｢今日の音楽の時間は、こうしてクラシックを聴いてればいいから楽ですよね｣

｢まあ、そうですね｣

｢中学の中でも、いちばん好きな時間かも？｣

｢まあ、わかります｣

｢白熊さんも？｣

｢うちは、音楽なら、歌ったりするのも好きですけどねっ、あと楽器の演奏とかも｣

｢なるほど。音楽全般好きと...｣

｢何、うちの情報メモってるんですか？｣

｢ちがいますよー！今、聴いてるクラシックの感想をメモしてるんですよー｣

｢あ、そうでしたか｣

｢感想文書かなきゃならないんですから...｣

｢あ、そうなんですね｣

｢当たり前ですっ！感想文書かないで、ただ聴くだけの授業なんて、聞いたことないですよ～｣

｢まあ、たしかに｣

｢そもそも、白熊さんの情報をメモして、いったい何になるんですかー！｣

｢そうですよねー｣

｢そうですよっ｣

｢個人情報の漏洩になりますからね｣

｢なんですか？それ？そんな大げさな｣

｢はいはいっ...あっ、今のとこの曲の盛り上がり、うち好きなんです｣

｢あ、白熊さんも？わたしもです｣

｢いいですよねー。あそこを感想文に書こ｣

｢わたしも｣

｢真似しないでくださいよっ｣

｢真似じゃないですよー、白熊さんの真似なんかしてませんっ｣

｢ちょっとは静かに聴きましょう｣

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