第4話 冒険者登録
前回は予約投稿出来ていなかったので今回はすぐにやりました!
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キィ…と木が軋む音が鳴る。
そこは想像していたギルドの中とほぼ同じだった。
まっ昼間から酒の入った木のジョッキを傾ける者、これからクエストなのか持ち物の準備と確認をする者、カウンターで受付をしている女性を口説いている者等様々な人がいた。
そしてもう1つ、気になる事があった。
冒険者達の装備がちぐはぐなのだ。
というのも武器にたくさんのパイプが付いていて且つ装備にも複雑にパイプが入り組んでいる者、ボロ切れのような布に弓矢だけを装備した者等様々だ。
「いらっしゃいませー!空いてる席へどうぞー!」
ウェイトレスの様な女性が空いてる席へと着席を促す。
「あの、冒険者登録はここでも出来ますか?」
「あ、冒険者登録でしたらあちらのカウンターでお願いします!」
促された方を見ると4名ほどの女性と男性がそのカウンターに立っていた。
あそこで登録も受注も出来るのか。
ありがとうございます。と言って空いていた女性のカウンターに向かう。
「すみません、こちらで冒険者登録が出来ると伺ったんですが…」
「はい出来ますよ?冒険者登録としてカードを作る為、手数料で銀貨1枚必要になるのですが…」
「(あ、やっぱり手数料必要なのか)これでいいですか?」
チャリン…と銀貨1枚を皿に置く。
「…はい、ちょうど1枚ですね。ギルドカードを制作する前に先にお名前だけご記入お願いします」
受付の女性からまだ何も書かれてないカードを渡される。
名前は…ここか。
名前の欄に自身の名前を書こうとしたが一瞬止まる。
(待て…?今ここで自分の名前を書くのはいい…が、あまり見慣れない字だったらどうすんだ?というか今更だけどこの世界の文字って…)
ふと辺りを見回す。
文字が…読めない…
「…?いかがされました?」
「え?あ、いえ…すみません…代筆とかって…」
「あ、構いませんよ。お名前は?」
俺の名前、本名を言おうとしたが少し立ち止まる。
元の世界の俺はもういない。
だからこそ個人的に思う。
"いっその事、新しい名前でこの世界を楽しみたい"
だから俺はこう告げた。
「名前は【ジェイル】で」
「分かりました。これからギルドカード制作を行いますがその間に冒険者になる上での説明をさせて頂けますか?」
「はい、分かりました」
受付をしてくれた女性によると冒険者になる上での説明…ルールは以下の通りだ。
・冒険者のランクは上からダイヤモンド、ゴールド、シルバー、ブロンズ、アイアンの順でこれは装飾品でも使われる金属や貴金属の貴重さを基準に決められている。
・昇格は個人の自由だが状況、クエストの達成と失敗の割合でギルド側から昇格を勧められるがこちらも当人の自由である。
・例え昇格出来たとしてもあまりにも失敗の数が多くなった場合、降格されるが失敗理由の内容によっては降格処分は保留とする。
・クエスト達成、失敗は依頼主のサインにて決められ、カードの方に記録される。
・クエスト達成時に必要なモンスターの部位は一般的に同じで各依頼用紙に必要部位が書かれているが依頼主によっては部位が違っている為、注意する事。
・ギルドカードを紛失、もしくは盗難に遭った場合すぐに申告する事。(再発行は登録時と同じ銀貨1枚とする)
・ギルドカードの故意的な破損が見受けられた場合、昇格は1ヶ月、クエストの受注は1週間認めない。(こちらも再発行の費用は登録時と同様である)
以上がルールとなっている。
…個人的に心配なのは失敗数かな…ま、最初は失敗しにくいクエストが多いんだろうけど。
「以上が説明となります。何かご不明点はありますか?」
「いえ、今の所はありません。その時になったらまたお伺いします」
「分かりました。それとカードが完成しましたのでお受け取り下さい」
トレーの上に1枚のギルドカードが渡される。
冒険者名:ジェイル
等級:アイアン
登録日:✕✕/○○
クエスト達成率:0%
と書かれていた。
クエスト達成率はもちろんゼロ。
ここからまた新しい生活が始まる。
前の世界とは違って死と隣り合わせの生活。
「…やるしかない…よな」
俺はようやく冒険者になったという自覚を持ち、少し強くカードを握っていた。
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さて…2章目も書き始めないと…
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