人生最大の決断 part② 俺は華絵を選んだ

春風秋雄

俺は華絵を選んだ

この地域では一番の老舗料亭“くすのき”で、親方の次のポジションである次板にまでなった俺は、人生の大きな決断を迫られていた。この決断がこれからの人生を大きく左右する。


俺の名前は谷川良治。32歳の独身だ。18歳のときから14年間、一流料亭“くすのき”で修行をして、そろそろ独立して自分の店を持つことを考えても良い頃だった。そして、その夢がもうすぐ実現しそうだった。それは華絵という彼女のおかげだ。華絵は3年前に仲居として“くすのき”に入って来た。当時24歳だった華絵は、特別美人というわけではなかったが、愛嬌があり、話していて心が落ち着く女性だった。俺は華絵のことが段々好きになった。しかし、弟弟子の藤川学も華絵のことを気に入っているみたいで、しきりにデートに誘っている。このままでは学に華絵を奪われてしまうと思った俺は、休みの日に華絵を食事に誘った。勉強のために遠くの料亭に食事をしに行きたいが、一人だと同業者だと怪しまれるので、一緒に行ってくれないかと頼んだのだ。華絵は喜んで付き合ってくれた。初めての二人きりでの食事なので、俺は緊張して何を食べているのかわからず、まったく勉強にはならなかった。

その帰り道で、俺は華絵に告白した。華絵は驚いていたが、その場で俺との交際を承諾してくれた。


2回目のデートの時、俺は少し早いかなと思いながらホテルに誘った。俺の中で学を意識するあまり、焦りがあったのだろう。すると華絵はYESともNOとも言わないまま俺についてホテルに入ってくれた。そして、いざ俺が行動を起こそうと思った時に、唐突に華絵は話し出した。

「私が“くすのき”に仲居として働き出したのは、将来のためなの」

「将来のため?」

「私の実家は、この地域のはずれにある“華菱”という料亭。知っている?」

「いや、ごめん。知らない」

「小さな料亭だから知らなくて当たり前。でも、代々続いている料亭だから、私は“華菱”をなくしたくないの。だから将来私が女将になって“華菱”を継ぐつもり。そのために、一流料亭の接客が学びたくて、“くすのき”で働くことにしたの」

「そうだったのか」

「私は、一人っ子だから、婿養子をとらなければいけないの。それが腕の良い板前さんであれば、それに越したことはない」

華絵はそこまで言うと、俺の顔を見た。

俺は急な話で、どうリアクションすれば良いのかわからなかった。

「でも良治さんは、小さな料亭の主では満足できないでしょ?」

俺は返事に窮した。小さかろうが、一国一城の主には違いない。もともと自分で店を持とうとしても、それほど資金があるわけではないので、小さな店しか持てない。だったら名前も知らない小さな店でも、何も苦労することなく店が持てるのであれば、こんな魅力的な話はない。問題は、俺は華絵と結婚したがっているのかということだ。確かに華絵のことは好きだ。しかし、結婚まではまだ考えていなかった。

「私は良治さんが好きだから、ここについてきた。決して婿養子にするためにここについてきたのではないの。それを先に話しておきたかった」

華絵はそう言って、布団の中に入った。


華絵と肌を重ねる度に、俺は華絵のことがどんどん好きになって来た。俺はもう華絵なしの人生は考えられないと思うようになった。

「華絵、結婚しよう。俺は婿養子に入って、“華菱”の板場に立つよ」

俺がそう言うと、華絵は目に涙を浮かべて抱きついてきた。

華絵は“くすのき”の奉公は3年と決めていたそうだ。27歳になったら“華菱”に戻り、女将さんに女将としての仕事を教えてもらうことにしていたらしい。華絵が“くすのき”を辞めたのを機に、俺も親方に“くすのき”を辞めると伝えなければいけない。そう思っていた矢先、親方から話があると呼び出された。

「良治、お前この“くすのき”を継がないか?」

俺は一瞬何を言われたのかわからなかった。

「お前の板前としての腕は俺も認めている。だから、うちの琴葉の婿養子になって、この店を継いでほしいのだ」

俺が琴葉お嬢様と?とんでもない。琴葉お嬢様は華絵と同じ年で、27歳のはずだ。ひとり娘で婿養子をとらなければならないことは知っている。しかし、琴葉お嬢様は子供の頃から様々な習いごとをして、凛としたお嬢様だ。容姿も華絵とは比べものにならないくらい綺麗な人だ。廊下ですれ違っただけでも、その美しさに俺はまともに顔を見ることができない。そんなお嬢様と俺が釣り合うはずがない。何より、俺は華絵と結婚する約束をしている。俺はそう言って断ろうとした。ところが、親方も女将さんも、俺と華絵の仲は知っていた。その上で言っているのだと言う。その上、琴葉お嬢様は前々から俺のことを好いてくれているという。にわかには信じられないが、この話も琴葉お嬢様からの願いだということだ。長年の恩を考えれば、これは簡単に断れることではない。すぐに返事をしなくても良いと言われ、俺は何も返事をしないまま親方の部屋を出た。

困った。どうしよう。俺はそれから、どうやって断ろうか考えた。しかし、なかなか良い案が浮かばない。そして考えているうちに、これは凄い事なのだと我に返った。“くすのき”の主になるということは、この地域の板前であれば、誰でも憧れることだ。そんなチャンスを逃して良いのだろうか。ましてや、琴葉お嬢様は、世の男性であれば、誰もが羨むほどの美人だ。俺の心のどこかで、悪魔が囁くような気がした。


それから数日後に、女将さんから用事を言い使った。女将さんの親戚の家に行って、還暦祝いの料理を作ってくれということだった。主だった親戚が集まるらしい。それくらいは容易い用だった。問題は、女将さんは店があるので行けないから、代理で琴葉お嬢様が行くことになったので、一緒に行ってくれと言われたことだ。この前の話の後なので、俺は気が重かった。


当日琴葉お嬢様は着物姿だった。還暦祝いはつつがなく終わり、俺はホッとした。

帰りの電車の中で琴葉お嬢様が聞いてきた。

「婿養子の話、聞いてくれた?」

「はい。伺いました。もったいない話です」

「でも、良治さんは断るつもりでしょう?」

「いや、…はい」

「華絵ちゃんのこと、そんなに好きなんだ?」

「まあ、はい」

「ねえ、久しぶりの着物だから、ちょっと気持ち悪くなっちゃった。次の駅で降りて、休憩したいのだけどいい?」

「え?大丈夫ですか?」

「少し休めば大丈夫だと思う」

琴葉お嬢様は次の駅で降り、俺もそれについて行った。駅を出ると、琴葉お嬢様は駅前のシティーホテルに入る。そしてフロントに行って、部屋を借りているようだ。俺はロビーで待っていようと思っていたら、琴葉お嬢様は俺の手を引いてエレベーターに乗った。

「ちょっと部屋で休むから、悪いけど付き添って」

琴葉お嬢様にそう言われては、付き添うしかない。

琴葉お嬢様は部屋に入るなり、着物の帯を解き出した。琴葉お嬢様は自分で着付けができるのだろうか?俺は少し心配になった。ところが、お嬢様は帯を解くだけでなく、着物を脱いで、襦袢姿になってしまった。俺は目のやり場に困った。俺はカーテンがかかっている窓を向いて立ちすくんだ。すると、後から琴葉お嬢様が抱きついてきた。

