第3話 俺の失敗の原点
俺が覚えている限りで、最も最初の失敗は産声を上げたことだ。
と言ってしまえば簡単なのだろうが、きっとそうじゃない気がする。
一時期は生まれたことがミスだったと嘆いた時期もあったが、29歳にもなるとそこまで青いことは言ってられない。
未来をどうにかするには、後悔をやめて反省にシフトチェンジする必要がある。
それを踏まえて考えてみると、小学校の5年生だったか忘れたが、そんな頃の話を思い浮かんだ。
当時の俺は、今みたいにネガティブじゃないし、目も悪くない。
正直、可愛い子どもだった。
そんな純粋な幼き俺は、恋心を知ったのである。
相手の子は、ハキハキとした活発的な女の子だった。
どうしても気持ちを伝えたかった俺は、学年が変わる直前にみんなで集まって遊んだ日の帰りに、その子を呼び留めて告白をしようと決意する。
夕方になり、辺りが赤く色づいていく。
自分の顔も、夕日に照らされているのか緊張しているのか、赤くなっていたことだろう。
みんなが帰り出す中、俺は意を決して呼び止めた。
だが、そこで予想外の出来事が起こった。
その子と一緒に帰ろうとしていた別の女の子が、空気をまったく読んでくれない。
「大事な話がしたいから、ちょっと来てくれないかな?」
俺が好きな子にそう言っているのに、友達はニヤニヤしながらその場を離れないのだ。
正直、意味が分からなかったよ。
普通、どっか行ってくれない?
好きな子も困惑するし、友達はその子の手を掴んで離さない。
俺はもう、その場で告白するしかなかった。
結果は失敗。
まぁ、とはいえ恋愛なんて成功する方が少ないのだから仕方ない。
でも、この話はここからなのだ。
俺は失恋の気持ちを抱えながら帰路を歩いていると、携帯が短く震えたのに気付く。
何かメールが送られてきた。
宛名は、空気を読まなかった友達から。
宛先は、その日遊んでいたみんなへの全体メール。
その中には、こう書かれていた。
「Rの片割れ君、〇〇ちゃんに告白して振られちゃったよ!
悲しんでると思うから、慰めてあげてね!」
俺はそんなに悪いことをしたのかい?
もはや恥ずかしさよりも疑問で頭がいっぱいだった。
その後、慰めメールがいくつか届き、俺はやるせない気持ちのまま学年が変わったのである。
思い出した!
慰めメールの中に『羞恥心』っていう歌の替え歌を作ってくれた友達がいたから、これ中学生の頃の話だ。
思春期にこれは拷問だろ。
こうして、俺の恋愛は黒星で始まったのである。
実際のところ、小学校や幼稚園でも好きな子がいたけど、ことごとく惨敗していた。
けど、それらは子供の恋愛ごっこのようなもの。
中学生の恋愛でこの結末は、ちょっとガチで凹む。
でも、これも今となっては良い思い出だ。
あの友達は、今では空気を読めているだろうか。
きっと彼女には、空気が日本語ではなくヘブライ語とかに見えていたのかもしれない。
今度再開したらドロップキックくらいしても許される気がする。
とにかく、こうして俺の失敗談は始まっていったのだ。
振り返ってみると、ろくな経験をしてないわ。
それでも前向きに生きてきた俺は、中学で柔道部に入り、心と体を鍛え始める。
その先に何が待っているか。
それはまた、次のブログで書くことにする。
今日はまだまだやることがあるのに、つい筆を走らせてしまった。
こうやって書くことが、ストレス発散になっていることは間違いないだろう。
これからも、どうか俺の愚痴に付き合ってくださいな。
それでは、おやすみ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます