第12話 お金を稼ごう

竜魔水晶剣、ロングソードを腰に差し、小手を身に付けた俺はギルドに来ていた。

早速この2本を試す為だ。

ギルドに入り、クエストを調べる。

個人的には弱めのモンスターを一体だけ討伐ってのがあるんならそれを受けてみたい。

最初から多数相手は避けるべきだ。

…と思ったが…


「さすがに無さそう…」


仕方無い…と今回も薬草採取の依頼を選んだ。



◇◆◇◆◇◆



「ふー、大量大量♪」


今回は朝から薬草採取の依頼をやり、昼頃まで続けてたからかなりの本数が集まった。

けど…


「やっぱ更に安定した暮らしにするならランク上げと高難易度のクエストは必須だよなー」


クエスト自体もローリスクローリターン、ハイリスクハイリターンな訳だ。

特別なスキルや能力の無い俺にはリスクの方が高過ぎる。


「けど、ずっとこのまま薬草だけなのはさすがに…ん?」


薬草採取を終えた俺は街に戻り、とある建物の前で立ち止まった。

前は急いでいたから気が付かなかったが小さな教会があった。


(そういえば創作の世界ではこういう所は孤児院と教会が一体型になっててシスターが孤児達に基本的な読み書きを教えてるんだっけ?)


俺は気になり、その教会に入ってみた。



◇◆◇◆◇◆



キィ…と木のドアが軋みながら開く音が響く。

中には誰もいなかった。


「…あれ?留守だったか」


まぁいいや…と帰ろうとした時だった。


「如何なされました?」

「うおおぅ!?」


突然後ろから声を掛けられ、ビクッとなる。

後ろにはいつの間にか長い金髪でシスター服を来た女性が困り顔で立っていた。


「えっと…もしかしてここのシスターですか?」

「えぇ、そうですが…」


どうやら当たりのようだ。

俺は少し祈りを捧げたいと言うとシスターは顔を明るくして案内してくれた。

祈りをするつもりは無かったがある程度はこのシスターに合わせてここで何をしているかを聞いてみる事にした。


「自ら信仰をしに来る方がいらっしゃるとは嬉しい限りです。きっとブラフマー様やイムホテプ様からの御加護を賜れるでしょう。あ、申し遅れました。私ここでシスターをしております。ルナと申します」

「ジェイルです。えっと、作法とかが分からないので教えて頂けますか?」


勿論です。と明るく返事をしてくれた。


「まず、床に両膝を付いて下さい」


ルナさんが教会の奥にある神の銅像がある少し段差があった所で両膝を付く。

その動きに俺も合わせる。


「そして胸元で両手を組み、その両手に頭を近付け、目を閉じます」


言われた通りに俺も両手を恋人繋ぎのように組んで頭を近付け、目を閉じた。

視界が暗黒に包まれる中、誰かが俺の名を呼ぶ。


───イル


…?


ジェ───


…誰だ?


──ジェイル──


自分自身でこの世界で名乗った名前を呼ばれ、目を開けるとそこは暗い場所が永遠に続き、目の前には輝く球体が鎮座していた。

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