春風秋雄

堂島グループに吸収合併された榎本エンジニアリングの次男として生まれた榎本冬樹は、堂島家へ婿養子に入ることが決まった。しかし、その相手は堂島家の二人の娘さんから冬樹自身が選ぶことに…

小さな出版社を経営する廣瀬智博は、大学の後輩が経営するデザイン事務所にデザインを依頼していた。廣瀬の会社を担当する美人デザイナーの大内さんは、非常に疲れた顔をしていた。話を聞くと…

芹澤真也は、東京の有名料理店で働く腕の良い料理人だったが、交通事故で左足が不自由になり長時間板場に立てなくなった。料亭を辞めた真也は実家に戻り稼業の軽食喫茶で手伝いをしていたが、…

大見涼平が住むマンションの隣の部屋には、シングルマザーの盛山さんが住んでいた。夜な夜なお隣さんの赤ちゃんの夜泣きに悩まされていた大見だったが、子育ての大変さはよく知っていた。ひょ…

結婚に失敗し、バツイチの富永雅也は二度と結婚はしないと決めていた。そんな富永には気になる女性がいた。朝の通勤電車で時々見かける女性だ。その女性はいつも本を読んでいた。ある日富永は…

野沢史生が仕事で昔住んでいた街へ訪れると、学生時代に住んでいたボロアパートは駐車場になっていた。すると、そこに見覚えのある車があった。それは学生時代に史生が乗っていた車そのものだ…

大手企業のエノキダコーポレーションの跡取りである榎田颯太は、取引先の社長の娘さんとお見合いをする。しかしお見合い相手の彩菜さんは、親に無理やりお見合いさせられただけで、本人は結婚…

48歳独身の石塚淳史は74歳の父親が再婚すると聞いて驚いていた。すると父親の結婚相手の娘さんが、結婚は諦めるよう父親を説得してほしいと淳史に頼みにくる。どうも相続問題を懸念してい…

親の影響でさだまさしのファンになった久保田勇也は、湯島聖堂で甥っ子の合格祈願の合格鉛筆を買った帰り、聖橋で檸檬を投げようとする女性を見つける。慌てて注意したのをきっかけに、その女…

勝原恒人は学生時代から友人の倉本孝輔とルームシェアをしていたが、孝輔は結婚を機に部屋を出ていた。その孝輔が失踪したと奥さんの麻美さんが恒人の部屋に来る。旦那さんの収入がなく、家賃…

影山真司は昨年末に届いた喪中はがきを何度も見返していた。学生時代に好きだった喜美香さんが41歳の若さでこの世を去ったということだった。迷った末に喜美香さんの一周忌に線香をあげに行…

日高健介はヒダカコーポレーションの創業家に生まれながら、関連会社に出向になった。その関連会社には、親の命令で政略結婚をするために泣く泣く別れた昔の恋人がいる。すでに政略結婚の相手…

司法試験を目指す磯島裕人は、パティシエを目指す井上春奈と恋におちる。恋に溺れ、勉強がおろそかになる裕人。そんな裕人を見かねた春奈は、パティシエの修行のためパリへ行くという。弁護士…

10年近く音信不通だった父親から、頼みがあるから会いたいと言われた有本孝之。父親が現在住んでいるという滋賀県甲賀市へ行くと、小さな女の子がいた。父親は孝之にその子を預かってほしい…

プロになるのを諦めて、趣味で写真を撮っている魚谷克夫は、今年の桜は会津の鶴ヶ城で撮ることにした。桜を撮っていると、美人なのだが暗い顔をした女性が自分の写真を撮ってほしいと頼んでき…

総合商社に勤務する伊久間明憲は２か月前に妻と離婚したばかりだった。イラツク気持ちが仕事に出ているのを見かねた同期入社の成瀬智香が伊久間の相談相手に乗ってあげていた。そんな折り、成…

