アラート

──ビーーーッ!ビーーーッ!


 けたたましい警告音が耳をつく。少し間をおいて船体が大きく揺れ始めた。

 慌ててベッドから身を起こし操縦席へ向かう。


──何が起こった?


 とある惑星へ船体が引っ張られている。軌道修正しようとして、操縦桿をガチャガチャと動かすが、船体の向きを変えるだけで精いっぱいだ。


 大気圏であろう空域に差し掛かると、船体が赤い光を放ち始める。幸いにして入射角は緩やかなようだった。これなら無事に着陸……できるかもしれない。


 しばらくして、宇宙船は轟音を上げながら地表を滑り走る。砂埃が舞い、船体が大きく揺れる。しばらくしてその動きは緩やかになり、宇宙船は静止して、音は止んだ。


***


 改めて各種計器を確認した。生きているようだ。どうやら航行するにも問題ない状態。大気、重力を確認してみたが、人間が適応できる環境のようだ。


 グレゴールとともに宇宙船を降りて周りを見渡す。

 空を見上げると。恒星の光が当たらない時間なのか夜のような様相だった。植物が鬱蒼と茂っている。知らない植物、虫、


 好奇心をそそる。


 周りを見渡しているうちに、一層際立って、不思議なものを目にすることになった。無機質のような、有機質のような、とはいえ人工物であろう大きいドーム状のものが鎮座している。


「あれは……なに……?」


 思わず口をつく。

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