姉妹とエロい関係になる

第27話 ボク達の関係は変わり始める…

 吉井さんが店を出た後、陽菜さんにスタッフルームに行くように言われたボク。きっと2人の関係についてだろうと予測しながら向かう。


到着すると、パソコンを操作していた相沢さんは席を立ち、ボクの元に来た。


「朝日ちゃん。陽菜ちゃんから聞いてると思うけど、勝手にシフトの事を話してごめんね」


「いえ…」

責める訳にもいかないし、こう答えるしかないよな。


「吉井さん、下着は買ってくれた?」


「はい。2着買ってくれました」


「良かった。『教えてもらう代わりに、下着の購入頻度をなるべく増やす』って言ったから、そうじゃないと困るわ」


念のため、口を滑らせないようにお願いしたほうが良いかな? でも失礼になりそうだし…。


「朝日ちゃん。心配そうな顔しなくても、個人情報は絶対言わないから安心して。たとえ売り上げが上がるとしてもね」


やはりボクが言う必要はなかったか。余計なお世話だったようだ。


「ありがとうございます…」


「3人共、今日は昼過ぎまでだったわね。お昼休憩まで頑張ってちょうだい」


「はい」


さて、早く陽葵さん・陽菜さんと合流しよう。



 それからというもの、ボク・陽葵さん・陽菜さんの3人はお昼休憩まで頑張る。一部のお客さんはボクを好奇の目で見てきたけど、ゴミを見るような目じゃなかったから、だいぶマシだった。優しいお客さん達に感謝だ。


警備員の真似事も、1回だけやった。お客さんの小さい娘さんを店の外からジロジロ見ている男性がいたので、陽葵さんと一緒に注意した流れだ。


そういうトラブルは、下着屋に関係なく起こるよな…。


「そーいえばさー、“マコール”が日・月休みなのは何で?」


昼食中、陽葵さんが向かいの席にいる陽菜さんに尋ねる。定休日は相沢さんから聞いたけど、理由は知らないな…。


「日曜日が休みなのは、店長の一言で決まったらしいよ。『日曜日は働きたくない!』だったかな」


「わかるわ~」


小さい頃は土曜授業があったから土曜日に働くのは抵抗ないものの、日曜日は確かに嫌かも。


「月曜日は『役所や銀行の手続きをしやすくするため』って相沢さんが言ってた」


「ふ~ん」


平日の休みはメリットが意外に多そうだ。


「ねぇ。お姉ちゃんと朝日さんって、バイト終わったらどうするの?」


「特に決めてないよ。ね? 朝日君?」


「うん…」

陽菜さんはどうしてそんな事訊くんだろう?


「今日の天気予報によると、昼過ぎからちょっと強めの雨が降るらしいよ。お姉ちゃん傘持ってる?」


「当然じゃん。折り畳みはいつも持ってる」


「えっ? 今日雨降るの? 全然知らなかった…」


天気予報をチェックしてない時に限って、雨が降るのか。“マコール”はショッピングモール内だから、外を見られないんだよな…。


「だったら朝日君。バイト終わったらすぐウチに寄って、適当な傘を持って行きなよ」


「良いの?」

ビニール傘を買うのも手だけど、余計な出費は避けたい。


「もちろん。行く道中は、アタシの傘に入れてあげるから」


「わたしの傘にも入れてあげますよ」


「ありがとう、陽葵さん・陽菜さん」

これで濡れる心配はなさそうだ。



 お昼休憩が終わり、バイトを上がるまでベストを尽くしたボク達。ショッピングモールを出た段階では雨は降っておらず、予報はハズレかと思いきや…。


「ちょっと! 急に降り過ぎだって!」


駅から陽葵さんの家に向かう道中で、バケツをひっくり返したような大雨に見舞われる。これは“ゲリラ豪雨”レベルだ。


「風が強くて傘が役に立たない…」


陽菜さんの言う通りだ。そのせいで、全員ずぶ濡れになっている。


「家まですぐそこだし、傘閉じて走ったほうが良くない?」


「…そうだね。こんなに濡れてたら、傘を差す意味はないかも」


こんな事になるなんてツイてないな…。



 陽葵さん・陽菜さんに続いて、彼女たちの家にお邪魔するボク。お邪魔してすぐ、陽子さんが玄関に来てくれた。


「おかえり。ついさっき追い炊きしたから、すぐにお風呂入りなさい」


「そうする」


「ありがとうお母さん」


2人がお風呂に入ってる間、ボクはタオルを借りよう。


「朝日くんもすぐお風呂に向かって!」


「ボクもですか!?」

陽子さんは何を言ってるんだ?


「良いから!」


彼女は強引にボクの手を握り、脱衣所に誘導する。何でこんな事をするんだ? 訳が分からない。


…既に脱衣所内にいる陽葵さん・陽菜さんは、来たボクを見つめている。どう考えても邪魔だよな。今すぐ脱衣所を出て、陽子さんに一言言わないと!


「ごめん、すぐ出るから!」


「待って!」


何故か陽葵さんはボクを引き止める。何で?


「昨日の朝、アタシと陽菜で朝日君を起こしたじゃん?(19話参照)」


「うん、それがどうしたの?」


「実はその時、朝日君のを見たんだよ。ていうか、それを見るために起こしに行ったというか…」


ボクは寝たフリをしてたから、言われなくてもわかっている。ただ、どうしてそれを今言う?


「君の朝立ちを見てからずっと思ってるの。『やっぱりで見たい』って」


この流れ、もしかして…。


「朝日君。アタシと一緒にお風呂入ってくれないかな?」


そう言う陽葵さんの顔は赤い。それでも言うって事は、覚悟があるんだな。


「もちろん恥ずかしい事なのはわかってる。だから…」


彼女はTシャツを脱いでから、ブラを外した。


…初めて見る陽葵さんの胸。衝撃的すぎて目が離せない。


「お互い恥ずかしいところを見せ合えば、おあいこだよね」


「ちょっとお姉ちゃん! 朝日さんの前で脱ぐなんて…」


「アンタも朝日君の、気になるんじゃないの?」


「……」


「こんなチャンス、いつ来るかわからないよ?」


「……確かにそうかも」


ボクはドキドキしながら、陽菜さんの言葉を待つ。


「朝日さん。あなたの、わたしにも見せてくれませんか?」


陽菜さんの顔も真っ赤だ。どう見てもふざけてる様子じゃない。


「スカートめくりの件(5話参照)で察してるかもしれませんが、わたしは嫌らしい事ばかり考えるダメな子です。お姉ちゃんと同じ女子校に行かなかったのも、男子がいないからなんですよ」


「そうだったんだ…」


「はい、だからわたしも見たいんです。朝日さんの


2人は恥ずかしさを押し殺してまで頼んでいる。その気持ちは本当だろう。


「…くしゅん」

陽菜さんが小さいくしゃみをした。


これ以上濡れた服を着続けるのは良くない。全てのきっかけを与えてくれた陽葵さんとお世話になっている陽菜さんの思いに答えるんだ!


「わかった。2人共、一緒にお風呂に入ろう」


「ありがと、朝日君」


「早く体を温めないと…」


覚悟が決まったボク達3人は、ゆっくり服を脱ぎ出す…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る