例の三途の川管理人さんご紹介
どうも、例の嫌なやつにブチ切れて黄泉送りにした結果、死んでから黄泉に再就職することになった元電話交換手でございます。私は三途の川管理人さんの元で助手をしているのですが、この方のご紹介もせねばと思い立ちまして、お話いたします。
三途の川管理人さんは、三途の川に流れてきた目玉やら腕やらを拾って見苦しくないよう掃除したり、三途の川を渡る船頭さんを管理したり、その船の点検と改修の依頼、死者誘導係との計画などとお忙しいようでございます。
それに伴って、色んなところから電話がかかってまいります。それを端的に要約し、一覧にまとめて管理人さんにお伝えする、いわゆる仲介をするのが私の主な勤めでございます。そこからは管理人さんのお仕事。死者を誘導したり、面倒ごとを処理したり...。
あとはまあ、助手の私もたまに助っ人として総務部にうかがうこともございます。挨拶を兼ねて好感度も上げていってコミュニケーションを円滑に進めていくのも助手として大切ですね。私がしっかりしてないと、管理人さんの評判が悪くなりますから。これも、生前色んな人を相手にしてきた私の腕の見せどころでございますよ。
例えばこんな感じ。
「あー、すみません、こちら総務部。三途さんに繋いでほしいんですが...」
「いつもすみません...どうされました?」
「あ、助手さん?ちょうどいい。三途の川を渡る船の改修、終わりましたんでお伝えください。ついでにロープウェイで降りてた係が三途の川に落ちちゃって...。」
「かしこまりました。お繋ぎしますね。」
「いつも仲介ありがとね、知らない部署とやり取りするとき、助手さんがいてくれるとほんと助かるんだよね。今回は借りということで余計な気遣いは無用だよ。」
「元本業ですからねぇ、いつでもご依頼ください。」
意外と役に立つんですよ、私。
今回はそんな、三途の川管理人さんの人柄を知っていただきたく、そのつぶやきやエピソードを載せていきます。
三途の川管理人さん
「管理人さん談」
ふとした瞬間太陽を見つめてしまって爛れた目玉は三途の川をぷかぷか浮かんで彼岸花にひっかかる
それを手で掬った通称三途の川管理人はため息をついた。
やらかす人、たまにいるんですよねぇ
目玉だけが三途の川を渡ってくるやつ
これをねぇ、閻魔殿に渡すとね、3文くれるんですよ
ちょっとしたお小遣い稼ぎにちょうどいいんですけどね、たまに綺麗な目玉が来ると、つい持ち帰ってしまいまして でもなかなかやめられない 腰が痛くなるんですわ はー疲れた 今日もがんばった!我!
「管理人さんの悩み」
たまに、三途の川を大層綺麗な瞳を持った目玉が流れてくるんですけどね
まあ綺麗だといつもより多めに買い取ってもらえるんですわ
でもコレクションもしたい
ま〜〜傍から見たらどうでもいいかもしれないですけれどね、めっちゃ悩む
家の棚いっぱいに宝石みたいな目玉が並んでるのを見るのが人生ならぬ死生の幸せな瞬間なんですよ!
「管理人さんの悩み2」
たまに、三途の川を大層どろどろの目玉がながれてくるんですけどね
こういう時はひときわ大変
食い損ねた死魚とかが寄ってくるし汚れも溜まる。
まず川水ごとバケツで掬って、濾してなんとか瞳が残るくらい。
はぁ〜〜たいへん。早く家帰って目玉コレクション眺めよ
ずらっと並んだ目玉が見れるのは管理人の特権なんで、死生の中の快楽なんで、バイト募集.........
「管理人さんの悩み3」
どうしよう。美しい目玉コレクションで家の壁を埋めつくしてしまった。
この状態でどう三途の川の目玉拾えばいいんだ。今この瞬間にも綺麗な瞳の目玉が流れてくるかもしれないのに。
今度は床に敷き詰めるか...三途の川...罪な川...
「管理人さんの短歌」
美しい瞳は永遠 逃さない
川のせせらぎ 硝子飾りさ
眼球に 弾け舞って 行く雫
でもバイトはね 募集中だから
やはり三途の川管理人というのはストレスが多いようで、趣味の話ばっかしてますね。助手もがんばらないとなあ。あーやだやだ。
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