第八話 神秘の力

「ジャンヌダルクの旗…確かジャンヌダルクは神からの信託を受けてフランス、オルレアンを包囲していた軍を包囲していたイングランド軍を撃破」

「あってるね」

「でもその後の戦いではイングランド軍に捕虜として捕まり魔女裁判にかけられ火あぶりの刑にさせられた悲劇の少女」

「そうだね、時代やタイミングさえ違えばただの村娘のジャンヌダルクとして生きられた女の子」

「そんな子の旗って何か神秘の力が働いてたんですか?」

「彼女の旗は人を心酔させる力が宿ってしまったんだ。だからこそ彼女の人生は大きく変化した」

「その神秘の力が宿ったものを回収しなかったらどうなるんですか?」

「前にも言ったと思うが歴史が変わるんだ。魔法や奇跡がある限り歴史が変わってしまう。その時に多くの人間に影響が出てほつれが生まれる」

「ほつれ?」

「そう、そこから大きな裂け目ができて予想だにしない出来事につながってしまう。より良い未来に導かれたらいいけれど、ほとんどは悪い結果へと導かれてしまう」

「具体的には?」

「そうだな、まずは今の人口の約半分以上が消える」

「半数以上が…」

「そして世界大戦はもっと長引きより多くの死者が出ているね」

「そこまで酷くなるんですね」

「神秘の力を分け与えている者がいてね、そいつが邪悪なやつなんだよ」

 館長がそこまで言う相手ってどんな奴なんだよ。

「その話はさておきここが隠し部屋、3階の居住スペースにつながっている。大体は1階にいるけれど、もしいなかったらここにいる」

「分かりました。博物館に住んでるんですね」

「もともと住んでた屋敷を改造したところだからね。さぁ、そろそろ時間だよ」

「時間?」

「回収の時間だよ」

 

 そういわれたの2階の吹き抜け部分に足を運ぶ

「さぁ、ちゃんと飛び込むのは初めてだね」

「はい」

「行くときは行き先を頭にしっかりイメージする。今回は1429年フランスだ」

「フランス…」

「その調子、次は月明かりがあの天球儀を照らしたら飛び込むんだ」

「そういや俺、イメージも何もしなかったんですが」

「あれは僕を追いかけようという意思から僕と同じ場所に飛べたんだ」

「へぇ」

「ちなみに月明かりが差し込んでいないと普通に落ちて大怪我するから気を付けてね」

「急に怖い事いわないでください」

「冗談ではないけれど、タイミングずれない様に手でもつなぐかい?」

「あっちでも離れると怖いんでお願いします」

「よし、じゃあいくよ。覚悟は決まった?」

「いつでも大丈夫です」

「いくよ」

「はい!」


 そうして俺たちは光る天球技に飛び込んだ

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