平塚勇也は高校時代の同級生の訃報を聞いて、20数年ぶりに故郷の鳥取へ帰る。通夜の会場で勇也に声をかけてきたのは、同級生だった上杉聖子だった。久しぶりの鳥取なのだからと、勇也をドラ…

青山繁はプロを目指しているギタリストだった。そんな繁をいつも客席が見ている菜月というファンがいた。いつしか菜月と一緒に暮らすようになった繁だが、二人の間に子供ができて、繁の人生が…

今井陽太は、独身の身でありながら、亡き弟の息子海翔の保護者として、毎朝保育園へ送っていた。海翔の一番の仲良しである美琴ちゃんのお母さんとお近づきになるが、美琴ちゃんのお母さんはシ…

まったく成績が上がらない営業マンの富山幸次は、会社ではお荷物の存在だった。唯一の息抜きに週末に飲みに行くカラオケ・バーで知り合った千賀子さんは、会うたびに「早く会社を辞めなさい」…

山鹿勝昭は、学生時代に別れた元カノが忘れられず、30歳にして独身でいた。その元カノの友達で、学生時代に元カノを含めて一緒に遊んでいた千秋から突然電話がきた。出張で俺が住んでいる四…

友長俊平が贔屓にしている小料理屋の常連客である藤城の親父さんは、俊平に会うたびに、自分の娘を嫁にもらってくれと、しつこく迫ってくる。会ったこともない娘さんの話をされても困惑するだ…

東雲航が運転するタクシーに一人の女性が乗って来た。その女性は子供の頃航が好きだった、初恋の相手だった。運転手紹介のパネルを見て航だと気づいた女性は、タクシーに乗るときは、航に頼む…

39歳の関口慎吾が大学時代のテニス部のOB会に出席すると、右隣に大学時代に付き合っていた元カノが、左隣に2年前に別れた元嫁が座っていた。二人に挟まれ、居心地の悪い時間を過ごしてい…

稲垣大地の手元に、７年前に別れた元カノから手紙が届いた。しかし、手紙の主である元カノは２年前に他界しており、その手紙は遺品からみつけた母親が届けてくれたものだった。元カノが生前出…

自宅を仕事場にしているグラフィックデザイナーの結城孝輔は、ある日、同じマンションに住む認知症の老人を助けた。すると、その夜お礼に訪れた娘さんは、とても綺麗な女性だった。それをきっ…

10年前に妻が他界し、一人娘も嫁いで一人暮らしの柿崎博信は、娘の勧めで婚活パーティーに参加した。そこで、20年以上前に一緒に仕事をしていた横堀悦子に出会う。久しぶりの再会で意気投…

編集プロダクションを経営する44歳の峰岸裕樹は、一度結婚に失敗していた。そんな峰岸が密かに思いを寄せている社員、平野佐和子は旦那さんを亡くし、旦那さんの実家で義両親と一人息子を養…

雅紀の携帯に突然知らない番号から電話がかかってきた。間違い電話だと思って出たら、10年前に別れた元カノの絵里だった。久しぶりに絵里と話すうち、10年前の思いが蘇ってくる。そして、…

栗本エンジニアリングの後継者として働く関本敦史は、社長である父親と些細なことで喧嘩をし、倉敷市にある岡山支店の支店長として飛ばされる。岡山支店に赴任すると、驚いた事に美人の支店長…

一流料亭“くすのき”の跡継ぎの話を断り、小さな料亭“華菱”の一人娘である華絵と結婚し、“華菱”の跡を継ぐと決めた板前の良治だったが、“華菱”の経営事情は悲惨なものだった。華絵は“…

41歳の芹沢雄介が東京から名古屋に帰る途中に浜名湖のサービスエリアに寄ると、ヒッチハイクをしている女性に目が止まった。気まぐれにその女性を名古屋まで乗せることにしたが、近くで見る…