「良治さん、私は華絵ちゃんより魅力ない?」

「いや、そんなことはないです。お嬢様は充分魅力あります。ですから、こんなことされたら困ります」

「私がここまでしているのに、振り向いてくれないの?」

「お嬢様、申し訳ないです。私は華絵と一緒になると決めています。お嬢様には私なんかより、もっと相応しい人がいるはずです」

琴葉お嬢様は、黙ったまま動かない。しばらくして、やっと口を開いた。

「わかった。良治さんのことは諦める。その代わり、一度だけ、一度でいいから思い出をちょうだい。華絵ちゃんには絶対に内緒にするから」

俺は一瞬心が動いた。男ならこんな綺麗な女性と一度でも良いから交わってみたいと思うものだ。しかも、相手の方から誘っているのだ。しかし、すぐに華絵のことが頭に浮かんだ。俺はゆっくり振り向いて、琴葉お嬢様を離した。そして静かにベッドに座らせ、脱ぎっぱなしになっていた着物をかけてあげた。琴葉お嬢様の目からポツリと涙がこぼれた。

「わかった。私の負け。華絵ちゃんを大事にしてあげて」

やっと諦めてくれた。俺はホッとした。

「お父さんには私の方から良治さんの件は、なかったことにしてと言っておくから」

「ありがとうございます」

「その代わり、ひとつだけお願い」

「何でしょう?」

「いつか、“くすのき”がピンチになることがあったら、良治さん、助けに来て」

「その時は、いつでも声をかけて下さい。何があっても飛んできますから」

俺がそう言うと、琴葉お嬢様はニコッと笑って立ち上がり、今度は正面から抱きついてきた。俺はしばらくされるままになっていた。すると、琴葉お嬢様は、離れ際に俺の唇にキスをした。

「これを一生の思い出にするわ」

そう言って、着物を手際よく着ていった。


俺と華絵の結婚式は、身内だけで質素に行った。新婚旅行へ行くこともなく、結婚式の翌日には俺は板場に立っていた。

“くすのき”と違い、日々の客数は少なく、多い日で10組、少ない日は2組ほどだった。接待で使うお客は半数以下で、それ以外は家族や友人と来るお客だった。売り上げを確保するために、お昼はランチメニューの定食も提供していた。俺は“くすのき”との違いに戸惑うばかりだった。

数日たった頃に、親方から経営事情を聞いた。どうやら大きな借金があるらしい。5年ほど前に客室を大きく改装したのと、長年使ってきた調理機器の買い替えが重なったことで銀行から借り入れをしたが、売り上げが伸びておらず、返済が滞りがちだということだ。それを聞くと、料亭の形式にこだわっている場合ではないというのがよくわかる。何とかしなければと思った。


華絵が二人きりになったときに心配そうに聞いてきた。

「どう?“くすのき”と違いすぎて、がっかりしてない?」

「最初は戸惑うことばかりだったけど、がっかりはしていないよ」

「ねえ、本当は“くすのき”の跡継ぎになった方が良かったって思ってない?」

「知っていたのか?」

「私が“くすのき”を辞めてから、学君がたまに店に遊びに来ていて、良治さんに琴葉お嬢様との結婚話が出ていると教えてくれた」

「学はおしゃべりだな」

おそらく学は当然俺がお嬢様との結婚を承諾するだろうから、華絵を口説くチャンスだと思ったのだろう。

「ねえ、後悔してない?」

「後悔なんかしてないよ。“くすのき”だろうが、“華菱”だろうが、料理を作ることに変わりはないからね。人は“くすのき”の主の方が良いだろうと言うかもしれないけど、だったら“華菱”を“くすのき”に負けない店にすればいい。それに、“くすのき”には長年の伝統があるから、それに外れた思い切ったことは出来ないけど、“華菱”はなりふり構わず、思い切ったことができるから、やりがいはあると思う」

「ありがとう。そう言ってもらえてうれしい。何より、琴葉お嬢様より、私を選んでくれたことが本当に嬉しい」

華絵は俺が華絵を選んだことを後悔するのではないかと、ビクビクしているのか。だったら、華絵に引け目を感じさせないためにも、“華菱”を良い店にしなければならないと思った。


