第33話 3人で見せ合おう♪ その後…
朝日君が寝るためにリビングを出たから、いるのはアタシ・陽菜・母さんの女3人だけ。今なら邪魔される要素は何1つない。
「母さん、早速よろしく」
「仕方ないわね。私がまいた種だし…」
そう言って、母さんはズボンと下着を脱ぎ、ソファーにもたれかかる。それから足を座るところに乗せ、M字開脚をした。
「すぐ終わらせるから、よく見るのよ」
母さんの指が、下を少しずつ開く。…こんな風になってるのか~。この部分に個人差ってあるのかな?
「はい、終わり!」
「えぇ~。もうちょっとやってよ~」
数秒だったから、しっかり見れなかった…。
「その分、あんたの時間も増やすけど良いの?」
「それは勘弁して~」
リスクの割にリターンが少ない。
「次は陽葵の番ね」
「はいはい」
アタシもズボンと下着を脱ぎ、母さんと同じ体勢をとる。
「お姉ちゃん、頑張って!」
姉として、妹には負けられない! アタシは勇気を出して下を開く。
「…はい、ご苦労様」
「何これ! 超恥ずかしいんだけど!」
今まで経験した事がない恥ずかしさだ。
「さっきの私の気持ちがわかった?」
「よくわかったよ」
延長やめて良かった~。
「最後はわたしだね…」
「陽菜は無理しなくて良いんじゃない?」
あの恥ずかしさに耐えれるかどうか…。
「子供扱いしないでくれる? わたしとお姉ちゃんは、1歳しか違わないよね?」
今は同い年だけどね。陽菜は早生まれだから、もう誕生日を迎えている。
あの子もアタシ達と同じ体勢になり、下を開いた。…母さんとの差を感じるものの、一瞬だから分析できるほどじゃない。
「よく頑張ったわね、陽菜」
「ねぇ母さん。アタシと陽菜は同じ事したのに、明らかに扱い違くない?」
「そういうのは、今までの発言や行動で決まるのよ」
陽菜は頭良いから、アタシが落ちこぼれに見えちゃうんだよ。あの子も同じぐらいだったら良かったのに…。
「やる事は済んだし、私はお風呂に入るわね」
そう言って、母さんはリビングを出て行った。
「わたしは寝ようかな」
「ちょっと待って!」
「どうしたの? お姉ちゃん?」
近い内に訊こうとずっと思っていた事がある。今は2人きりだからちょうど良い。
「あんたって、朝日君に“ズキューン”とか“ビビッと”みたいに感じた事ある?」
アタシが朝日君と関係を深めてるのは、直感で“相性が合う”と思ったから。この子も近い何かを感じてるはず!
「うん。わたしは“シュワシュワ”かな。そう感じるようになったよ」
アタシと母さんとは違う新しいタイプだね。
「朝日さんが“マコール”で働き出してから、彼と一緒にいると心が炭酸の泡みたいにシュワシュワ刺激されるの。それが気持ち良くて…」
「ふ~ん」
あの時の『下着姿30秒見放題』は、“シュワシュワ”の結果か。(20話参照)
「他に何かある?」
「いや、ないよ」
この子もアタシと同じ直感の影響で、朝日君との距離を縮めている。間違いなく、アタシのライバルになる存在だ!
でも妹だし家族だから、変な事はしたくない。それにそんな事したら、絶対朝日君に気付かれる。一体どういう反応をされるか…。
「そうなんだ。お休み、お姉ちゃん」
「お休み」
陽菜と一緒にリビングを出るのは気まずいので、わざとタイミングをずらしてから自室に戻り、すぐ就寝した。
昨日はいつもより早く寝たので、ボクは気分良く起きる事ができた。昨日の夜、陽子さんは陽葵さんと陽菜さんに下を見せたのかな?
…って、何を考えてるんだ! ボクが気にする事じゃないぞ。
なんて雑念を振り払ってる最中、部屋の扉が小さい音を立てて開き始めた。
「あっ、起こしちゃった?」
来たのは陽葵さんだ。彼女はベッドに上半身だけ起こしてるボクのそばに来てから、ふちに座る。
「今起きたところだから気にしないで」
「そっか」
「もしかして朝食の時間かな?」
そう訊いたものの、物音はほとんどしないし時間もまだ早い。何しに来たかわからないな…。
「ううん。話したい事があるから来ちゃった」
「話したい事?」
「昨日の夜、アタシ達3人で下を見せ合ったの」
「そ…そうなんだ」
色々あった事は容易に想像できる。
「ほんの数秒だけど。朝日君にじっくり見せられるように少しずつ頑張るから、“本番”はもうちょっと待ってね♪」
「うん…」
そんな事は言われなくてもわかっている。むしろここまで言ってくれる陽葵さんに感謝の気持ちでいっぱいだ。
「それとね…、陽菜も母さんとアタシみたいな直感があるって」
「確か、“ズキューン”と“ビビッと”だったね」
彼女と初めて会った日に、それを聞いたんだ。(2話参照)
「あの子は“シュワシュワ”だって。いろんな直感があるもんだよ」
陽葵さんが意味もなく、直感の話をする訳がない。まさか…。
「陽菜も朝日君を意識してる。絶対間違いない!」
やっぱりそうなるか。……ちょっと待てよ。姉妹が直感を頼りにしたら、行きつく先は…。
「ねぇ朝日君。アタシか陽菜、どちらかを選ぶ事はできる? 正直に言って!」
思った通り『奪い合い』になるか。フィクションなら面白い展開でも、当事者になると困るな…。ここは彼女の言うように、今の気持ちを伝えよう。
「……ごめん、できそうにない」
ボクは今の関係を望んでいる。どちらかを切り捨てる事はできない。
「やっぱりそうだよね~。朝日君ならそう言うと思った」
「えっ?」
全然ショックを受けてない?
