第2話 忘れがち
あれから何日が過ぎただろうか。
自分のギフトの外れっぷりが思いの外ショックだったらしく、あれから日がな一日ずーっと宿でぼけーっとしていた。
そんな事してたら当然お金もなくなる。
宿も叩き出される。
結果、めでたくスラムの一員になりました。
今は路地裏で裸で地面と熱烈なちゅーをしている最中です。
「黒髪黒目とは珍しいな、貧相な身体だが状態も悪くねえ」
「顔は……普通だな。この辺じゃ見かけない見てくれだ」
「まぁ珍しい物好きの貴族が高く買うだろ。ダメ元でスラムに来てみたが……こりゃいい拾いもんしたなぁ!」
貧相な身体で悪かったな。顔も普通でいいじゃないか。
世間知らずな異世界人は、ここではカモだったみたいで、只今奴隷狩りっぽいおっさん達三人に狩られております。
身ぐるみ剥がされ殴られ蹴られ。
あとはこのまま奴隷として売られるそうですよ。
奴隷とかあるんだぁこの世界。
ろくなもんじゃねぇな。
あー、どうしてこうなった。
それもこれも全部ギフトが悪い。
「……ゲームアーカイブ」
おっさん達に聞こえないように呟く。
やっぱり何もない。なんだよ「ゲームアーカイブ」って。
俺も「勇者」とか「光の戦士」とか「伝説の傭兵」とかそんなギフトが良かったなぁ。
俺の好きだったゲームの主人公みたいな。
俺のギフトなんだから、せめて俺がプレイしたことのあるタイトルくらい載せてくれてもいいんじゃないかねっ!
ぴこん。
『アカウントを連携しますか?』
……おやぁ?
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