第5話 初クエスト!

さて、冒険者登録は済んだ。

という事で次にやるのはクエストだ。

…と意気込んでクエストボードのような所に来たが…


「アイアンクラスの依頼多いな?」


クエストボード的な所の前に来て見方は大体分かる。

大きなボードだが各クラス毎に木の枠で区切られている。

その上に各クラスのカードの色である板が貼られていてその下にあるのがそのクラスで受けられる依頼となっているようだ。

そしてこの街のクエストではアイアン級のクエストがほぼ6割を占めている。


「そこまでこの街はモンスターの被害が少ないのかな?」


まぁ上級モンスターがいた所で相手に出来る訳では無いけど…

クエストボード内で出来るヤツを探していた。

すると


「これって…」


未だに字は読めないが草を摘み取る絵が書かれた紙が貼られていた。

…多分薬草採取とかそういう類だと思う。

その他はモンスターの絵が書かれているから討伐依頼とかのヤツだ。

そして今俺は武器を持ってない。

となると消去法でこの薬草採取?のクエストを受けるしかないと思う。


(ありえないレベルのモンスターとか出てきませんように…)


ある種のフラグ的な事を頭で考えながら画鋲からその紙を外して画鋲のみを戻す。


「すみません、こちらのクエストを受けたいのですが…」

「はい、これは…薬草採取ですね。薬草1つに付き銅貨1枚となります。基本こちらのクエストは取れ高制ですが多ければ割増で報酬はお渡しします」


分かりました。と返事をし、場所を聞く。

取れる場所はこの街を出て歩いて40分の所にある草原で取れるとの事。

ちなみに街の外壁が閉まるのは日没まででそれを超えると中に入れなくなるらしい…

転移して初日から野宿とか嫌なんですけど…?

俺は少し早足で現地に向かう事にした。



◇◆◇◆◇◆



40分後…


「歩くだけで疲れるとか何これ…」


平坦な道が続いていたが周りに建物なんてものは無くずっと同じ景色が続いていた。


「スクーターとか、自転車とか使いてぇ…」


まぁ無い物ねだりしても意味無いんだけど…

とりあえず採取場所には着いた。


「さて、やってみるか…とは言うものの…」


…どれ?


そもそも薬草の類なんざ知らないし知識も無い…


(やっちまった…受付の人にどんな形かとか聞いときゃ良かった…)


とりあえずしゃがみ込んで周りとは形が違う草を1本を抜いた。

形的にはたんぽぽみたいに見える。


「奇跡的にこれが薬草って事は無いか?」


というか今思うと俺チートとか貰って無いやん…


(こういう時、鑑定とか、持ったヤツがどんな物かが分かる魔法があればなぁ…)


と考えている時だった。

音も無く頭の中に日本語で文字が表れる。


「うえっ!?」


いや、マジでビビった…

というより読める文字が出てくる事に驚いた。

試しに読んでみる。


【薬草:ギルド内で加工され傷を癒すポーションに使われる原材料】


…俺、鑑定の魔法なんか持ってた?


「え、てか何で鑑定の魔法発動したの?」


俺は普通に魔法の知識すらも無かったはずだ。

にも関わらず何で魔法が使えた?

けど、今唐突に発動した鑑定のお陰でこのたんぽぽが薬草なのは十分に分かった。

そして辺りを見ると数百本にもなる薬草が生い茂っている。


「まだそれぞれの硬貨の価値が分からないけどこれは稼ぎ時かな?」


今の内に薬草を取って稼いでおこう。と手当たり次第に薬草を集め続けた。



◇◆◇◆◇◆



「ま、こんなもんだろ」


採取してから数十分で100本位は集まったと思う。


「モンスターとかも居ないし、武器を手に入れるまでは大人しくこういう危険度が低いクエストで金稼ぎするか」


俺は近くにあった細長い草を摘み取って薬草をまとめて結び、ショルダーバッグの中に入れる。


「まだ日も高いしな…あ、帰って出店とかあったらそこで硬貨使ってみよう。最安値のとかを買ってそこから基準を決めるか」


帰ってからの予定を決めた俺は街へと帰って行った…


マジでスクーターとか使いてぇ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

作者の異世界旅行譚 JAIL @jeager

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