妻と別居中の大森誠治が久しぶりに地元に帰省すると、後から綺麗な女性にが呼び止められた。その女性は中学の同級生だというが、まったく記憶にない。強引に連絡先を交換され、今度飲みに行こ…

大きな総合病院の跡取りとして婿養子に入っていた内科医の守屋卓は、妻の絹香の不貞が原因で離婚した。仕事も住む場所も失った守屋は、あてのない旅に出る。見知らぬ街で、ひょんな流れから急…

独身の島村陽介がいつものコインランドリーに行くと、ひとつだけ洗濯が終っている洗濯機があった。しかし、その利用者がいつまでも洗濯物を取りに来ない。仕方なく陽介はそのドラムの洗濯物を…

笹本電子部品工業の常務取締役をしている笹本光則がいつもの喫茶店でモーニングセットを食べていると相席を頼まれた。相席で座って来たのは綺麗な若い女性だった。女性はモーニングセットでは…

老舗の和菓子店の跡取りとして婿養子にいった弟の知也が事故で他界した。そのことで老舗和菓子店は窮地に立たされる。知也の兄である知和は未亡人となった弟の奥さん史佳さんを何とか助けてあ…

漫画家をめざしていた細井秀明は、長年付き合っていた結月と５年前に別れた。すでに結婚しているはずの結月が、突然秀明の部屋を訪ねてきた。結月は夕方までこの子を預かってと言って、小さな…

安原繁幸は他人に強く言えない性格で、頼まれたら断れない損な生き方をしてきた。そんな安原が、最終電車で終点まで乗り過ごした女性と遭遇する。その女性は、頼まれなくても助けたくなるほど…

久野竜彦は、家族を連れて伊豆高原の旅館に来ていた。すると、家族連れの宿泊客の中に見知った顔があった。それは、16年前に事情があって別れた浅羽瑞樹だった。お互いに家庭を持って、別々…

34歳の香坂省吾は、4年前に税理士の資格をとって会計事務所を経営している。家が遠いので、終電に間に合わないときは、以前働いていた会計事務所の同僚である麻里子に電話して泊めてもらっ…

母一人、子一人で暮らしていた長浜悠太だったが、その唯一の家族の母が帰らぬ人となった。母の葬儀から10日くらいしてから、一人の美しい女性が線香をあげさせてくれと訪ねてきた。その女性…

孝太と美佐枝は、美佐枝の事情で3年前に離婚した。しかし、離婚後も美佐枝はちょくちょく孝太の家に食事を作りにくるほど二人は仲が良かった。あるとき、いつまでたっても新しい相手を探そう…

井原雅彦は、仕事で初めて三重県の鈴鹿市へ行くことになり、鈴鹿出身の友人にどんな街かと聞く。すると、その友人は鈴鹿に行くなら、真理という女性を訪ね、どんな暮らしをしているのか見てき…

吉岡達郎は事故で頭を打ち、記憶喪失になった。自分の名前もわからず、自分の家もどこなのかもわからない達郎の前に、達郎の妻だと名乗る紗耶香という女性が目の前に現れた。紗耶香は女優のよ…

折原基義が専務取締役を務める会社に、地味で暗い女性が中途入社で入って来た。ただ、その女性は仕事が出来、ときどき見せる笑顔が素敵だったので、折原は気になっていた。ある日、その女性と…

WEB広告制作の会社を経営している水島圭祐のところに、佳純さんという一人の女性が中途採用の面接にきた。志望の動機を聞くと「お母さんを見返すため」という。母親の支配から脱出するため…

宮内智明は、小学校5年のときから、28歳の現在まで、幼馴染の百合子のことを片思いで想い続けていた。そんな百合子が、家業のスーパーが経営不振に陥り、智明のところにお金を借りにくる。…

翻訳家である横堀圭太は、自宅から車で２０分くらいの場所に仕事場としてマンションを借りていた。ある日、チャイムが鳴り、ドアを開けると女性が部屋に飛び込んできた。１年前に別れた男が追…