第29話 母娘でエロトーク

 今日は陽葵さんの家に泊まる事にした。けど前回(18話参照)と違い、陽葵さん・陽菜さんとを持っている。


陽子さんもそれをわかっているから誘ったに違いない。一体どんな夜になるのか…。



 「朝日君。まだ昼過ぎだし、一旦家に帰って着替えを持ってきても良いよ?」


リビングにいる時、隣の席の陽葵さんが声をかけてきた。


今着ている服は、彼女のお父さんの物だ。下着は雨でさほど濡れなかったから、そのまま着続けている。


「良い考えね。朝日くん、その時に数日分用意してもらえるかしら?」


「数日分?」

泊まるのは1泊だし、数日分もいらないはず。


「ええ。予定より長く泊まるかもしれないし、急に泊まりたくなるかもしれないじゃない? 着替えは多いに越した事はないと思うわ」


「母さんの言う通りだね。1か月分ぐらい持ってきてよ」


「そんなに服と下着を持ってないから…」

仮にあったとしても、この家に持ってくるのが大変だ。


「冗談だって。でもそれぐらい長居しても良いって事」


「そうですよ。好きなだけ泊まって下さい、朝日さん」


「だけど長く泊まるなら、何か手伝ってもらいたいわね」


陽子さんの意見は当然だ。じゃないと、迷惑をかけるだけになる。


「もちろんボクに出来る事はします」


「何でも…ねぇ」


陽子さんの様子が意味深だ。


「ボク、変な事言いました?」


「言ってないよ!」


「そうです! 朝日さんは普通の事を言いました!」


2人にフォローされたものの、逆に怪しさが増す…。


「数日分の荷物は、お父さんの部屋に置かせてもらって良いですか?」

大切な事は早めに確認だ。


「もちろん良いわよ」


「アタシの部屋でもOKだからね」


何で陽葵さんの部屋に置くんだ? 必要性を感じない。


「お姉ちゃんの部屋は散らかってるからダメ。わたしの部屋のほうが良いよ」


陽菜さんは話のおかしさにツッコまない。彼女は変わってしまったのか…。


なんて事は後回しだ。気が変わらない内に、一旦家に帰るとしよう。


「では、荷物を取りに家に戻りますね」


「気を付けるのよ、朝日くん」


「朝日君、なるべく早く戻って来てね」


「何かあったら、すぐ連絡して下さい」


陽菜さんに言われて思い出した。3人と連絡先を交換していた事を。(6話参照)


今まで陽葵さんとは連絡を取り合ってたけど、2人はなかったもんな…。忘れるのも仕方がない気がする。


玄関で見送られたボクは、一旦彼女達の家を後にする。



 「さて、朝日君がいない内に手伝ってもらいたい事を決めようか」


リビングに戻ったアタシ・母さん・陽菜は、テーブルの椅子に座る。決める様子は朝日君に知られたくないからね。


「どうせあんたの事だから、Hな内容でしょ?」


「当然じゃん! 『一緒にお風呂』とか『添い寝』なんて良いよね~♡」

考えただけで手を出したくなるよ♡


「…お母さん。わたしもお姉ちゃんと同じ事考えちゃった」


「陽葵はともかく、陽菜がそんな調子になっちゃうなんて…」


本人の目の前で言うのはどうなの?


「やっぱり陽菜には早かったかしら?」


「子供扱いしないで、お母さん。わたしはメリハリを付けてるから大丈夫だよ」


「…そうよね。陽菜なら大丈夫よね」


何なのこの差は? あの子は小さい頃から頭が良いから、母さんに信頼されてるみたい。アタシだって、いつも平均ぐらいの成績は取ってたのに…。


「2人の希望はわかったわ。でも押し過ぎは厳禁よ?」


「何で? じゃあ押したい気持ちはどうすれば良いの?」

発散したくてたまらないのに♡


「我慢するしかないわね」


「できる訳ないじゃん! ねぇ陽菜?」


「うん。わたしも考えられない」


「甘いわ。押すだけだとワンパターンになるでしょ? それに女の体は切り札なんだから、使い過ぎたらどうなるか想像できるんじゃない?」


「もしかして、飽きちゃうって事? お母さん?」


「可能性は0じゃないわ」


「だから“押してダメなら引いてみろ”ってことわざがあるのか~」

マンネリ化は、昔の人も思ってたんだね。


「あんたにしては察しが良いじゃない。一応言うけど、本当に押したり引いたりする訳じゃないからね?」


「それぐらいわかってるよ!」


「もちろん今の気持ちを優先させるのも大切よ。さっきの話は参考程度に留めてちょうだい」


母さんはそう言うけど、参考になるとは思えないな~。気持ち良く感じるって事は、体と心はそれを求めてるはず。もしズレてたら、気持ち良くないと思う。


だからそのズレをアタシは判断すれば良い。これが一番でしょ!


「ここまでの話を聞いても、2人の希望は『お風呂』と『添い寝』で変わらないのね?」


「アタシは変わらないよ。陽菜はどう?」


「わたしも一緒かな」


「私は普通の内容にするわ。2人とは立場が違うから」


母さんが余計な事をしたら、朝日君との時間が減っちゃう。今の言葉は嬉しい。



 「今日の夕食だけど、“すき焼き”で良いかしら?」


「当然お肉多めだよね?」


お肉は活力の元。さっきお風呂場で出した朝日君には必要不可欠♡


「もちろん。でも、野菜もしっかり食べてもらうからね」


栄養バランスが悪いとお肌が荒れちゃうから、脱ぐどころじゃなくなる。活力と同じぐらい大切だ。


「…そうだ、忘れるところだった。今度2人にを渡しておくわ」


「ゴムってアレの事だよね?」


「そのアレよ。朝日くんの性格的に、前もって準備するとは思えないから」


「ゴムか~。初めて聞いた時は他人事だったな~。ねぇ陽菜?」


「うん。使うのは、もっと大人になってからだと思ってた」


「2人共18歳なんだから、十分大人でしょ。3年ぐらいじゃ体と心は変わらないわ」


母さんは21歳でアタシを産んだから、3年を例にしたみたい。


「最後にこれだけ言っておくわ。その後は夕食まで好きにしてなさい」


今までになく真面目な顔をする母さん。


「Hにうつつを抜かすのも良いけど、勉強はちゃんとするのよ。陽葵」


「何でアタシだけ!? 受験生の陽菜にも言わないと!」


「陽菜は大丈夫よ。私が言わなくても、自主的に勉強するんだから」


「今まではそうでも、これからはわからないじゃん?」


「お姉ちゃん、わたしさっき言ったよね? 『メリハリを付ける』って」


「その気持ちを忘れなければ大丈夫よ。だから心配なのはあんただけ」


ここでも信頼の差が出るのか…。


「一応朝日くんにも確認するから、嘘は付いちゃダメよ」


「はいはい」


「それじゃ、私はすき焼きの準備をするから」

母さんはそう言って席を立ち、キッチンに向かって行く。


「わたしは部屋の掃除をしてから勉強しようかな」


アタシも掃除をしよう。朝日君がいつ来ても良いように♡ さ~て、気合を入れてやりますか!

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