儚い花

@aiaireeeeee

第1話 記憶のはじまり

私の人生においてたった一つ忘れられない瞬間がある。


忘れたくない。その記憶の傍にずっといたいよ…。


強く願いながらそっと目を閉じた。




…2年前





日差しが眩しく降りかかる4月。




3組か、、。




新学期を迎えた私は今日から2年生だ。

座席につくと周りは知らない人だらけだった。




1組の時の子全然いないな、最悪。




ぶつぶつと独り言を言っていたら隣の人に笑われた。



え?今笑いましたよね!?



初対面の人なのになぜか腹が立っていさぎよく聞いてしまった。

知ってる人がいなくて焦ってるいる相手に平気に笑ってくるのには理解ができなかった。



― あー笑ったよ。ごめん笑



ほんとに反省してますか…?また笑ってなんなの。



― ごめん。



誰か知りませんけど、こっちは知り合いがいなくて焦ってるので!平気そうにしないでほしいです!!



― 俺は遠山 伸之介。去年2組だったんだよね。君は?



河野 夢です。去年は1組でした。




初対面の人を相手に怒り口調になってしまった自分に反省しながら答えた。

話を進めていくとどうやら遠山は去年は1年2組で、サッカー部に所属しているらしい。




― まあ隣同士よろしくな。




☆ え!遠山くんの隣なの?!いいなあー。



どこが?笑

あの人初対面なのに私のこと笑ってきたのに?



☆夢、知らないの?遠山くんすごい人気なんだよ?去年はバレンタイン14人から貰ったらしいし!!!




去年からの仲である千早の口からは次々と遠山くんの話が出てくる。




あいつのどこがいいのよ。



☆とか言っちゃって来月には好きになってたりして!じゃーねー




そんなことは絶対にない。

私の中での遠山くんのイメージは最悪だ。

グイグイくる人は苦手だし早く席替えをして今すぐ離れたい勢いだ。




では美術の授業を始めます。席に着け。




― 隣?また?笑

俺ら同じになりやすいな。運命だな笑



運命とか最悪なんだけど?集中したいから授業中は話しかけないでよね?



― 俺が話しかけないとか無理だろーー。




私たちはいつでもどこでも一緒。最悪なことに。

美術も音楽も家庭科も全て。



ねえ本当に邪魔したら許さないから。



― 全くお前は怖いなあ。大丈夫だって。害することはしねーよ。




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