Yさんの夢、ひとつめ-考察
前にも書いた通り、前回のこれはYさんの夢を元ネタとして書いた怪談です。
朝、突然に連絡されて、Yさんにしては急いでいるといった雰囲気の文章で伝えられたものがもととなっています。
考察ということで今回は、もとになった話……チャット記録ですね、それの紹介から始めましょうか。
Yさんからは許可を得て掲載しておりますので、ご心配なく。
◇
(Yさん)怖い夢見たのでネタにしてほしいんですけど
忘れそうなので今書き起こして送ります
2本仕立て、なんですけど夢の都合上、記憶がかなり曖昧なので恐らくツギハギになると思います
まず、1本目
舞台は僕のおばあちゃん家と思ったんですがもしかしたら違うかもしれません、かなり不気味な家で誰かの写真が大きな窓というか縁側に続く様なそんな感じのところの横に大きく飾っていました
誰かは思い出せない、というより思い出したくないのかもしれません、それ程ショッキングな写真でそれを見てとても悲しくなりました
そこへ、おばあちゃんと思わしき人がやって来て笑いながら何かを喋ってて……咄嗟にこの人は倒さないといけないと思い、壁の写真を乱暴に外して握り締めたまま、殴りました
しかし、それでも勝てなくて相手のおばあちゃんと思わしき人が延々にこちらに向かって笑い続ける……そんな、夢でした
イメージは白黒で、サイレントヒルとかのあんな感じですね
(私)恐怖タイプ:ノスタルジーの歪み ですかね
(Yさん)そうですね、おばあちゃんとおばあちゃん家(仮定)という舞台が怖さの原因だと思いますね、ノスタルジーもあるんですけど、壁の写真がですね……あれが本当に怖かったです詳細はちょっと言えないんですが
(私)なるほど
(Yさん)直感的にまずい、って思ったんですよね、そしておばあちゃんを倒すにはこれを使うしかないと思ったのが倍になってます
2本目に移ります
※2本目に関しては別の回で紹介しますので、お待ち下さい。
◇
この話を聞いて最初に思い浮かんだ言葉は、チャット内で言及している通り『ノスタルジーの歪み』です。
例えば10年来の友人と思い出を語っている時に、全く身に覚えがない記憶が友人の方にだけあったら、或いは逆にあなたの記憶にあるのに友人にはわからなかったら、怖いじゃないですか。
例えが分かりづらいかもしれませんが、これが『ノスタルジーの歪み』という恐怖の形です。
Yさんはそれに類する恐怖を感じたのかな、私はそう思いました。
祖母と、その家が『何か違う』、ということに恐怖したのかな、なんて。
それは合っていたんですけど、意外なのは壁の写真が――会話内で直接言われているわけではありませんが、文脈的におそらく――1番怖かったというところです。
ただの写真で、そこまで怖いことなんてあるでしょうか。
グロ画像でも嫌悪感を覚えているはずですし。
少なくとも写真に何かがある、ということで怪談では私の遺影にさせていただきました。
さて、考察と言いつつも私に夢占いなどの知識がないことから薄い内容になりつつありますが、記憶からバラバラのものが出力される、夢っぽさ……と言えばいいでしょうか、それがこれにはあまりありません。
恐怖を呼び起こさせるには、その『あるはずのものがない』恐怖で十分だったのではないでしょうか。
そして、写真はその理由をつけようとして必死にYさんが生み出したもの……と結論付けておきます。
考察としての質などは悪いと思いますが、怪談は書いたので許してください。
そういえばこれを書いていて思い出したんですけど、私にも夢にまつわる体験談がありまして。
いつか怪談にしようかな、と思っていたので、次はそれの話です。
そっちは考察とか、そういうのができないですけど。
Yさんの夢、2本目はまだまとめ終わっていませんし、ね。
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