“華菱”の板前は、俺と親方を除き、3名だった。俺は親方と相談して、この3名の腕を上げさせるために、付きっ切りで指導していった。“くすのき”で培った味の秘密も惜しみなく教えた。3人の板前は、向上心があり、意欲的に取り組んでくれた。この3人は良い板前になるだろうなと俺は思った。


俺が“華菱”に来て3年が経った。たまたま市場で会った“くすのき”の板前から、琴葉お嬢様の話を聞いた。どうやら県外の一流料亭で働いていた板前を婿養子に迎えたらしい。幸せになってくれたらいいなと思った。

“華菱”の3人の板前は目を見張るほど腕を上げた。それに伴い、客足も伸びてきている。少しずつだが借金は減っているようだ。


ある日、俺が寝床につくと、華絵が俺の布団に入って来た。

「ねえ、そろそろ子供が欲しいのだけど」

“華菱”に入って、俺は夜遅くまで献立を練ったり、新しい料理の試作を作ったりで、なかなか華絵を構ってやれなかった。華絵はもう30歳だ。子供を作るなら早くしなければいけない。

「そうだな。子供をつくろうか」

華絵を構ってやれない理由は仕事のことだけではなかった。華絵を抱くたびに、琴葉お嬢様とホテルで過ごした時間を思い出すからだった。心のどこかに「惜しいことをした」という気持ちがあり、華絵に申し訳ないと思うと、気持ちが萎えてしまった。華絵とキスをするたびに琴葉お嬢様の唇の感触を思い出し、華絵に申し訳ないと思う。琴葉お嬢様とは、決してやましいことをしたつもりはないけれど、そんな気持ちが湧いてくる自分が許せなかったからだ。

しかし、今日の俺は華絵を抱きながら、そんな気持ちは湧いてこなかった。やはり俺は華絵が好きだ。俺の腕の中で恍惚に浸る華絵の顔を見ていると、本当に愛おしい。早く俺たちの子供の顔が見たいと心底思った。


俺が“華菱”に入って10年ほどした頃に、大きな転機が訪れた。“華菱”が隠れた名店として雑誌に取り上げられたのだ。それからしばらくすると、今度はテレビの取材を受けた。たちまち“華菱”は予約なしでは入れない人気店となった。おかげで借金はすべて返済できた。

俺は親方に店の移転を提案した。借金はなくなったので、また銀行は融資してくれる。もう少し広い店にし、板前も増やしたいと進言したのだ。親方は“華菱”はもう良治の店だ。やりたいように、好きにすれば良いと言ってくれた。

“華菱”はこの地域では辺ぴな場所にある。“くすのき”と同じように高台の一等地に店を出したいと思った。また、最近の献立は創作料理が中心で、昔ながらの料亭の形式にこだわることもない。同じ高台でも“くすのき”からは離れた場所の新しいビルの1階のテナントに移転することにした。

“華菱”が高台に移って3年ほどした年に、この地域に大きな台風被害が起きた。高台にある“華菱”も“くすのき”も事なきを得たが、以前“華菱”があったあたりは、床上浸水した家もあり、あのままあの場所にいたら、今頃どうなっていただろうと思うと、ぞっとした。


新しい店舗での営業は順調だった。席数が増えた分だけ売り上げもあがり、この地域では“くすのき”と並ぶ名店になってきた。

そんなおり、琴葉お嬢様から連絡があった。

「久しぶり。元気?」

「ご無沙汰しております。おかげ様で何とかやらせて頂いております」

「何言っているのよ。“華菱”といえば、今では押しも押されぬ一流店じゃない。それより、私との約束覚えている?」

あの時、“くすのき”がピンチになったら助けてくれと言われ、俺はその時は飛んで行くと約束した。

「もちろん覚えています。何かありましたか?」

聞くと、長年贔屓にしてくれているお客様から、大切な接待だと予約が入っているのだが、琴葉お嬢様のご主人となられた板長がインフルエンザで板場に立つことができないらしい。それなりの腕の板前を一日で良いので貸してくれないかということだった。

