第2話:茲音(ここね)
歳は未成年、もしくは20くらいか。
俺はその子を一目見てめちゃ自分のタイプだと思った。
でも会ったこともないし知らない女の子。
だけど、それはたしかに間違いなく俺のタイプだったんだ。
「え?何かのサプライズ?・・・それとも勧誘?営業ですか?」
狐につままれたってのはこのこと。
「こちら
「はあ、俺が福山 幸太ですけど・・・朝からなんでしょう?・・・」
「ちょっとドキドキするんですけど・・・」
「私、アンドロイド・ガイノイドを扱っておりますショップ「ベルヌ工房」
と言うショップから参りました「
そう言って韮澤と名乗った女性は俺に名刺を渡した。
ベルヌ工房なら、ガイノイドを見に何度か足を運んだことがある。
「はあ、韮澤さん?・・・どうも〜」
私の後ろにいるのが、我が社が取り扱っているガイノイドです」
紹介された子は玄関先で俺にペコッとお辞儀した。
「はあ・・・ガイノイドは分かりますけど・・・」
「で、その韮澤さんが俺にどんな用でしょう?」
「福山さん、私どものベルヌ工房のガイノイドご購入なさいましたね」
「は?ご購入????・・・知りませんけど・・・」
「たしかに契約済みになってらっしゃいますけど・・・」
「あ、ごめんなさい・・・ずっと玄関でしたね」
「上がって、上がって・・・なんだか普通の話じゃないみたいですから
上で話しましょう」
「じゃ〜、ちょっとお邪魔します」
ガイノイドの子は韮澤さんの後ろを金魚のウンコみたいについてきた。
「契約ってさ・・・知らないですよまじで・・・身に覚えないですけど」
「間違いなくこの子を、ご購入なさってますよ・・・」
そう言って韮澤さんはガイノイドの子を指差した。
「いやいやまじで覚えないですから、購入なんかなさいませんでしたと思い
ますけど・・・」
「福山さん、直接お店へのご訪問ではなくネットでご注文、ご購入なさってます」
「購入理由には彼女が欲しいからって書いてらっしゃいますし、この子の顔も名前も
福山様がお決めになってます・・・」
「ちなみに福山様がお決めになったこの子の名前は「
ますが・・・」
「まじで?」
「正直言ってめっちゃ彼女欲しいって思ってましたから、たぶんですけど、昨夜、
俺めちゃ酔っ払ってたから無意識にお宅の店のサイトに行ってポチってやっちゃったんじゃないでしょうか?」
つづく。
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