バンコク怪奇譚7 悪夢から始まる運命の出会い

暗く肌寒い夜、一人の男が古びた秘密の魔術書から呪文を唱えた。その呪文は、蛇頭の狼の姿を持つ強大な悪魔、アモンを召喚するものだった。

呪文を唱え終えると、部屋中が赤く染まり、熱気が充満する。すると突然、部屋の隅に巨大な影が現れた。まるで地獄から這い上がったかのような恐ろしい姿だ。「アモン卿、私の召喚に応じていただき感謝します」と男は震える声で言った。

アモンは人間の姿を取り、優雅に頭を下げた。「私はあなたの召喚に応じました。何か望むことはありますか?」

男は、アモンの力を借りて、自分の敵を滅ぼすことを望んだ。するとアモンは嘲笑的に笑い、炎の剣を現し出した。「望むことは叶えましょう」

アモンは男の敵の元へ向かい、炎の剣を振るい次々と敵を倒していく。男は圧倒され、恐怖と興奮に震えていた。

しかしアモンは、すべての敵を滅ぼすと、男の方を向いた。「私の仕事は終わりました。これからは、私の望むままに行動させていただきます」

アモンはにやりと笑うと、部屋中に炎を放った。男は必死に逃げ回るが、炎は彼を追い詰めていった。

「なぜ!?」と男が叫ぶと、アモンは答えた。「私はあなたの敵を滅ぼすことを約束しましたが、あなたも私の敵なのです」

アモンは男を捕らえると、炎の中へと投げ込んだ。男は絶叫しながら意識が遠のいていき、アモンの残酷な笑い声が響き渡るのを聞いた。

地獄の業火の中で永遠に苦しむ運命なのだろうか。その恐ろしい状況に、男は戦慄したのであった。


桃子は目を瞬いた。先ほどの悪夢の光景がまるでリアルなように続いていた。棺桶の中、そして20年前の廃寺で行われていた葬式。黄色い扇風機が不気味に回り、無数のカブトムシが飛び交っていた。


「え? どうしてここに…?」桃子は息をのんだ。自分が棺桶の中にいるというのがまるで信じられなかった。逃げ出したいという強い衝動に駆られたが、どうにも身動きが取れない。まるで時間が止まったかのように、まわりの景色が動かない。


突然、耳に何かが聞こえてきた。ギシギシと木の扉が開く音。そして、重たい足音がする。桃子はさらに身体を固くした。誰かが近づいてくるようだった。


やがて、扉が開き、そこには見覚えのある顔が。あの男が立っていた。悪魔を召喚していた男だ。


「ようやく目が覚めたようだな。」男は冷たい声音で言った。


桃子は恐怖に怯えた。一体どうなってしまうのか。この男の正体は一体何なのか。桃子は必死に頭を働かせたが、状況がさっぱりわからない。


「な、何を企んでいるんですか?」桃子はおずおずと尋ねた。


男は冷笑した。「私は悪魔を召喚し、この世界を支配しようとしているのだ。そして、お前にも協力してもらうつもりだ。」


桃子は目を見開いた。悪魔を召喚? 世界を支配? そんなことが本当にできるのか? 桃子はおぞましい光景を思い浮かべた。この男に協力するわけにはいかない。


「絶対にそんなことには協力しません!」桃子は声を荒げて叫んだ。


男は嘲るように笑った。「お前に選択の余地はない。」と言うと、男は何かを唱え始めた。

桃子は必死に体を動かそうとしたが、全く動くことができない。男の呪文に呪われているのだ。


やがて、部屋中が赤い光に包まれた。そして、巨大な影が現れ始めた。まさに悪魔の姿だ。桃子は恐怖で震えが止まらなかった。


「さあ、私の命令に従え。」男は桃子を睨みつけた。


桃子はあまりの恐怖に声も出なかった。これはもはや悪夢ではない。現実なのだ。


桃子は日本の大学の図書館で目が冷めた。現実だと思ったのは悪夢だった。そして眼の前にはタイのガイドブックがおかれていた。そしてあこがれのタイに昆虫食の研究をしに行こうと決心した。


一年後 桃子はタイへ留学し、タイの友人ブンと出会う運命だった。

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