「わかりました。私が行きます」

「良治さんが?いいの?」

「大丈夫です。一日くらいなら私がいなくても何とかなります。それに、何があっても飛んできますと約束したじゃないですか」


俺は久しぶりに“くすのき”の板場に立った。懐かしいというより、ここに立つと修業時代を思い出し、気が引き締まる思いだった。

“華菱”では最近は創作料理が中心だが、“くすのき”は本格的な懐石料理だ。板長が作ってくれていたお品書きを基に、俺は料理を作った。

今日の仕事がすべて終わったところで、琴葉お嬢様が女将の部屋に呼んでくれた。

「今日は助かったわ。お客様も大変美味しかったと喜んでくださった。本当にありがとう。これ、少ないけど」

琴葉お嬢様はそう言って御祝儀を差し出した。

「これは結構です。長年の恩を、少しだけ返させて頂いただけですから」

「何言っているのよ。それだけの仕事をしてもらったのだから、これじゃあ少ないくらいよ。これでお子さんに何か買ってあげて」

おかげで俺にも二人の子供がいる。そう言われて俺は遠慮なく頂かせてもらうことにした。

「こうやっていると懐かしいわね。あのホテルのことが昨日のことのように思い出されるわ」

「お嬢さん、その話はやめてください」

「あれはね、華絵ちゃんとの賭けだったの」

華絵との賭け?

「私ね、あのホテルの日の少し前に華絵ちゃんに会いに行ったの」

そうなのか?華絵からは何も聞いていないぞ。

「良治さんを私に譲ってとお願いしたの」

「そんなことを?」

「“華菱”の主になるのと、“くすのき”の主になるのと、どちらが良治さんにとって幸せかわかるでしょって言ったの。そしたら華絵ちゃん、良治さんの幸せは良治さん自身が決めることですからって。何か、その自信というか、良治さんを信じ切っている華絵ちゃんが憎らしくなってね。それで賭けをしようともちかけたの。私が良治さんを誘惑するから、一度でも良治さんが私の誘惑に負けたら、華絵ちゃんは身を引いてと言ったの」

俺はあまりの展開に何も言えず話を聞くだけだった。

「そしたら華絵ちゃん、その賭けに応じたの。もし私の誘惑に乗るような人であれば、自分の方から愛想をつかしますと言ってね。でもね、私の帰り際に華絵ちゃんは、キッとした顔で私に言ったの。でも良治さんはそんな誘惑に乗る人ではありませんとね」

俺は華絵のその言葉に胸が熱くなった。

「実際に、ホテルで良治さんは私の誘惑に一切応じなかった。私、結構自信あったんだけどね。それで、この二人には適わないなと思った」

そうか、それであの時、琴葉お嬢様は「私の負け」と言ったのか。

「翌日華絵ちゃんに報告に行くと、華絵ちゃん、号泣してた。あれだけ気丈に振舞っていても心配で、心配で、しょうがなかったんだろうなと思った。それを見ていると、悪いことしたなと思ったけど、私も必死だったから。“くすのき”を守っていくためには良治さんの力がどうしても必要だったし、何より、私は本当に良治さんのことが好きだったから」


俺は琴葉お嬢様からもらった祝儀で、子供たちにお土産を買い、そして華絵にも花束を買って帰った。

「この花、どうしたの?」

俺が花なんか持っているものだから、華絵が聞いてきた。

「華絵に買ってきた」

「どうしたの急に?今日は何かの記念日だった?」

「華絵、俺、お前と結婚して、本当に良かったと思っているよ」

「改まってどうしたのよ。照れるじゃない」

華絵はこのところ、すこしふっくらとしてきた。その分女将としての貫禄はついたように思う。華絵は琴葉お嬢様と違って、決して美人ではない。しかし、俺にとっては世界一の女房だ。俺はあの時、華絵を選んで正解だったと、改めて思った。


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