財団職員が勝手にSCP解説!

鵜鷺 光

SCP財団へようこそ!


――…えーっと、はじめましての方ははじめまして!そうでない方はこんにちは!SCP財団という場所で職員として働いている、鵜鷺光うさぎひかるです。以後お見知りおきを。


さてさて、ここに来たということはSCPのことはもちろん知っていますよね?…まあ知ってる方も知らない方もいると思うので、念の為SCP…もといSCP財団について軽く解説しておきましょう。本来はSCPのことを皆さんに教えるのはダメなんですが、多分大丈夫です。いざとなれば記憶処理剤ブチ込めばいいだけですし。



では早速、SCP財団について解説していきましょう。

SCP財団とは「Secure(確保)」「Contain(収容)」「Protect(保護)」の三つを理念に掲げ、自然法則に反する、異常な性質を持つ存在・物品・現象・場所を封じ抑え込むことを任務とする、国家最高秘密機関です。すごく簡単に言うなら…「お化けを捕まえて保護する組織」でしょうか。


「Secure(確保)」は、異常なものを一般人や敵対組織にとられる事を防ぐために、早め早めに確保すること。

「Contain(収容)」は、異常なものの影響が周りに出ないように、一般人にバレないように移送・隠蔽・分解等の方法で収容すること。

「Protect(保護)」は、異常なものの影響から人類を保護する、異常なものがどういうものなのか・どういう動きをするのかを理解する、今の科学力じゃ対処できない異常なものを対処法が見つかるまで保護しておくこと。

まあ保護を理念の一つに掲げる財団でも、収容が難しすぎたり、収容すること自体が危険すぎると判断した場合、特例として異常なものの無力化・破壊をするときがあります。使える命の数にも限りがありますからね。もったいないですが仕方のないことです。


SCP財団の「S」「C」「P」とは「Special Containment Procedures」の略称であり、「特別収容プロトコル」という意味を持っています。そして異常なもののことを「アノマリー」といい、私達はアノマリーのことを「オブジェクト」と呼びます。どこかにいる別の職員は「SCiP(スキップ)」や、そのまま「SCP」と呼んだりしているようですね。呼び方は自由なので特に問題はありませんが。


SCPオブジェクトが持つ不思議な能力や、それらによって引き起こされる事象のことを、「異常性」と呼びます。異常性の例をあげるなら…SCPオブジェクトが不死身だったり、そこにあったものを無かったことにしたり、ケーキが無限に増殖したりなどなど。他にもたくさんの異常性があります。



「特別収容プロトコル」とは、SCPオブジェクトの報告書において、アイテム番号・オブジェクトクラスの次に書かれるもののことです。内容はそのSCPオブジェクトの収容方法。これがないと、正しく収容が出来ませんから。

「オブジェクトクラス」とは、各SCPオブジェクトの収容難易度をランク付けしたものです。主要なクラスは四段階。

1つ目の「Safeクラス」は、収容が容易なSCPに割り当てられます。でも、収容が容易なだけであって必ずしも安全とは言い切れません。Safeクラスでも危険なものはあるので、一応注意が必要です。

2つ目の「Euclidクラス」は、特殊な収容方法が必要になるSCPに割り当てられます。特殊と言っても、収容手順に従ってさえいれば収容はなんら危険じゃありません。Euclidクラスを割り当てられるのは、人型だったり知覚や思考能力を持つ動物のSCPです。意志を持っているから何を考えているか分からない部分があり、完璧に動きを把握することも財団側から操ることも出来ないからです。サイト内ではEuclidクラスに分類されているSCPが最も多いんですよ。

3つ目の「Keterクラス」は、Euclidクラスよりも更に特殊な収容方法が必要だったり、そもそも収容自体が難しいSCPに割り当てられます。Keterクラスだと異常性を抑制するために、最大の警戒態勢と莫大な資産が注ぎ込まれます。Keterクラスに指定されたオブジェクトは、すぐに収容違反を起こして、財団にも一般人にも見境なく被害を出しまくるので、本当に注意して収容しなければいけません。

4つ目の「Thaumielクラス」は、他のSCPの収容や対抗手段に利用が出来るSCPに割り当てられます。Thaumielクラスのオブジェクトは、存在そのものが財団にとって最高レベルの秘密情報で、どこにあるか、どういうものなのか、現在どうなっているかすら、ごく一部の職員にしか知らされません。知らされる職員は、財団のトップO5評議会等です。

大抵のSCPは、Safe・Euclid・Keterクラスに分類されます。Thaumielクラスを割り当てられるSCPは数少ないですが、知っておいて損はないので言っておきました。




ここまでSCP財団について説明してきましたが…

メタ的発言をするならば、そもそもSCP財団というのは「海外発祥のオカルト創作投稿サイト」のことなんです。初っ端から私は財団職員を名乗りましたが、SCP自体全部フィクション、誰かの創作物ってことです。…私自身が誰かの創作物であることはよく理解していますよ。だって、五感が全く使えないし、こんな文字上でしか話せないんですよ。明らかにおかしいでしょう? 偶然なのかは知りませんが、私の名前と同じ方が創作されているようですね。

これ以上考えるのはよしましょう。どうせ抗えないし、今も操作されているのでしょうから。


さて、SCP財団についてあらかた分かったでしょうか? 分からない方はYouTube等で投稿されている解説動画を見てください。そっちのほうがコレよりも何倍も分かりやすいでしょうから。…私は話し疲れたので、少し休むことにします。次の物語ではいよいよSCPオブジェクトについてお話する予定ですので、楽しみにしていてくださいね。では皆さん、また。

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