「だって、陽菜のシコシコとアタシの口の奉仕を受けたじゃん? どちらかが嫌なら断るでしょ。もう片方のために」
陽菜さんのシコシコは、1回目のお風呂の時に受けた。(28話参照)
一方、陽葵さんの口の奉仕は、2回目のお風呂の時になる。(31話参照)
どちらにも共通するのが、3人一緒に過ごしていた事だ。…あれ? よく考えたら、姉妹でお互いを止めてなかったよな?
「朝日君を独占したい気持ちは、正直に言うとあるよ。でも陽菜との関係を悪くしたくないの。妹だし家族だから当然じゃない?」
陽菜さんの事を気にかけるなんて…。陽葵さんは優しいな。
「きっとあの子も同じような気持ちだと思う。だからさ…、“ハーレム”お願いね♪ 朝日君♪」
今は多様性の時代だ。なら恋愛も同じなんじゃないかな? 3人が納得して、誰にも迷惑をかけなければ…。
「でもその前に、陽菜さんの気持ちを聞いてからね」
「わかってるよ。あの子はもう起きてると思うし、今から呼びに行くから」
陽葵さんはそう言ってからベッドのふちから立ち上がり、部屋を出て行く。
ボクもいい加減ベッドから出て、顔を洗いに行こう。
顔を洗い終わってから部屋に戻ると、陽葵さんと陽菜さんは既にいた。そこまで遅れてないと思うけど、悪い事したな…。
「朝日さん。これからの関係についてですよね?」
陽葵さんは、さっきの話を少しでも話したのかな?
「うん…」
「わたしも今の関係の維持を望んでます。朝日さんを独占するつもりはありません」
ベストな流れなのに、展開が早い…。どういう事だ?
「実は昨日の夜、お姉ちゃんに『直感』について訊かれたんです」
ボクの表情を察してか、陽菜さんが説明し始める。
「お姉ちゃんが“ビビッと”でしたっけ? の後に、朝日さんを気にするようになったのは知ってます。つまり直感を訊く事は、朝日さんを好きになったかどうかを尋ねるのと同じなんです」
「……」
それだけ、直感を大切にしてるんだな。
「わたしは朝日さんが“マコール”で働き出してから、そういう気持ちを抱くようになりました。今もその気持ちは変わりません」
「そうなんだ…」
「好きな人のそばになるべくいたい。これはわたしの本心ですが、そのためにはお姉ちゃんを何とかしないといけません。しかし関係を悪くしたくありませんし、今のわたしは受験生です。他の事に多くの時間を割くのは難しいですね」
そうでなくても、高校生と大学生は時間を合わせるのが大変だ。陽菜さんは冷静に判断している。
「なので朝日さんとお姉ちゃんが許してくれるなら、今の関係がベストだと思っています。と言っても、わたしの独りよがりですけど…」
「そんな事ないよ陽菜。アタシと朝日君も同じ事考えてるから」
「そうなの?」
「うん。だからこれから一緒に楽しもうね♡」
「これからじゃなくて、今はどう…かな?」
今からとは、陽菜さんはヤる気満々だな。
なんて思った矢先に部屋の扉がノックされた。全員で確認すると扉は開いており、出入り口付近に陽子さんが立っている。
「話し声が聞こえたから、扉を少し開けて観察してたのよ。でも良いところだからなかなか声をかけにくくて…」
という事は、さっきの会話を聞かれたようだ。
「でもやっとキリが付いたみたいだからノックしたの。…朝食できたわ」
「朝日君・陽菜。お楽しみは後にしようか」
「そうだね。行こうか、お姉ちゃん」
2人は先に部屋を出て行く。さっきの件、陽子さんはどう思ってるんだろう?
「ドロドロの関係はドラマだけで十分よ。これから2人をよろしくね、朝日くん」
「はい!」
これで心配する事は何もない。
こうして、ボクは陽葵さん・陽菜さんと関係を深める“ハーレムルート”に行く事になった。これから何があろうと、3人ならきっと乗り越えられるよね。
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