうか」


陽子さんの言葉により、全員の視線がレジに向かう。…ちょうど会計してる女性がいるから、その人が終わってから席を立てば良い。


あれ? あの人見た事あるぞ。確か…。


「陽菜。レジにいるおばさんって、“マコール”の常連の人じゃない?」


「吉井さんね。…隣にいる男の人は誰だろう?」


陽菜さんの言うように、吉井さんの隣に若い男性がいる。ボクと歳は大して変わらないと思う。


結婚してるから息子さん? でもそれだったら、マッチングアプリを使う意味が…。


2人はボク達に気付く素振りを見せず、店を後にした。


「あの人、見た事ある気がするわ」


「お母さん、吉井さんと知り合いだったの? わたしはお店で初めて会ったよ?」


「…気のせいかもしれないし、予想通りだったとしても話したい事はないわね」


2人は仲が良い訳じゃなさそうだ。なら気にしないでおこう。


「レジが空いてる内に、お会計を済ませないと」


陽子さんが席を立ったので、ボク達3人も続く。会計を終わらせた後は店を出て、寄り道せずに帰宅した。



 帰宅してから、陽子さんは「買い物に行く」と言ってすぐ出かけて行った。なので、家にいるのはボク達3人だけだ。


「さて、朝日君の部屋に行こうか♡」


「お姉ちゃん、あの部屋はお父さんの部屋だよ…」


「わかってるって。空気読んでよ」


陽菜さんのツッコミが当然だと思うけど…。なんて考えてる内に、お目当ての部屋に到着する。


「そういえばさ~、部屋でHするのって初めてだね♡」


1回目・2回目共に、お風呂場でったな…。


「ベッドがあるから、朝日君にを見せられそう。陽菜、覚悟は良い?」


「……」


陽菜さんは緊張した面持ちだ。無理もない。


「アタシと母さんに見せたようにやれば良いから。アタシと一緒なら、少しはマシになるんじゃない?」


「そうだね…」


2人の覚悟を見ると「無理しなくて良い」なんて言えない。


「朝日君。これから頑張って見せるからね♡」


姉妹は一緒にズボンと下着を脱ぎ、ベッドのふちに座る。それからM字開脚を行う。


…今の状態でも、十分衝撃的というか刺激的だよ。これ以上なんて想像できない。


「陽菜。せーのでやるよ」


「わかった…」


陽葵さんの合図と共に、は指で数秒開かれる。


「今はこれで限界。ごめんね朝日君」


「いや…」


「どう? やっぱり感じ?」

彼女はニヤニヤしながら訊いてきた。


「そこまで考える余裕がなかったよ…」


時間が短かったのもあるけど、驚きや戸惑いなどの感情が押し寄せて来て、それらを抑えるだけで大変だった。


「朝日さん。わたし達なりに頑張ったので、ご褒美をもらえると…」


陽菜さんの物欲しそうな目に我慢できず、ボクも準備を始める。



 お風呂でやるHは良いけど、ベッドの上でやるHも良い。後片付けなど互いに一長一短あるので、気分と状況で変えたいと思う。


今日は、姉妹によると素〇を体験した。ボクはずっと仰向けで寝ていた感じだ。もちろん、お返しにボクも2人を気持ち良くした。


ここまで来ると“本番”はもう少しかも。陽子さんからをもらったら、この体位限定で始めるのもアリか…?


「ファミレスの時の母さんの態度、気にならなかった?」


事が済んで着替え終わった後、陽葵さんが言う。


「わたしも気になったよ。お母さんと吉井さんは、どういう関係なんだろう?」


「昔、父さんを奪い合った事があるとか?」


「それはないんじゃない? お父さんとお母さんは同じ小学校と中学校だったんだから、吉井さんより付き合いは長いよ?」


2人の馴れ初めは以前聞いたことがある。(6話参照)


「そんな事言ったら、幼馴染が最強になるじゃん。恋愛に付き合いの長さは関係ないって」


「そうかもしれないけど…」


「母さんに訊くのもアレだし、あのおばさんに訊いてみようか」


「吉井さん答えてくれるかな?」


「朝日君、あのおばさんのご機嫌取りよろしく!」


やっぱりそうなるのか…。


「なるべく頑張るよ」

教える交換条件として、色々やらされるかも…?



 「そういえば陽菜。明後日の火曜のバイトから、アタシ達は3人一緒にならないよね?」


「うん。必要な事は全部教えたから、後は数をこなすだけだね。2人体制だから、困る事はないと思うよ」


難しい事は店長さんと相沢さんがやってくれるので、接客はボク達3人がメインになる。何かあっても、陽葵さんか陽菜さんの力を借りられるから安心だ。


「アタシとアンタが一緒になる日は、朝日君は休みって事じゃん? 物足りないよね~」


「それぐらい我慢して…」


大学でほぼ一緒に過ごす陽葵さんはともかく、陽菜さんとは“マコール”かこの家でしか会わない。シフトによっては、週1~2回しか顔を合わせない時があるかも?


「2人が良ければ、シフトがない時も“マコール”に行くよ?」


家に帰っても、ゲームや漫画しかする事がないからな…。


「ホント? バイトの前にHできるじゃん♡」


「朝日さん、無理しなくて良いんですよ?」


「全然無理じゃないよ。家に帰っても、やる事がほとんどないから…」


「そういう事ならお願いしたいです。わたしと朝日さんは、お姉ちゃんと比べて会える時が限られてますから。会える時間が増えるのは嬉しいです♡」


「アタシ達を大切にしてこそ、ハーレムだよね♡」


「うん!」


2人が喜ぶために、ボクに出来る事はドンドンやっていこう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る